市谷の杜 本と活字館に行ってきた。
先日、市谷の杜(もり) 本と活字館に行ってきました。
市谷駅から徒歩10分ほど。
1926年に建てられた建築を修復したミュージアムで、周囲の近代的なビル群の中に、時間が切り取られたように静かに佇んでいます。

中へ入ると、活版印刷に関する道具が整然と展示されていて、グラフィックデザインの祖先たちを見ているような気持ちになりました。フォントも余白も、すべてが物理的な重さを持っていた時代。


上から力を加えて金属を成形するプレス構造で、活字をつくるための道具のひとつ。デジタルで書体を選ぶ現代とは違い、文字のかたちそのものを金属に刻み込む作業から、すべてが始まっていたのだということを、改めて実感しました。

壁一面を埋める木製の棚には、無数の鉛活字が文字ごとに仕分けられて収められていました。印刷するときは、この中から一文字ずつ手で拾い出し、ページの形に組み上げていきます。手前の木箱に並んでいるのが、まさにその「組版」の状態。びっしりと並んだ活字の密度が、一冊の本をつくることの手間を、そのまま可視化しているようでした。

そしてこれが、活字を枠の中にページ一面分、すべて組み上げた状態です。ぎっしりと並んだ文字の塊を見ていると、一冊の本が印刷されるまでに、どれだけ多くの手と時間が注ぎ込まれていたかが伝わってきます。
2階に上がると、活版印刷にまつわるグッズを販売するコーナーと、実際に体験できるワークショップの工房が広がっていました。

予約不要で参加できる「しおりの印刷体験」は、卓上活版印刷機(テキン)を使って色づけを行うもので、スタッフの方が丁寧に説明してくださるので初めてでも安心です。 企画展ごとにデザインが変わるのも、また来たくなる理由のひとつです。
より本格的に楽しみたい方向けには、自分で活字を拾い、組み、印刷まで行う約4時間半の本格ワークショップも開催されています。 こちらは事前予約が必要ですが、職人気分をたっぷり味わえる内容です。
活版印刷の奥深さに触れた一日でした。近くに立ち寄る機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。
それでは、また。
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