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世界で最も厳しいEUのAI規制、その全面施行の6日前に土壇場で延期が決定

「EU AI法は2026年8月2日に全面適用される」。この一文、実はここ数ヶ月、日本語の解説記事のほとんどに、判で押したように書かれていました。企業のコンプライアンス担当者も、このスケジュールを前提に準備を進めてきたはずです。

でも実際に調べてみると、この前提そのものが、記事を書いているこの直前に、静かに崩れていました。しかも、全面適用のわずか6日前という、かなりギリギリのタイミングでの変更です。

この記事を読むと、EU AI法の本来の枠組みと、直前で何が変わったのかが正確にわかります。そのうえで、日本企業にとって何が変わって、何が変わっていないのかを整理しました。なお、本記事は法的助言ではなく、個別の対応については専門家への確認をおすすめします。

そもそもEU AI法とは何か

EU AI法は、2024年5月に成立し、同年8月1日に発効した、AIに関する世界初の包括的な法律です。特徴は、AIを危険度に応じて4段階(許容できないリスク・ハイリスク・特定の透明性が必要なリスク・最小リスク)に分類し、リスクに応じた規制を課す「リスクベースアプローチ」にあります。

最も重い「許容できないリスク」に該当するAI(潜在意識への操作、社会的スコアリングなど)は利用が全面禁止されます。「ハイリスク」に該当するAI(採用選考、与信審査、生体認証など)には、リスク管理体制の整備や第三者評価など、重い義務が課されます。

もう1つの特徴が、域外適用です。EU域内に拠点がない日本企業であっても、EU向けにAIシステムを提供していたり、AIの出力がEU域内で使われていたりする場合は、この法律の対象になります。GDPR(EU一般データ保護規則)と同じ発想です。違反した場合の制裁金は、最も重い違反で最大3500万ユーロ、または全世界売上高の7%のいずれか高い方とされていて、規模の大きい企業ほど、金額的なインパクトは甚大になります。

土壇場で起きた、スケジュールの大転換

さて、ここからが今回一番お伝えしたいことです。

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