水たまり|シロクマ文芸部
水たまりにも、いろいろある。
自分の姿を映す水たまり。
月を映す水たまり。
心を映す水たまり。
ギリシャ神話で。
万葉集で。
人は、水面に意味を見つけてきた。
物語の中の水面は、どれも静かな水鏡だった。
けれど、雨の日の砂利道にできる水たまりは、茶色く濁っている。
映さない水面。
でも、嫌いじゃない。
子どもの頃のおままごとを思い出す。
ごちそうのコーヒー牛乳。
雨が降ると現れ、
晴れると消える。
今、目の前の茶色い水たまりに、雨が降る。
何も映さない。
でも、水面はうれしそうだ。
