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40年間、ベジブロスを続けてきた訳


ベジブロスの原点は、1980年代後半にさかのぼります。
当時、日本では『ビタミンバイブル』が翻訳され、ビタミンや栄養への関心が高まり始めていました。
料理家として活動を始めた私は、その翻訳者である丸元淑生氏が提唱する「システム栄養学」に出会います。
その考え方は、それまで私が持っていた「料理」の概念を大きく変えるものでした。
そして1992年。
丸元氏の著書『生命の鎖』の中で、私は一つの言葉に出会います。

「我々が何を食べるかで、世界の環境が変わる。」

その一文は、30年以上経った今でも、私の料理の原点であり続けています。
そのとき初めて気づかされたのです。
食べることは、健康だけの問題ではない。
農業にも、環境にも、暮らしにも、そして未来にもつながっているのだと。
ここから、私の『Whole Food(ホールフード)』という考え方が始まりました。
「食をまるごと考える。」
それは、栄養だけを考えることでも、オーガニックだけを選ぶことでもありません。
食材を大切に使い切り、人も自然も元気になる暮らしを目指すこと。
そんな思いから生まれたのが、ベジブロスでした。

野菜の皮や根、ヘタや芯。
これまで当たり前のように捨てられてきた部分には、植物が自らを守るために作り出したフィトケミカルなど、多くの恵みが含まれています。

「捨てるものを、おいしい価値へ変えられないだろうか。」

そんな発想から生まれたのが、野菜の皮や根から取る野菜だし『ベジブロス®』でした。
ベジブロスは、単なる野菜だしではありません。
「もったいない」を「おいしい」に変え、健康だけでなく、環境にも目を向けるための一つの知恵です。
2018年にはベジブロス顆粒だしを商品化。
2019年には液体タイプの「万能おだし」(販売:長寿乃里)を開発しました。
さらに2022年には、魚のアラを使ったフィッシュベジブロス、骨付き肉から取るボーンベジブロスへと発展し、「まるごとのだし」という考え方はさらに広がっています。

40年以上、ベジブロスを研究し、伝え続けてきました。
けれども、私が本当に伝えたかったのは、野菜の皮を捨てないことではありません。

食べることは、自分の健康だけでなく、農業や環境、そして未来へとつながっている。

そのことを、一人でも多くの人に知ってほしかったのです。
だから、ベジブロスはゴールではありません。
Whole Foodという考え方への入口です。
今日も一杯のベジブロスから、誰かの台所が少しだけ変わる。
そんな小さな積み重ねが、未来の食卓をつくっていくと、私は信じています。

一杯のベジブロスは、野菜の皮から生まれます。
けれど、本当に育てたいのは、人の健康と、未来の美しい地球です。

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