再開発エリアの賃貸、夢と現実。「完成前」に住むメリット・デメリット
「ここ、将来めっちゃ便利になりますよ」
内見でそう言われた再開発エリアの賃貸物件。
駅前は工事中、空き地だらけだけど、完成予想図はキラキラ。
でも実際に住み始めると、工事音・景色の変化・人の出入り…
今の生活と将来の期待が噛み合わないことも少なくありません。
再開発エリアの賃貸は、住むタイミングを間違えると、微妙な時期を引いてしまうことがあります。
この記事では、不動産勤務歴10年超の現役宅建士が、再開発エリアの賃貸物件に、完成前に住むメリットとデメリットを整理します!
そもそも再開発エリアってどんな場所?
再開発エリアとは、駅前・大規模敷地・老朽化エリアなどを対象に、商業施設・住宅・オフィス・公共施設を一体で作り直す地域のことです。
複合的に土地の高度利用や防災性の向上をねらうのが基本です。
大規模案件は整備が数年〜10年規模の長丁場になりがちで、段階整備や工程変更も珍しくありません。
つまり、「今の街」と「完成後の街」は別物、という前提が必要となるわけです。
開発途中だと微妙と言われる理由
なんとなく想像がつくかもしれませんが、再開発エリアの賃貸物件で多い不満は、だいたいこのあたりに集中します。
工事音・振動
重機、トラック、夜間・早朝作業。
騒音・振動は法律で事業者に規制・手続きが課されていますが、時間帯の制限や作業方法は自治体ごとの規制・指導がベースで、やむを得ない夜間作業が行われることもあります。
日中在宅の人ほどダメージ大になりやすいです。
景色と日当たりの変化
入居時は抜けていた景色が、半年後には仮囲い、数年後には高層建物など、計画図に将来建築が書かれているのに、口頭では伝わりきらないことがよくあります。
人の出入りの増加
工事関係者、仮設店舗、イベント…
落ち着いた住環境を求める人にはストレスになります。
もちろん、それでも「アリ」な人もいる
ここまで読むとだいぶネガティブになりますが、再開発エリアの賃貸物件が合う人も確実にいます。
・完成後もその街で住み続けたい
・多少の不便は割り切れる/外出多め
・将来の利便性向上を見越して今はコスパ重視(完成前は相場より抑えめの募集になることがある)
なお、完成が近づく・完成後は周辺の地価が上がりやすい傾向が統計でも示されます。
家賃も需給に引っ張られる可能性は高い、という理解でOKです。
完成したら家賃は上がる?
これについてはよく聞かれますが、上がることが多いorあり得る。
くらいが正確だと思います。
理由は、周辺相場の上昇・ブランド力の付与・法人需要の増加などです。
ただし注意点もあります。
日本の賃貸は借地借家法32条で賃料の増減請求に相当の事情が必要とされ、契約条項や相場変動などの根拠が求められます。
更新時に自動で大幅UPではなく、契約と交渉の枠組みで決まります。
まとめると、上がりやすい環境にはなるが、必ず上がる、一方的に上がるではないということは押さえておきたいです。
住む前に必ず確認してほしいこと
・工事の完了予定と、主要工事の場所や距離
・窓の向きと将来の建築予定
・更新条件と賃料改定条項
・自治体・事業者サイトの環境影響評価関係資料の公開有無
→多くの自治体で対象事業・評価書・住民意見が公開されます。最新の一覧・手続きの流れは自治体ページで確認可能。
公式の工事説明会資料や環境配慮書/評価書は、騒音・振動・交通量の見込み等が書かれていることが多く、今に効く情報が拾えます。
まとめ
・将来は便利/街は良くなる
・でも開発途中は不便が溜まりやすい(音・景観・人の動線)
・完成後は相場が強含みになりやすい一方、賃料改定は契約と相当事由が前提
大事なのは、
「完成後に住みたい街」なのか
「今を快適に過ごしたい」のか
を自分で軸を決めること。
再開発エリアは、夢と現実の距離が一番出やすい賃貸物件です。
未来を買いに行くのか、今の静けさを買うのか。
この記事がその選択の一助になれば幸いです!
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