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この春、モノ書くひとへ

初めて読んだ時、いわゆる「論考」でありながら時に漢文を引く格調高いことばの響きに「文学」の香りを感じた。
その中には私が知りたいことが書かれてあるはずなのに浅学だった私には十分読み解くことができず、もっと勉強せねば、との焦燥に駆られた。

「文」は、「ことば」は、人を表す。
ごまかしがきかず、その人の内なる全てが表れるように思う。

深い思考と知識、そして繊細な心を以てことばを紡ぎ出す彼にはあとからお目にかかったが、実績のある研究者でありながらソフトな物腰で、少年のような真っ直ぐな眼差しと知性を湛えた瞳が心に残る人だった。その謦咳に接するべく周囲をうろうろしている私にも丁寧に接して下さっている。

そしてこの春、新たな分野への挑戦を始めるという彼。
知り合いの端くれというご縁をいただいた私は、その道が平らかならんことを祈るばかりだ。

桜のつぼみもふくらみ季節はもう春。
私はその出発を見守る温かな陽の光でありたいと願う。


*この作品は以下の自主企画コンテストへの応募作品です。

#第2回灯火杯




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