随筆:うちの嫁さん
私の身近には、超天然の女がいる。うちの嫁さんだ。まあ、ひと言で言ってしまえば面白い人ではある。
彼女の特徴を以下に箇条書きしてみた。これでうちの嫁さんの生態がなんとなくわかると思う。
▪美人
いきなりだが、これは嘘ではない。亭主の私が言うのは非常に気が引けるのだが、本当にそう思っている。
「奥様のどこが好きになったの?」という質問には、必ず「顔」と答えているくらいだ。
▪頭がいい。
学生時代の通知表を見ると4が三割、5が七割並んでいる。
クイズ番組を一緒に見ていても、正解率が半端ない。
英語が堪能
▪計算が早い
数学は苦手だと言うが、私の使った金の計算だけは異様に早い。
数字に限らず、物事を計算ずくで進めるのが上手。
▪超真面目。
公務員一家の血を引いているからか、四角四面で融通の利かないところがある。
仕事や家事で許容以上のものを背負い込み、頑張りすぎてテンパってしまう。
と、ここまでは褒めどころだが、ここからは笑いどころとなる。ギャップがあるのは魅力的でもあるが、どうやったらこんな極端な二面を持ち合わせられるのか不思議である。
▪すぐに人を信用する。
冗談を真に受けてしまうので、下手なことを吹き込んではダメ。
以前、犬を飼っているお宅の「むやみにエサを与えないで下さい」と書かれた看板があったので「あの犬、“むやみ”って名前らしいぞ」とボケて言ったら、しばらく本当に“むやみ”と呼んでいた。
私の近辺では、ホームセンターのコーナンをあえて「コーマン(意味は『ビー・バップ・ハイスクール コーマン』とググってほしい)」と呼ぶのが定着しているのだが、それを疑いもせず、コーナンのレジ前から「今、コーマンにいるんだけど」と電話してきたことがある。
▪大雑把で細かいことが苦手
「四角い部屋を丸く掃く」「重箱の真ん中しかつつかない」ような性格。途中で投げ出した編み物やピースを失くしたパズルがいくつもある。
▪物の扱いが雑。
機種変したばかりの最新スマホでも、テーブルの上などに投げるように置くので、ひと月くらいのペースでガラスフィルムを貼り替えている。
各種リモコンの電池交換をさせると壊す。
我が家ではよくリモコンがなくなるのだが、大抵は嫁さんのバッグに入っている。
▪感情的になるとすぐ泣く。
映画やドラマではもちろん、人が泣いている映像を見るだけで泣く。
夫婦間のちょっとした言い合いでも涙ぐむので、その先何も言えなくなる。
そして、女優バリに大粒の涙をこぼすことで、全部こっちが悪かったと錯覚させる。
▪ゲラである
一度ツボに入ってしまうと、息苦しくなるほど笑い転げるので、厳正な場所では、笑わせるようなことを言う私と一緒にいるのを嫌う。
▪言い間違い、聞き間違いが多い。
自らの講演で「発光ダイオード」を「ダイオハッコード」と言ってしまった。
「毎度あり」と言われたのに「マイダーリン?」と首を傾げていた。
先日、娘が「フラワーミッフィーのタンポポ」を買ってきてと頼んだら「ミッキーマウスのトランプ」を買ってきた。
↓フラワーミッフィーのタンポポ

▪肝心な部分が抜けている
「今日あなたにお世話になったって人に会ったよ」
「誰?」
「聞いたけど忘れた」
「どんな人だった?」
「男の人」
というような、何も伝わらないやり取りになっても、自分ではちゃんと伝えたと思っている。
「車、何に乗ってるの?」と聞かれて「白い車」と答えたりもする。
意外に思うかもしれないが、短気でせっかちな私はわりと几帳面で、才色兼備で品行方正な嫁さんは大雑把なのだ。
それがひと目でわかるものを用意した。
春のパン祭りをご存知の方は多いと思うが、私がシールを貼った台紙がこちら。

これは今年のやつで、枠の点線に合わせ、上下を揃えることはもちろん、店の人が計算しやすいよう点数ごとに分けて貼っている。
そして嫁さんはこう。

実際のものは用意できなかったので、ネットで拾った画像だが、まさにこんな感じ。初めて見た時は爆笑した。
枠に合わせるとか、上下揃えるとか、はなから考えていないらしい。
それらを鑑みて、彼女は天然だと思っているのだが、本人は認めない。と言うか、そんな感じで四十年近く平穏に生きてきたわけだから、自覚するのは難しいんだと思う。
うちの両親や親戚にも、器量の良いしっかり者だと言わしめているが、私はそうでないところが逆にかわいいと思っている。
それなのに──
少し年が離れていることもあり、かつては確実に私の方が子ども扱いをしていたのだが、今では立場が逆転してしまった。
収集癖がある私は、嫁さんに内緒で結構なムダ使いをする。
近年だと、高級な万年筆や、お高めのG-SHOCKを何本も買ったり、何の役にも立たない十数万のライトセーバーのレプリカを買ったりと、子どもみたいだと叱られ続けている。
男はいつまでも経っても中二病なんだから仕方ないではないか。
彼女の仕事柄もあるが、毎月洋服や美容にかける金額は私の小遣いよりもはるかに多い。
スーツや制服を作って着回せば?と、言ってみても、相手にされない。
「だったら私も使ってやる!」と思っていたのだが「あなたの場合は収入に直結していない」と言われ、すんなり納得してしまった。
もし嫁さんが、私の特徴や生態を記事に書いたとしたら、箇条書きの項目が当記事の倍以上に増えるのは明白。
あまり人のことは言えない大島でした。
