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パワハラの証拠がない…それでも退職できる?残しておきたい記録とは

「毎日のように上司から怒鳴られる」

「みんなの前で人格を否定される」

「無視されるようになった」

「仕事を辞めたい。でも、パワハラの証拠がない……」

そんな状況で、

「証拠がないと退職できないの?」

と不安になっていませんか?

結論からいうと、

パワハラの証拠がないことと、会社を退職できるかどうかは別の問題です。

パワハラを証明できなければ会社を辞められない、というルールはありません。

一方で、会社にパワハラ被害を申し出たり、外部機関へ相談したり、後から事実関係を確認したりするときには、記録が重要になる場合があります。

今回は、

「まだ録音していない」
「メールも残っていない」
「証拠なんて何もない」

という方に向けて、退職とパワハラの関係、そして今日から残しておきたい記録について解説します。



結論|パワハラの証拠がなくても「退職できない」わけではありません

まず、ここを分けて考えてください。

①会社を退職すること

と、

②パワハラがあったことを証明すること

は同じ問題ではありません。

期間の定めのない労働契約の場合、厚生労働省は、労働者が退職を申し入れれば、原則としてその後2週間が経過した時点で労働契約が終了すると説明しています。根拠となるのは民法627条1項です。

つまり、

「パワハラの録音がないから退職できない」

「会社がパワハラと認めないから辞められない」

「退職理由を証明できないから退職届を受け取ってもらえない」

ということにはなりません。

ただし、有期労働契約の契約期間途中での退職は扱いが異なります。 厚生労働省は、有期契約の期間満了前の退職については「やむを得ない事由」などが問題になると説明しています。



そもそも、どこからが「パワハラ」?

「上司から怒られた=すべてパワハラ」というわけでもありません。

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントについて、

①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの

という3要素をすべて満たすものとしています。

一方、客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指示・指導については、パワハラには該当しないとされています。

厚生労働省では、代表的なパワハラを次の6類型に整理しています。

* 身体的な攻撃
* 精神的な攻撃
* 人間関係からの切り離し
* 過大な要求
* 過小な要求
* 個の侵害

例えば「バカ」「役立たず」などのひどい暴言、脅迫、無視や仲間外し、明らかに遂行不可能な仕事の強制などは、内容や状況によってパワハラに該当する可能性があります。



「証拠がないから相談できない」と諦めないで

パワハラを受けている方から、

「録音していません」

「LINEで言われたわけではありません」

「上司と2人だけだったので証人もいません」

という相談は珍しくありません。

でも、今まで証拠を残していなかったからといって、これから何もできないわけではありません。

厚生労働省は、会社に対してパワハラ防止のための措置を講じることを義務付けています。

事業主には相談体制の整備や、相談があった場合の迅速・正確な事実確認、適切な対応、再発防止などが求められています。

さらに、労働者がパワハラについて相談したことや、会社による事実確認に協力して事実を述べたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁止されています。



今日から残しておきたい「パワハラの記録」

「証拠がない」と思っている方こそ、今後の出来事について記録を残しておくことを検討してください。

例えばメモなら、

「いつ・どこで・誰から・何を言われた/された・誰がその場にいた・その後どうなった」

という情報をできるだけ具体的に残します。

「今日、上司に怒られた」

だけではなく、

○月○日 14:30頃
営業部の会議室
上司○○さん
同僚Aさん・Bさんがいる前で『お前は本当に使えない』と言われた
約10分間、大声で叱責された

というように、後から状況を振り返れる形にしておくと整理しやすくなります。



メール・LINE・社内チャットも消さない

パワハラと思われる発言が、

メール
LINE
社内チャット
業務連絡ツール

などに残っている場合は、安易に削除しないようにしましょう。

前後のやり取りが分かる状態で保存しておくことも大切です。

ただし、会社の機密情報や個人情報などを無断で持ち出す行為は別のトラブルにつながる可能性があります。

「証拠を集めたいから何でも会社から持ち出していい」わけではありません。

退職前に会社PCのデータを私物端末へ大量にコピーする、といった行動は避けましょう。



「同僚が見ていた」ことも記録しておく

パワハラが行われたとき、その場に誰かいませんでしたか?

同僚
先輩
後輩
別部署の社員

など、その場にいた人がいるなら、

「○月○日の出来事を誰が見聞きしていたか」

についても自分用の記録に残しておくとよいでしょう。

後から、

「誰か見ていませんでしたか?」

と聞かれたときに思い出しやすくなります。



会社に相談した記録も残しておく

人事や上司、会社のハラスメント相談窓口などへ相談した場合は、

いつ相談したのか
誰に相談したのか
何を伝えたのか
会社からどんな回答があったのか

についても記録しておきましょう。

可能であれば、相談内容や会社からの回答が確認できるメール等も保存しておきます。

厚生労働省は、事業主に対してパワハラ相談に対応するための体制整備や、相談後の事実確認・適切な対応などを義務付けています。



「証拠が揃うまで我慢しないと」と考えなくていい

ここは特に伝えたいところです。

パワハラを受けている方の中には、

「もっと証拠を集めてから辞めよう」

「録音できるまで会社に行かなきゃ」

「パワハラを証明できないまま辞めるのは負けた気がする」

と考えて、つらい職場に残り続けてしまう方がいます。

でも、

退職するために「パワハラを完全に証明すること」が必須なわけではありません。

証拠を残すことと、退職することは分けて考えてください。



会社に「そんなこと言っていない」と否定されたら?

パワハラについて会社へ相談したとき、

「そんな事実は確認できない」

「上司は言っていないと言っている」

「証拠はあるんですか?」

と言われることも考えられます。

だからこそ、可能な範囲で日付・場所・発言・状況などを継続的に記録しておくことには意味があります。

ただし、

「この記録さえあれば必ずパワハラと認定される」

という万能な証拠があるわけではありません。

具体的な事案で何が証拠として認められるか、法的責任を追及できるかについては個別判断になります。

必要に応じて弁護士などの専門家へ相談してください。



社内で解決しない場合は外部相談という選択肢も

「会社に相談しても何もしてくれない」

「会社そのものを信用できない」

「誰に相談すればいいのかわからない」

という場合には、社外の相談窓口もあります。

厚生労働省は、会社で対応してもらえない場合や社外で相談したい場合、総合労働相談コーナーへの相談を案内しています。

相談は無料で、匿名での相談も可能と案内されています。

また、パワーハラスメントについては都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)でも相談を受け付けています。



パワハラがつらくて「もう会社と話したくない」

証拠の問題以前に、

「上司の声を聞くだけで怖い」

「退職すると言ったらまた怒鳴られそう」

「会社へ電話すること自体がつらい」

「もう直接やり取りしたくない」

という方もいると思います。

退職サポートDREAMでは、会社への退職連絡を自分ですることが難しい方のサポートを行っています。

「パワハラの証拠がありません」

「まだ退職すると伝えていません」

「明日から会社へ行きたくありません」

という段階でも、まず状況を整理するところからご相談ください。

※会社との交渉、損害賠償請求、慰謝料請求、具体的な法的判断等が必要なケースについては、弁護士等の適切な専門家への相談が必要となります。



まとめ|「証拠がない=辞められない」ではありません

パワハラで悩んでいると、

「証拠がない自分が悪いのかな」

と思ってしまうことがあります。

でも、退職とパワハラの立証は別の問題です。

期間の定めのない労働契約では、法律上、原則として退職の申入れから2週間で労働契約が終了するとされています。

そして会社には、パワハラ防止措置や相談体制の整備などが義務付けられています。

今まで証拠を残していなかったとしても、今日から記録を始めることはできます。

「いつ・どこで・誰に・何をされたか」。

まずは忘れないうちに書き残しておく。

そして、

証拠を集めるためだけに無理をして働き続ける必要がある、と決めつけないこと。

「もう会社と直接話すことすらつらい」という場合には、一人だけで抱え込まず、利用できる相談先やサポートを検討してください。

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