『スモールビジネス成功の法則』を書いてから、私の考えはどう変わったのか
🔹まず、あなたの時間の課題がどこにあるのかを診断してみてくださいね。
「忙しいのに、なぜ成果が出ないのだろう」
経営者の方と話をしていると、今でもよく聞く言葉です。
朝から晩まで働いている。
お客様にも対応している。
社員からの相談にも答えている。
営業もしている。
会社の数字も見ている。
それなのに、
「思ったほど会社が伸びない」
「売上は増えたのに、自分は全然楽にならない」
そんな状態になっている経営者は、決して少なくありません。
私は以前、
『スモールビジネス 成功の法則』
という本を書きました。
副題は、
「時間戦略」で、起業から月商100万円、そして1000万円へ
です。
この本を書いた頃から、私がずっと考え続けていることがあります。
それは、
経営者にとって、時間は単なる24時間ではない。
ということです。
時間は、会社の未来を決める経営資源です。
そして今、この考えはさらに明確になっています。
月商30万円と1000万円では、社長の仕事は違う
起業したばかりの頃は、自分で何でもやる必要があります。
営業する。
商品を作る。
お客様に対応する。
請求書を作る。
SNSを更新する。
資料も作る。
最初は、それでいいと思います。
むしろ、自分でやらなければ事業は始まりません。
しかし、問題はその先です。
売上が30万円から100万円になる。
100万円から300万円になる。
社員を雇う。
お客様が増える。
事業が大きくなる。
本来なら、会社の成長に合わせて、
社長の仕事も変わらなければなりません。
ところが、実際には変わっていない会社が多い。
創業当初と同じように、
社長がお客様に対応している。
社長が営業している。
社長が細かな判断をしている。
社員が分からないことがあれば社長に聞く。
クレームがあれば社長が出る。
重要な案件も社長。
小さな判断も社長。
こうなると、会社は成長しているのに、
社長だけがどんどん忙しくなります。
「時間がない」のではない
こうした経営者は、
「時間がない」
と言います。
しかし、本当に時間がないのでしょうか。
私は少し違うと思っています。
問題は、
時間の量ではなく、時間の構造です。
例えば、1日8時間働いているとします。
そのうち、
顧客対応に3時間。
社員からの相談に2時間。
メールやSNSに1時間。
トラブル対応に1時間。
残った1時間で経営を考える。
これでは、会社の未来をつくる仕事に時間を使えません。
それでも本人は、一日中働いています。
だから、
「これだけ頑張っているのに、なぜ会社が伸びないのだろう」
となるのです。
努力が足りないのではありません。
能力が低いのでもありません。
時間の使われ方の構造に問題があるのです。
私が本で伝えたかった「時間戦略」
私は『スモールビジネス 成功の法則』で、
単なる時間管理を書きたかったわけではありません。
早起きしましょう。
手帳を使いましょう。
ToDoリストを作りましょう。
仕事を効率化しましょう。
もちろん、そういった技術も役に立ちます。
しかし、それだけでは会社は変わりません。
私が伝えたかったのは、
「限られた時間を、どこへ配分するのかを経営者自身が決める」
ということです。
私はこれを、
時間戦略
と呼びました。
何をするのか。
何をやめるのか。
何を人に任せるのか。
何を未来のために残すのか。
これを決めなければ、
仕事を効率化して空いた時間にも、また別の仕事が入ってきます。
本を書いた後、さらに分かってきたこと
本を書いた後も、私は多くの経営者と話をしてきました。
そして、だんだんと一つの構造が見えてきました。
忙しい経営者には、共通点があります。
それは、
社長本人が会社のボトルネックになっている
ということです。
もちろん、
「社長が悪い」
という意味ではありません。
創業者なのですから、最初は社長に仕事が集まるのが当然です。
問題は、
会社が成長した後も、その構造が変わっていないことです。
例えば、
営業が社長に集中している。
重要なお客様の対応も社長。
社員が判断できない。
管理職が育っていない。
業務が標準化されていない。
何か起きれば、最後は全部社長。
こういう状態です。
私は現在、これを
「社長ボトルネック」
と呼んでいます。
売上を伸ばす前に、見た方がいいことがある
経営者は、どうしても売上を見ます。
もっと売上を伸ばしたい。
もっとお客様を増やしたい。
もっと社員を増やしたい。
これは間違っていません。
しかし、私はその前に一度、
今の仕事の構造を見てほしい
と思っています。
なぜなら、
社長に仕事が集中したまま売上だけを増やすと、
会社が成長するほど社長が苦しくなるからです。
お客様が2倍になれば、問い合わせも増えます。
社員が増えれば、相談も増えます。
仕事が増えれば、判断も増えます。
社長中心の構造を変えないまま規模だけ大きくすると、
社長の負担は減るどころか増えていきます。
「時間を作る」ことが目的ではない
私は以前から、
経営者の時間を作ることの重要性を伝えてきました。
しかし、現在は少し表現を変えています。
ただ時間を空ければいいわけではありません。
目的は、
社長が本来やるべき仕事に時間を使える状態をつくることです。
例えば、
会社の方向を考える。
新しい商品やサービスを考える。
重要な人材を育てる。
顧客との関係をつくる。
会社の仕組みを作る。
次の事業を考える。
こうした仕事です。
目の前の仕事だけをしていたら、
会社の今日は回ります。
しかし、
会社の明日は作れません。
時間戦略から「時間工学®」へ
『スモールビジネス 成功の法則』を書いた頃、
私は「時間戦略」という言葉を使っていました。
今は、この考えをさらに進めて、
時間工学®
として整理しています。
時間工学®は、
仕事を速くするための考え方ではありません。
経営者の時間を経営資源として捉え、
仕事の集中、判断の集中、顧客対応の集中などを整理しながら、
会社の構造そのものを変えていく考え方です。
社長が一生懸命働かなくてもいい会社を作る。
という意味ではありません。
社長が、
社長にしかできない仕事に集中できる会社を作る。
こちらの方が、私の考えに近いです。
10年後も、今の働き方を続けますか?
私は経営者の方に、ときどきこんな質問をします。
「今の働き方を、このまま3年続けたら何を失いますか?」
売上かもしれません。
新規顧客かもしれません。
社員かもしれません。
家族との時間かもしれません。
健康かもしれません。
あるいは、
新しい事業へ挑戦する機会かもしれません。
時間の問題は、
今日困るとは限りません。
だから後回しになります。
しかし、本当に怖いのは、
今日の忙しさではなく、未来の損失です。
毎日1時間、重要ではない仕事を続ければ、
年間で何百時間になります。
それを3年、5年、10年続けた時、
どれだけのものを失うでしょうか。
私は今、
「未来のための時間を作りましょう」
というだけでなく、
「未来の損失を防ぎましょう」
という視点を大切にしています。
本を書いた頃から、根本は変わっていない
振り返ると、
『スモールビジネス 成功の法則』を書いた頃と、
現在の時間工学®。
言葉は変わりました。
考え方も深くなりました。
対象となる経営者も広がりました。
しかし、根本はあまり変わっていません。
それは、
経営者の時間の使われ方を変えると、経営そのものが変わる。
ということです。
忙しいこと自体が悪いのではありません。
問題なのは、
何に忙しいのか。
ということです。
そして、
社長自身が気づかないうちに、
会社の成長を止めるボトルネックになっていないか。
ここを見ることが大切です。
まず、自分の会社のボトルネックを知ってください
もし、
「毎日忙しい」
「社員を雇っても楽にならない」
「売上はあるのに、自分の時間がない」
「会社の未来を考える時間が取れない」
と感じているなら、
いきなり大きく何かを変える必要はありません。
まずは、
今、自分の会社のどこに仕事が集中しているのか。
これを整理してみてください。
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3分程度で、
今どこにボトルネックがあるのかを整理できます。
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そして、
時間戦略についてもう少し体系的に知りたい方は、
『スモールビジネス 成功の法則』
も読んでいただければと思います。
本を書いた時から現在まで、
私が何を考え続けてきたのかも、
きっと感じていただけると思います。
経営者の時間は、
単なる24時間ではありません。
会社の未来をつくる、大切な経営資源です。
だからこそ、
何をやるかだけではなく、
何をやめるか。
何を任せるか。
そして、
自分にしかできない仕事は何なのか。
一度、考えてみてください。

