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家を整えるように、人生を整えていく。50代から、もう一度自分の時間をつくる

古民家再生の仕事では、古い家の中に残る価値を見つけ、手をかけながら次の時間へつなぐことを大切にしてきた。

柱に残る傷。長い年月を経た梁。何度も触れられて、やわらかくなった建具。新しいものに替えた方が早い場面でも、残すべきものがある。その家が積み重ねてきた時間や、住む人の記憶まで含めて、次の暮らしを考える。

最近は、その視点を自分の暮らしにも向けたいと思うようになった。

住まいだけでなく、自分の時間にも手をかける
50代になり、仕事のやり方も、休日の過ごし方も、ある程度は形になってきた。

一級建築士として住まいづくりに携わりながら、休日には山へ行き、川に立ち、道具を整え、自然の中で過ごす。家に戻れば、書斎のグリーンを眺め、好きなものに囲まれて気持ちを整える。

こうした時間は、どれも大切だ。

ただ、その心地よさに甘えていると、いつの間にか「いつもの好きなこと」だけで毎日が埋まってしまう気もしている。まだ見ていない景色がある。まだ知らない自分がいる。これから先の時間を、ただ消費するのではなく、自分らしく育てていきたい。

住まいに手をかけるように、身体に手をかける。空間を整えるように、時間の使い方を整える。古いものの価値を活かすように、これまで積み上げてきた経験を、次の楽しみへつなげていく。

そんな暮らし方を、ここに記していこうと思う。

「やりたい、見たい、触れたい」を後回しにしない
今の自分が大切にしたいのは、頭で考えた正しさよりも、心が動く感覚だ。

山の稜線を歩いてみたい。静かな川で、流れを読みながら釣りをしたい。気になる店の扉を開けて、料理だけでなく、光や器や空間の居心地まで味わいたい。まだ行ったことのない町へ、ひとりで車を走らせてみたい。

どれも大げさなことではない。けれど、小さな「やってみたい」を後回しにしないことが、人生の手触りを変えてくれると感じている。

最近は、筋トレ、食べ歩き、ひとり旅といった新しい趣味にも興味がある。何か一つに絞る必要はない。まずは実際に試してみて、またやりたいと思えたものを残せばいい。

趣味は、成果を競うためのものではない。日常に新しい風を通し、自分の感性を少しずつ更新するためのものだと思う。

美しさは、暮らしの「全体のバランス」に宿る
建築の仕事で大切にしてきたのは、部分だけをきれいにすることではない。光、素材、動線、居場所、そして住む人の過ごし方まで含めた、全体のバランスだ。

これは、暮らしにも同じことが言える。

仕事に集中する時間がある。家族や大切な人と笑う時間がある。一人で静かに考える時間がある。自然の中で身体を動かす時間がある。美味しいものを味わい、好きな道具に触れ、明日のために身体を休める時間がある。

どれか一つだけを増やしても、豊かさは完成しない。時間、お金、健康のバランスを見ながら、その時々の自分に合う形に整えていくことが大切だ。

食事も同じだ。できるだけ素材を選び、余計なものを減らす。身体の調子に耳を傾け、無理をせずに動く。健康は、我慢のためにあるのではない。これからも山へ行き、旅をし、好きな人たちと豊かな時間を過ごすための土台だ。

ここから書いていくこと
この場所では、古民家再生や住まいづくりの話を、これからも大切に書いていく。

同時に、山や川での遊び、書斎とグリーン、身体づくり、食、装い、ドライブ、ひとり旅といった、50代からの暮らしの実験も記録していきたい。

専門家としての正解を並べるよりも、一人の生活者として何を選び、どう感じ、どう整えていくかを、正直に残したいと思う。

家を整えることは、人生の背景を整えることだ。

そして、自分の人生を整えることは、これからの時間を自分らしく遊び尽くすための準備になる。

50代から、もう一度。自分の時間をつくっていく。

ここから、その記録を始めます。

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