見出し画像

【シロクマ文芸部】夜に降る∣ - 掌編エッセイ

夜に降る、といえば一番に思い出すのは「雨」か「流れ星」だろう。

でも私は、いつも「あの日、あの島で見た花火」を思い出す。

ひと夏の夜にたくさんの光が、いっせいに降ってくる。

それはまるで、星たちが地上に遊びに来たみたいに。

燃え尽きるまでの短い時間、空と海と人の瞳を照らして、やがて静かに消えていく。

流れ星も花火も、ほんの一瞬しか見えない。
だけど、その一瞬を見た記憶はなぜか、長く心に残る。

月夜の海に映るその光をただ見つめているとき、私はふと思う。

——夜に降るのは、光だけではないのかもしれない。

言えなかった想い、叶わなかった夢、それでも信じたい願い——。

そうしたものがいっせいに降ってきて、波の音に溶けていく。

夜に降るからこそ、新しい朝が生まれる。

そしてまた、わたしたちは歩き出せる。


※下記、企画に初参加させていただきました。

🐻‍❄️シロクマ文芸部のみなさま、はじめまして。

このたび、シロクマ文芸部さんのページを拝見し、心惹かれて立ち寄らせていただきました。

タイトルを目にした瞬間、ことばがふっと浮かんできて。

その流れのままに、ひとつの小さなエッセイとして形にしてみました。

締め切りが近い中での投稿となり、失礼がありましたらどうかお許しください。

今後ともあたたかく見守ってもらえたら、嬉しいです🌙

🌿 神薙鈴音


#シロクマ文芸部
#ことばのしずく
#神薙鈴音
#夜に降るから始まる
#詩のようなエッセイ
#静かな光
#心の灯り


いいなと思ったら応援しよう!