生まれて初めて美術館に行った話
これまで僕如きが美術を語るなんて100年早いと思っていた。
100年後には確実に死んでるので美術というのは一生交わることのない別の世界の出来事だと思っていた。
ところが先日僕の記事によく出てくるチャーミング絵描きさんと美術館に行ったのでここに書き留めておきたい。
まずは本人に許可もなくチャーミング絵描きさんについて少し触れておきたい。
名前:チャーミング絵描き
性別:女子
年齢:僕と同い年
職業:ホスピタリティ/絵描き/船乗り
特徴:魔力持ち/たまに低血圧
許可を取ってないし、多分この記事も見ると思うので怒られないようこのくらいにしておく。
名前は勝手に僕がつけた。
僕には稀に人を見た瞬間言葉や漢字、あだ名が降りて来るという特殊能力があるのだが、彼女を見た時に降りてきたのが不本意ながら『チャーミング』というワードだった。
彼女は絵描きでもあるのでこの名前になった。安易なネーミングではある。
この特殊能力に関しては機会があったら記事にしたいと思う。
要は彼女は絵描きなのである。僕からすればその道のプロなのである。
彼女とは昨年くらいからよく話すようになり、船内の至る所に飾ってある絵の話などをするようになった。
僕はプロに対してもお構いなく
『この絵のこの黄色がいい』とか
『この絵は部屋暗くしてこの角度から見るのがいい』
などと偉そうに絵の講釈を垂れていたのである。
これも僕の特殊能力かもしれない。
いろいろ話しているうちに僕は元々絵を見るのが好きだったことに気づいた。
思い返してみると街中の落書きを『いや実はいい絵だな』としばらく見てるようなこともあったのだ。
好きな絵なら10分や15分平気で見ていられる。
今まで別世界だと思っていた世界は、実は壁も敷居も無くすぐそこにあって、既に僕の構成要素の一部だったのだ。
『じゃあ美術館行ってみよう』
チャーミング絵描きさんは僕が楽しめそうな美術館を予約してくれた。
前日くらいから仕事そっちのけでソワソワしてた。
『オレめっちゃパーカーなんやけどこんなんで大丈夫かな?』
『笑。大丈夫だよ笑。』
実は冒頭の写真はチャーミング絵描きさんが美術館でこっそり撮った僕の後ろ姿だ。
さすがはプロである。美術館で彼女は作品や作者についての情報などいろいろと教えてくれた。
帰りの飛行機の時間があったので2時間程度だったが本当はもっと見ていたかった。
なんとなく目を引く絵、釘付けになってしまう絵、圧倒されるような絵。
もう魂揺さぶられっぱなしでちょっと疲れたくらいだ。
『どの絵が一番良かった?』
最後にそう聞く彼女に
『おばさんがイスに座ってる絵。緑の。』
と答えた。作者とか作品名は覚えてないがその絵がとても印象に残っている。
全体的にほぼ緑な色使いだが、緑の微妙な変化と濃淡で全体が表現されている感じ。おばさんの優しそうな柔らかい感じも伝わってくる。
絵はいろんな見方ができる。
同じ人が見てもその時の感情で見方も変わる。
今まで月だと思っていた絵が、数日霧が続いただけで太陽が恋しくなりそれが太陽に見えてくるのだ。
もう一つ彼女が見せてくれた絵で心に残ってる絵がある。
彼女の親友(5歳くらい?の女の子)が書いた花の絵だ。
写真を見せてもらっただけだし、子供の絵と言われればそれまでだがとても印象に残っている。
その時点では彼女が絵描きであることを知らなかったが僕は
『この絵めちゃくちゃいい。』
と勝手に感性を刺激されていたのだ。
なにがいいのかと聞かれてもよくわからない。あえていえば色遣いかな。
それでも僕は多分名だたる大画家たちの作品の中にその絵が紛れていても、その花の絵に目を止めるだろうな。
書斎に一つ心安らぐ絵でも飾ろうかなと思った。
