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読書録「瞬きすら許さない」:SF設定はあるけど、実質は骨太ミステリー

・瞬きすら許さない
著者:ジョー・キャラハン 訳:吉野弘人
出版:創元推理文庫(Kindle版)


AIと警察官のバディものということで、最近AIに興味があることもあって手に取りました。
もっとSF的な展開になるのかと思っていたのですが、読んでみるとかなりガチな骨太の警察ミステリーでした。

(ChatGPT)
『瞬きすら許さない』は、ジョー・キャラハンによる英国ミステリーで、日本語版は吉野弘人訳・東京創元社(創元推理文庫)から2026年3月11日に刊行された作品です。原題は In the Blink of an Eye。2024年の英国推理作家協会賞最優秀新人賞などを受賞していて、AIと人間の刑事が組む警察小説として注目されています。

あらすじ
ある日を境に、一人の青年が忽然と姿を消します。事故なのか、自殺なのか、それとも別の事情があるのか。捜査を担当することになったキャットは、相棒として配属されたAI捜査官ロックとともに事件を追うことになります。
人間の経験や勘を重んじるキャットに対し、ロックはそれを思い込みだと切り捨て、徹底して論理とデータで迫るタイプ。まったく噛み合わない二人ですが、捜査が進むにつれて、失踪事件は単純な行方不明では済まない、より不穏で大きな貌を見せ始めます。


SFというより、AIというギミックを取り入れた本格ミステリー、という印象です。
作品が書かれたのは2022年。
その時点でのAIの描写としては、かなり先進的な設定になっていると思います。
作者のあとがきでは、ボイスモードのあたりがまだ実現していない、というようなことが書かれていましたが、その部分はいまやすでに現実のものになっています。
合理的な判断を下すAIと、直感を信じる刑事の対立が作品の軸になっているのですが、そのAIの「合理性」が、現在の生成AIの実態から見るとむしろ偏りすぎているくらいで、少し違和感を覚えるほどです。
良くも悪くも、現実がフィクションを追い越してしまっている感じがします。
一方で、ホログラムが使われるという設定は、逆にまだまだ先の話という感じで、そこだけが突出してSFっぽい。
全体のバランスから見ると、ちょっと浮いているかもしれません。


事件の構造としては、科学の進歩・加速主義がベースにあって、それに対してAIと人間が折衷的なコンビで向き合っていく、というかたちになっています。
この対立軸はなかなか興味深いので、ここら辺がシリーズを通じてここが深掘りされていくと、SFとしてもかなり読み応えのある作品群になるんじゃないかと。
まあそっちに行くかどうかは分かんないですけどねw。


シリーズはすでに2作が発表されていて、4作目で完結が予告されているとのこと。
主人公のキャット以外にも、脇を固めるキャラクターたちにもそれぞれ背景がありそうで、そのあたりが掘り下げられていく展開になるのかもしれません。
それはそれで楽しみです。


ただ、生成AIの進歩がこれだけ速いと、続編でAIがどう描かれるかというのは、気になるところです。
作者がどこまでアップデートしてくるか、あるいは意図的に距離を置くのか。
そのあたりも、シリーズを追いかける理由のひとつになりそうです。​​​​​​​​​​​​​​​​


とにかく、一気に読み切るくらい面白い作品でした。
続編も楽しみにしています。


#読書感想文
#瞬きすら許さない
#ジョーキャラハン

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