お節を捨てる国に、未来の和食はない
タカコナカムラWhole Foodスクールも、来年でついに20周年を迎えます。
かつての看板講座といえば、年末恒例の「お節料理講座」。
普段は白シャツの私が、この講座のために“シックな黒シャツ”を用意していたほど、気合いの入り方がちがったのです。12月が近づくと、「おせち脳」がフル回転。「今年は何をやろうか?」とワクワクしていました。ところが、ここ数年は開催すら危ぶまれる日も。
理由は簡単です。
お節料理が、 “買うもの”“高級料理店やデパ地下で頼むもの” に成り下がってしまったから。
私はこの状況を見るたびに、「和食文化が消える日が来るかもしれない」という危機感をひしひしと感じています。
味噌汁をつくらない、米が高いからとパスタやパンに乗り換える……いやいや、それはダメでしょ。
■ お節料理は「年神様へのおもてなし」
お節料理とは、本来
「正月に食べるパーティー料理」でも
「豪華なごちそう」でもありません。
各家庭に訪れる “年神様へのお供え” であり、その家族を一年間、見守ってくれる神様への おもてなし料理 なのです。
講座でその話をしたとき、生徒さんが
「先生〜、年神様ってどんな顔してるんですか?」
と聞いてきたことがありました。
「・・・・・」
もちろん、私だって会ったことはありません。
でも、そんな質問が出るほど、今の日本では “意味” が消えつつあるということ。これはもう文化の危機ですわ。

■ 屠蘇散すら知らない時代に
毎年、三河みりんの老舗・角谷文治郎商店さんから「屠蘇散」を提供いただき、受講者の皆さんに配っています。
ところが今年、届いた屠蘇散を見たスタッフが
「先生、これ何ですか?なんて、いい匂い〜〜」と。
あぁ、ついに我がスタッフまでも…。
屠蘇散は、生薬を本みりんに一晩浸してつくる“お屠蘇”の素。
昔は赤い布袋に入れて元旦にみんなで飲んだものです。
飲む順番まで決まっていて、普段の酒席とは違い、まずは歳の若い人からいただく。
最後は長老が飲み、若い人の正気をいただきます。
「邪気を屠り、陽気をいただく」──それがお屠蘇。
スタッフ:「へえ〜〜おもしろい〜〜」
……いや、ほんと、ここから文化を取り戻そうよ。

■ お節づくりは、和食の技法の集大成
和え物、焼き物、揚げ物……
お節料理には、和食のあらゆるテクニックが詰まっています。
お節がつくれる人=料理上級者。
私、お節は最も得意な料理です。料理上手いかもですね〜。
それは、実家が山口県山陽小野田市で割烹料理店を営み、毎年お節料理の仕出しをしていたからなのです。
子どもの頃から、数の子の薄皮むきや梅干しの穴開けを、泣きながら手伝っていました。
母の“うんちく”も毎年、お決まり。
海老=腰が曲がるまで長生きを
黒豆=マメに元気で
柚子=融通がきくように
金団=お金が貯まるように
鶏=幸運を取り込む ・・・・などなど続く
子ども心には「うっせーわ」でしたが……
今年ついに私もおばあちゃんになり、きっと嫁や孫に同じことを語るでしょう。あれほど嫌だったのに。
■ コンビニおせちの時代に思うこと
最近はコンビニの“一人用おせち”が人気だそうです。
理由は「縁起物だから、とりあえず置くため」。
味はどうでもいい、と。
えっ! ちょい待ち!
それって結局、食べないで捨てるってこと?ゴミが増えるってこと?
私は、こう願っています。お節料理は、家庭でつくるもの。
豪華でなくていい。
2〜3品でもいい。子どもたちが巣立つ時、
「これが我が家の味だったな」と思い出せるような、
そんなお節を残してほしいのです。
■ 低温調理の鶏ハムと、発酵おせちの知恵
お節料理のテクニックは、普段の料理にも使える知恵の宝庫。
発酵調味料が欠かせないのはその象徴です。講座では、
発酵調味料の 選び方・使い方・活かし方、
そして普段使いできるお節の応用レシピまで学べます。でもそれ以上に、
懐かしい“我が家のお節”を作れる人を一人でも増やしたい。
その思いで、私は講座を続けています。
「今年初めて作ってみたいです!」
そんな方がいると、テンション爆上がりです(笑)
■ 2025年 発酵・養生おせち講座のお知らせ
タカコナカムラWhole Foodスクール特別講座
発酵・養生おせちの決定版!
📅 2025年12月13日(土)10:00〜13:00
👩🍳 講師:料理家 タカコナカムラ
📝 発酵調味料を駆使したお正月 & 普段使いできるレシピつき
日本の食文化の根っこを、一緒に未来へつなぎましょう。
今年も気合い入れて、頑張るぞ〜〜〜🔪✨

詳細・申し込みはこちら
https://www.wholefoodschool.com/school/osechi-3
