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音楽ジャーナリズムはどうなる?


RIP 渋谷陽一

 ちょっとジャーナリストでもないのに偉そうなタイトルをつけちゃいましたが、紙媒体が絶滅危惧だし、そうこうしてるうちに #渋谷陽一 さんも亡くなられたりしたので、記しておこうと思います。

 個人的にはレコードやCDの日本盤についているレビュー/解説で音楽を学んで来たと言っても過言ではない音楽家です。何せ専門学校や音大とかを出てないので、作品やライブが先生でした。そして昔のレビューはあらゆる文化や時に哲学まで引用しながら書かれていて、「ポップな曲かどうか」だけではない判断基準を俺に与えてくれました。

 渋谷陽一さんと言えば雑誌Rockin' On、そして今は #RockingOnJapan などのフェスを主催する会社のボスでもありましたが、個人的には #Prince のレビューと言えば!な存在でした。その愛ある、ロジカルなレビューは何度読んでも面白くて、楽曲の魅力をより深く伝えてくれる印象でしたね。

 そんな渋谷さんでもアーティストからバカにされたりしたようで、没後にいろんなエピソードが出てきてましたね。 #忌野清志郎 さんに「なんで音楽的(コード進行とか)な質問がないんだ?もっと勉強して取材してほしいな」と書かれていたり、 #LouReed にはインタビュー後に"JAP"とバカにされたり、、、確かに昔はアーティスト側が「音楽に解説なんて要らない」「勝手にジャンル分けするんじゃない」と音楽ジャーナリストをバカにする傾向にあったことは覚えてます。それでも雑誌が数多あったし、リスナーはそうしたメディア情報をすごく大切にしていた時代でもあったので、結果共存できていたとも言えるかもしれない。

 ところが、ご存知なように音楽雑誌は次々と廃刊。若めのジャンル(と言っても50年以上経ちますが)のHip Hopに至っては評論自体が無くなってしまったと言っていい現況です。それはUSでも同様なようで、 #二木信 さんが編集した渾身の"Hip Hop 2024-2025"でもこのようなタイトルの記事があったりしました。

ヒップホップメディアは「ほとんどがゴミ」なのか?
岐路に立たされるジャーナリズム

 そりゃあ仕方ないですよね。今やアーティスト自身がSNSを軸に発信してファンと直接繋がり、アクセス数やフォロワー数さえ獲得すれば成功への足がかりが掴める時代です。演者とリスナーの橋渡しが要らなくなっちゃったんですから。なので、、、当然ですが、どれだけバズっている楽曲だったとしてもかなりの率で「評論すべき要素がない」ものであったりする訳です。全てのリスナーがジャーナリストでもある状態とも言えますね。だってヒット理由はTikTokなり、歌詞の内容がほとんどで、音程的なもの〜トラックの独自性が薄いことが多いですからね。USのSNS事情を知らずして売れている理由がわからない、というHip Hopシーンになってしまったが故、日本からは少し遠いシーンになってしまった気がします。

 とはいえ、 #TylorTheCreator のようなトップスターの来日公演はアリーナ公演にも関わらず即完売だったりして、ちゃんとリスナーに届いてはいます。つまり、SNSをフォローしてる人にとっては当然のような情報が、フォローまでしてない人には全く届かない。この温度差はHip Hopに限らず、若いシーンでは普通になってしまいましたね。個人的に名前もジャンルもよく分かってないアーティストが東京ドーム公演を成功させてしまう時代ですから。

生き残ってる雑誌は中高年向け

 まだ月刊で頑張ってる #MusicMagazine#レコードコレクターズ などは基本中高年向けの特集になっちゃいます。もちろん若いアーティストの作品も紹介はされてますが、中高年が読む前提な書かれ方がほとんどですね。実際の集客力のあるアーティストを中心に載ってるわけではない訳です。さきほども記したように、現在集客力がすごいアーティストは例えばダンスが凄かったりエンタメが凄かったりはしても、音楽的な 評論を拒否したような、数分で分析が終わるようなものが多い「あ、これデンマークのプロデューサーのトラックだね」みたいな。

 と残念な側面がどうしても目につく(目に全くつかないとも言えますが)訳ですが、長期的に見れば音楽ジャーナリズムは無くならないだろうし、必要なのは新たな切り口で紹介できるかどうかってことじゃないかなと思ってます。この #SlyStone 追悼特集を例にとると、「スライストーンの遺伝子」のコーナーのように、昨今の音楽にみるスライの影響、などは最近の音楽しか知らない人に、古い音楽への入り口となる特集だと思う訳です。ジャーナリズムがどうなったとて、我々演者はそれぞれの掘り方で音楽を聴いているし楽器を研究してるので、独特な音楽を作ってる人には必ず誰がしかの遺伝子が入り込んでます。誰しもに祖父母が存在するように、その音楽にも祖父母が存在する。そういうことを伝えるためにジャーナリズムはこれからも必要だし、知っておいた方が「今売れたいだけ」な人にも独自性を出すヒントになるはずなんです。

これからの音楽ジャーナリズム?

 「独自な切り口」は必須でしょうねぇ。何せ「名盤を聴け」的なことはこれからはウザがられるだけですから。ジャズだけで一体「必聴の名盤」が何枚あることか。それがロック、プログレ、ソウル、R&B、HipHop、、、それぞれに歴史があって名盤があって、、、という系譜学的な教え方だとこれからの人には負担でしかないでしょう。

 放っておいてもAiが好みの曲のプレイリストを作ってくれる時代ですから、むしろ大事なのは「未知のゾーンへの招待ができるジャーナリズム」じゃないかなぁと漠然とですが思ってます。あなたが今好きと言っている音楽の周辺と系譜を紹介するだけならAiでも出来ちゃう訳ですから、そうではない未知の音楽に誘う切り口と説得力のあるジャーナリズムがあると面白いのになと。ファッションを切り口にしてもいいですし、生活スタイルから導き出すこともひょっとしたら可能かもしれない。矢沢永吉さんばかり聴いているトラック運転手にレゲトンとかクンビアを伝えることが出来たら面白いのに、、、、とかね。

 紙媒体自体も絶滅危惧と言われてから既に随分経ちましたが、グッズの形も含めて利用されることは無くなりそうにはありません。レコードやカセットテープも無事生き残ってますし、CDはCDなりの生き残り方がこれから見えてくるでしょう。

「これなら若い人も買うじゃないか!」という面白い形態のジャーナリズムが誕生して欲しいですけどね、音楽に限らず。先に記したように、見知らぬアーティストが武道館やドーム公演を大成功させるといったことが増えて来てる訳ですが、そういったことを総括してくれる媒体があるといいんですけどね。今受けている音楽を総括してくれることで、今の世の中も見えてくると思うんですよ。そうしたジャーナリズムが存在してくれていると、先の選挙であれ、不可解な事象としてではなく現実として受け止められる。何か問題がある場合の市民の対処も早くなる、と思ってみたりするんですけどね。

 webでは既に、素晴らしい視点の場所はあるとは思うんですが、、、やっぱり紙だと思うんですよねぇ、、、、そういう意味では #BIGISSUE は素敵な記事が多いし、発行の形態も素敵で、記事次第では更に多くの世代に届く可能性もあるなと思ってみたり、、、


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