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未来をつくる料理 What the Earth grows builds your life

今日、タカコナカムラは Reborn(再生)します。
『未来をつくる料理』という私の魂とともに。


「タカコさん、もっと早くホールフードに出会っていたら、
私は病気にならなかったと思う。」
その言葉を、痩せた手で私の手を握りながら伝えてくれたのは、
『はなちゃんのみそ汁』のママ、安武千恵さんでした。
2008年7月、千恵さんは乳がんで33歳で旅立ちました。
娘のはなちゃんは、まだ5歳でした。
亡くなる少し前、彼女は弱り切った身体を起こして、
それでもいつもの笑顔で、真っすぐな目をして、こう続けました。
「私のような人を増やしたくない。タカコさん、ホールフードを福岡で広げてほしい。」

その手は細くて小さいのに、
不思議なほど強く、私の手をぎゅっとつかんで離しませんでした。
その手を握り返したまま、私は福岡校の基礎コースの料理講座へ向かいました。
泣きそうになるのをこらえながら、
ただ、ただ「千恵さん、約束は守るからね」と自分に言い聞かせて。
あの約束は、いまも胸の真ん中に刺さったままです。
「果たしきれていない」という想いとともに。

同じような言葉を、私はこれまでに4人の生徒から聞きました。
そして4人の葬儀に参列しながら、心の底から思いました。
これ以上、こんな人を増やしたくない。

料理は、ただ栄養をとる行為ではありません。
未来をつくり、いのちを守る、生き方そのもの。
だから私は、料理を教え続けています。

「ココロはごまかせない」ということ

品質の良い食べ物は、健康的なカラダを作ります。
でも、それだけでは足りない。
無添加で、グルテンフリーで、
表示的には「カラダに良さそう」な出来合いのものを食べることもあります。
もちろん、一度食べたくらいでは、体調が悪くなることはありません。
でも、それを“日常”として繰り返していると、
カラダではなく「ココロ」が壊れていくと感じるのです。

昔、福岡の天神、高級ビジネスホテルに
1週間ほど滞在したことがありました。
最初の1〜2泊は快適で、サービスも行き届いていて、「さすがだなぁ」と感心していました。ところが、3日、4日と経つうちに、
コンクリートと人工照明に囲まれた空間がだんだんつらくなっていったのです。
頭がおかしくなりそうでした。
空は遠く、土は見えず、風も感じない。
部屋はきれいなのに、息が詰まるような感覚。耐えきれなくなって、
福岡・八女の農家の友人の井上家に泊まらせてもらいました。
畑の匂い、木の床、台所の音、湯気。
あのときの「ほっとした」感じは、いまも忘れません。
このとき、はっきり分かったことがひとつあります。
カラダは、ある程度まではだませる。
でも、ココロはだませない。 
中食やミールキット、「カット野菜+合わせ調味料」を炒めるだけでできる“おばんざい”。無添加だし、ゴミも少ないし、
「料理しないよりはいいよね」という声もよく聞きます。
たしかに、その通り。
でも私は、どこかであのビジネスホテルの部屋を思い出すのです。
一見、悪くない。だけど、続けると心が痩せていく。そんな感覚です。

片寄った「正しさ」が、人を追い詰める

今の時代、食はとても多様化しています。
マクロビオティック、ヴィーガン、ローフード、グルテンフリー、ケトジェニック…
私自身も「ほぼヴィーガン」の食生活です。でも、それはアレルギーでも宗教でもなく、
正直に言えば、偏食と食わず嫌いが混ざった結果。
困ってはいないのですが、「いいこと」ではないと思っています。
食べ方は、その人の数だけあっていい。
誰かによくても、あなたには合わないことがある。
この、ごく当たり前のことを忘れてしまうと、
「正しさ」が人を追い詰めてしまいます。
メディアで取り上げられた食スタイルや食べもの、インフルエンサーがすすめるサプリメント。
「流行っているから」「誰かがいいと言っていたから」で、食べ続けてしまう人も、とても多いと感じています。
でも、それで本当に、自分の健康や人生を誰かに任せていいのか?

  • 誰かが言っていたから

  • テレビでやっていたから

  • SNSでバズっていたから

その理由で、自分のカラダとココロをつくるものを選んでしまっていいのか。
そこに、私はいつも違和感を覚えます。

ホールフードの核心は、
      「まるごと考える」こと

ホールフードとは、ただ
「まるごと食べる」「皮をむかずに調理する」
「精製していないものを食べる」
というテクニックの話ではありません。

私にとってホールフードとは、まるごと食べて、まるごと考えること。
食べ物は、カロリーや栄養素、調味料でできているのではありません。

  • 土があり

  • 農家がいて

  • 雨や太陽や風があり

  • 微生物が働き

  • 文化や歴史が積み重なり

  • 誰かの手と時間がそそぎ込まれ

その結果として、私たちの前に
「ひとつのいのち」として現れます。だから、私はいつもこう思うのです。

人は食べたもので作られるなら、
できるだけ、まるごと食べよう。

皮だけ、糖質だけ、タンパク質だけ、
栄養素だけを取り出して“都合よく”使うのではなく、
できるかぎり命の形を崩さずに、まるごといただく。 
アメリカのベストセラー本『WHOLE』には、
どんな健康法よりも
“全体として食べることの重要性”が書かれていました。
それを読んだとき、私は心の中で思わず叫びました。
「ほらねーーー!」
ずっと私が「まるごとが大事」と言ってきたことを、ようやく科学や医学が追いかけてきてくれたような、そんな嬉しさでした。
でも同時に、まるごと食べるには、「まるごと考える」必要があるのです。
皮に農薬が多く残る野菜なら、
皮ごと食べるために、
どう作られた野菜を選ぶべきかを考える。
安いだけの調味料ではなく、
顔の見える人がつくる醤油や味噌を選ぶ。
「これは安全か?」だけでなく、「この食べ物の背景には、どんな人が、どんなところで、どのように作られているのか?」
そこまで思いを寄せること。
それが「まるごと考える」ということだと、私は思っています。

繋がる・守る・学ぶ

私が代表を務める、ホールフード協会の理念は、
『繋がる』『守る』『学ぶ』です。
美味しいもの、安全なものを食べたいなら、
「こだわっている人たち」と繋がること。
彼らのこだわりや想いを学ぶこと。
そのうえで、自分にできる形で守る(支える)こと。
私は30数年、実際に心ある生産者の伝統製法を見て、学んできました。
そこには、尊敬と感謝ありません。
その象徴のひとつが、今年で14年目を迎えた
発酵・醸造の蔵を訪ねる**「三河醸しツアー」**です。
参加者が、発酵の現場を初めて見たときの感動の表情。キラキラした目をしています。
木桶の香り、蔵の静けさ、醪の音。それを感じた人は、みんな顔つきが変わります。
ツアーの後も、同じ醤油や味噌、みりんを使い続け、「応援したい」と自然に思うようになります。

食卓に並ぶ調味料や食材、
すべての生産者の顔が見えること。 これは、高級レストランの食事より、『最高の贅沢』だと思います。
作っている様子が浮かび、
無駄にしない。
丁寧に使う。
自然と『感謝』の気持ちが芽生える。
ついつい、応援したくなります。

自分の頭で考え、迷ったら楽しい方へ

今の世の中は、
「自分さえよければ」「自分の家族だけ守れれば」
という気持ちが強くなりすぎているように感じます。

遠くの自然。
会ったことのない生産者。
未来の子どもたち。

そこまで思いを飛ばせる人が、
だんだん少なくなっているのではないかと。
だからこそ、私は
“まるごと考える人”を増やしたいのです。
食べ方は人それぞれでいい。
正解は、誰かの本でも、テレビでも、SNSでもなく、
「自分のカラダ」と「自分のココロ」が教えてくれます。
大事なのは、自分の頭で考えて、選ぶこと。
そして、私がとても大切にしている言葉があります。
千恵さんが残してくれた言葉です。

迷ったら、楽しい方に行け。

私流に言えば、自分の頭でよく考え、それでも迷ったら「楽しい方」を選ぶ。
「儲かる方」に行きたいときも、正直、たくさんありますけどねー(笑)。
でも、教室を20年続けてこられたのは、いつも最後に「楽しい方」「まるごとな方」に舵を切ってきたからだと感じています。

未来をつくる料理

あなたのカラダを作ってくれるものは、
食べものと水と空気。
それらを作り出すのは、森であり、川であり、海であり、そして「土」です。
きれいな森や海や川がなければ、
本当においしい食材を生み出すことは出来ません。
だから、私たちはお礼に『自然環境』を守らなければなりません。

What the Earth grows builds your life.

地球が育てるものが、あなたの人生をつくる。健康は、プライスレスなだけではなく、
すべてのスタートラインに立てる最初のゲート。
大谷翔平選手だって、健康でなければ、あの記録もあのパフォーマンスも、奉仕の精神も生まれなかったはずです。
「料理」は、そのスタートラインを自分の手で引く行為。
自分で料理をすることは、未来の自分のカラダとココロをつくる、とても静かで、でも力強い「未来づくり」だと思っています。
だから、私はホールフードを料理を通じて、多くの人に伝え続けたいのです。
これ以上、大切な人を失わないために。そして、これから大人になる人たちに、
「料理は未来をつくる」というバトンを渡したいのです。

明日の一杯からでいい

ここまで読んでくださったあなたに、
最後にそっとお伝えしたいことがあります。
今日から特別なことをしなくていいのです。
明日の朝、いつもより少しだけ丁寧に
出汁をひいてみる。
味噌汁を一杯つくってみる。
野菜を皮ごと切ってみる。
「これ、どこで誰が作ったんだろう?」と
一瞬だけ思いを飛ばしてみる。
それだけで、
あなたの未来は、ほんの少し動き始めます。
自分の頭で考え、
迷ったら、楽しい方へいこう!

その一歩目として、
明日の一杯の味噌汁から
未来をつくってみませんか。

                           タカコナカムラ
**************
今日のnoteから、タカコナカムラの「Reborn」を始めます。
まるごと考える生き方と、未来をつくる料理の話をこれから少しずつ書いていきます。


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