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世界が終わる味|掌編小説(#シロクマ文芸部)

「月の味」

 そのレシピ集の表紙には、金色の文字でそう書かれていた。

 ――はぁ? ファンタジーかよ!

 笑いながらも、料理好きな僕は、反射的にその本を開いてしまった。材料には「土星の輪を少々」、「隕石を五粒」、「ブラックホールを適量」と書かれてある。

 僕はあまり深く考えずに、レシピを自分なりに解釈して、料理を完成させた。完成した料理を一口食べた瞬間、僕は気づいた。

 ――これは世界が終わる味だ。

 そして、僕の料理の味があまりに強烈で、食べた人が全員理性を失い、世界は混沌に陥ってしまった。
 その後、世界は箸とスプーンとフォークで統治され、秩序を取り戻したようである。

 僕はというと……騒がしくなった地球を離れ、銀河の片隅で静かにレトルト食品を温めている。

(了)


最近、作風がダーク系、ホラー系ばっかりだったので、真面目なおふざけを書いてみました。


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