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私は白が好きだ。特に、毎日身につけるあの白が

私は、白が好きだ。

数ある色のなかで、白にだけは特別な思い入れがある。

清潔感がある。
シンプルで、どんな色にも合わせられる。

そして何より、汚れが目立つからこそ、きれいに保ちたくなる。

特に好きなのは、毎日身につける白だ。

朝、それを身につけると、少しだけ気持ちが引き締まる。
肌に触れたときの、あの安心感もいい。

白というだけで、なぜか「ちゃんとした人間」になれた気がする。

毎朝、引き出しを開けて、今日の一枚を選ぶ。

洗い立ての、あのパリッとした感触が、たまらなくいい。

一日じゅう、私の体の、いちばん近くにいてくれる。

そう思うと、なんだか愛おしくさえなってくる。

ただ、白には弱点がある。

汚れが、容赦なく目立つのだ。

少しでも汚してしまうと、もう気になって仕方がない。

「まあ、これくらいなら」とは、思えない。

白は、こちらのだらしなさを静かに暴いてくる。

だからこそ、私は白を大切にしたい。
できるだけ長く、きれいなまま、そばに置いておきたい。

、、、、と、ここまで書いて、ふと思う。

人間も、同じなのかもしれない。

多少の汚れや失敗があっても、それで価値がなくなるわけではない。
大事なのは、汚れたら洗えばいいということだ。

白は、そんな当たり前のことを黙って教えてくれる。

なんだか、いい話になってきた。




だが、ここで正直に白状しておきたい。

私がこれほど愛している白とは。






パンツのことでは、断じてない。




白いTシャツのことである。


清潔感。
安心感。
どんな色にも合う。
汚れが目立つ。

一日じゅう、体のそばにいる。

全部、白Tの話だった。

ちなみに私は、白いTシャツをカレーうどんの日には着ない。
白にも、戦っていい日と、悪い日がある。

そしてもうひとつ。 白いTシャツを着ると、私は少しだけ姿勢が良くなる。

なぜか。

腹が出ていると、全部バレるからだ。

白は、嘘をつかない。

そして、40代の腹にも、いっさい容赦がない。


P.S. 先日、白いTシャツを着ていたら、娘に言われた。

「パパ、それ、シミあるよ」

白は、嘘をつかない。

そして、うちの娘も嘘つかない。


あとがき

「汚れても、洗えばやり直せる」

これ、心理学でいう「セルフ・コンパッション」に近い考え方らしい。
失敗した自分を責めすぎず、また洗って、着直せばいい、と受け止める力のことだ。

白いTシャツは、それを毎日、黙って実演してくれている。

、、、と、それっぽくまとめてみたが。

要するに私は、シミがついた白Tを、まだ捨てられずにいるだけである。


― この記事について ―

この記事は、須川元介さんの企画 「まきと須川の文藝大賞2026」に参加しています。

note5周年を記念した、初開催のエッセイ祭り。
主催は須川さん、まきさん、りっちゃんの3人。

テーマは「私の好きな〇〇」、1000文字。

あなたの好きを、あなたの言葉で書くだけです。

私はその貴重な1000文字を、白いTシャツと、自分の腹に使いました。

、、、いいんです。好きなものは、好きなので。

腹は来月のイベントまでに何とかします。

応募は、9月15日まで。
あなたの「好き」も、よかったらぜひ。


9月7日からは私の企画もあります



#なんのはなしですか
#文藝大賞2026
#エッセイ部門

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