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リサイクルショップの隅で、老兵たちはまだ動いていた

先日、ふらっとリサイクルショップへ遊びに行った。

特に何かを買う予定があったわけではない。

あまり行くことは無かったが、目的もなく歩くのが楽しい。

家具、家電、食器、カメラ、ブランド品。

誰かの家で使われていた物たちが、所狭しと並んでいる。

「これはどんな家にあったんだろう」

なんて考えながら、店内をぐるぐる回っていた。

すると、店の隅のほうで、ふと私の目が止まった。

古いゲーム機だった。

スーパーファミコン。

セガサターン。

90年代、私たちを熱狂させたゲーム機たちだ。

思わず足を止めた。

懐かしい。

いや、「懐かしい」だけでは少し違う。

なんというか、

「お前たち、まだいたのか……」

そんな気持ちになった。

昔は主役だった。

テレビの前の一等地に置かれ、新しいゲームを買えば何時間も遊んだ。

友達が家に集まり、コントローラーを取り合った。

攻略本を読みながら必死になった。

負ければ本気で悔しがった。

親には、

「いつまでゲームやってるの!」

なんて怒られた。

それでもやめなかった。

あの頃のゲーム機は、ただの家電ではなかった。

遊び相手であり、青春の一部であり、

言ってみれば戦友だった。

その戦友が今、リサイクルショップの隅で静かに並んでいる。

派手な最新家電の横でもない。

目立つ場所でもない。

ひっそりと。

値札をぶら下げて。

思わず心の中で話しかけた。

「次はどんなやつのところに行くんだろうな」

できれば大切にしてくれる人のところへ行ってほしい。

昔遊んでいた人が懐かしくなって買うのかもしれない。

若い人が、

「昔のゲームってどんな感じなんだろう」

と手に取るのかもしれない。

そんなことを考えながら見ていると、本体に貼られた説明が目に入った。

「動作確認 異常なし」

なんとも意味深である。

30年以上前のゲーム機に書かれた「異常なし」。

新品の商品なら何とも思わない言葉なのに、

なぜか健康診断をクリアした老兵のように見えてしまった。

「多少ガタは来てます。でも、まだやれます」

そんな声が聞こえてきそうだった。

お前……まだ動くのか。

すごいな。

何人もの子どもたちに酷使され、

何千回と電源を入れられ、

もしかすると何年も押し入れに眠り、

引っ越しも経験し、

最後には誰かに手放された。

それでも、

「動作確認 異常なし」

満身創痍じゃないのか?

無理するなよ。

そう言いたくなる。

でも、電源を入れれば、

「まだ仕事できますけど?」

とでも言うように、普通に起動するのだろう。

考えてみれば、私たち人間だって同じようなものかもしれない。

若い頃は自分が主役だと思っていた。

体力もあった。

夜更かししても平気だった。

多少無茶しても翌日には復活した。

それが歳を重ねると、あちこちガタがくる。

昔ほど無茶はできない。

それでも、

まだ動く。

多少傷は増えた。

新品ではない。

でも、それまで使ってきた時間がある。

経験がある。

傷にも一つひとつ物語がある。

そう考えると、リサイクルショップの隅に並んでいる古いゲーム機が、妙に格好よく見えてきた。

最新ゲーム機みたいな高性能ではない。

グラフィックだって粗い。

ロードも遅い。

でも、あの時代を知っている。

私たちが夢中になった時間を知っている。

そして今日も、

「動作確認 異常なし」。

まだ現役だ。

店を出る前、もう一度ゲーム機売り場を見た。

買わなかった。

買わなかったんだけど、

心の中でひと言だけ声をかけた。

「無理せず頑張れよ」

たぶんあれは、ゲーム機に言った言葉だった。

でももしかすると、

半分くらいは自分自身に言っていたのかもしれない。

最後まで読んでいただきありがとうございました☺️

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