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【『われても末に』創作の裏側】王女イリアに強力な武器や魔法を使わせなかった理由

 一昔前では、女性は守られる存在として描かれていたと思います。古き良きディズニープリンセスしかり、ジブリのヒロインたちだって、結局男に守られてんだろ?って思うキャラもいたり。

 女性が一方的に男性を助ける話もあるけど、私としてはそういう展開はちょっと不自然な感じがしています。

 そして、近年になってくると、武器を持ったり、怪力を手に入れて戦う女性たち、または強力な魔力をもつ女性が描かれることが多くなってきたと思います。

 スーパーマリオのピーチ姫や、トイ・ストーリーのボー・ピープまでズボンを履いて戦い始めた時は、正直ビックリしました。

 ストレス発散のためのコンテンツとして見るならば、確かにスッキリすることはありますし、面白いなと思うこともあります。

 しかし、私たち現代社会に生きる女性たちというのは、学校や職場へ武器を持ち込めませんし、相手をぶん殴るわけにもいきません。便利な魔法なんて使えるわけないし。

 かといって、一方的に男性に守られたり、面倒を見てもらう時代はもう終わりました。

 だとしたら、どうやってこの厳しい社会を生き抜けばいいかと考えたときに思い浮かんだのは、知恵と覚悟ではないかと思ったのです。

 私自身、教員として働いていく中で、悔しかったことや苦しくて辛いことなんて山のようにありました。プライベートでも、上手くいかないことが続いたり、信頼していた人に裏切られたことも、たくさんあります。

 その経験を踏まえて、失敗を二度と繰り返さないためにはどうしたら良いか、本を読んだり研修に参加したりしていろいろ勉強しました。

 その時に思ったのが、今の時代に求められていることは相手と戦うことではなく、上手く協力してもらえるよう取り計らうことだ、ということでした。

 そのためには、相手の話を否定しないでよく聞いたり、相手を認めたりすることがとても大切なのではないか。

 自分にできることは、些細なことだけど、その積み重ねが大事なのではないか。

 こういう何気ない行動が、人や世の中を変えていくのではないか、と思ったのです。

 しかし、それを実行するには学び続けないといけないし、覚悟も必要です。一人では難しいので、教えてくれる人や協力してくれる人も必要です。

 男性たちとは、どちらかが一方を助けるのではなく、協力しなければならない立場にあるのではないかと思います。

 だから、男性のオリバーとマーシャルの活躍は表ではなく、陰での活躍になりました。二人ともそれぞれ秀でている部分はあるけれど、イリアにはアドバイスしたり、サポートする程度です。最終的に決断して実行するのはイリア。 

 それでも、すんなりいかないことは多いし、パワハラやセクハラはなくならない。
 バーガンディは、そういう社会の歪みの象徴にしました。
 私たちの生きる社会は、障害も多いし理不尽なことに耐えなくてはならないこともたくさんあります。
 だからといって、お洒落を止めて男性と同じように振る舞うことが本当の「女性の強さ」や「格好良さ」かと言われると、それは違うと思います。
 女性だからこその強みがあるはず。お洒落は止める必要ないし、むしろお洒落するべき。そして、男性にはない強かさと、図太さをもって生きたらいいんじゃないか、と思うのです。

 女性が活躍するには、まだまだ課題が多い世の中ですが、この物語を通して女性としてどう生きるかということを、改めて自分でも考えられたと思います。

 

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