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美容皮膚科学⑦HPA軸──ストレスが肌へ届くルート

いつもありがとうございます。

徳尾です。


美肌の教科書①コラーゲンは「増やす」より「壊させない」

美肌の教科書②ストレスは、なぜ肌を老けさせるのか?

美肌の教科書③MMP──コラーゲンを壊す「解体業者」の正体

美肌の教科書④線維芽細胞──肌を作る「大工さん」の仕事

美肌の教科書⑤ECM──美容液では届かない、本当の土台

美肌の教科書⑥TIMP──老化を止める「現場監督」

に続く、『美肌の教科書』第7弾です。


美肌の教科書⑦
HPA軸
ストレスが肌へ届くルート

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「ストレスは肌に悪い。」

美容業界では、

当たり前のように言われています。

でも、

ストレスが、どうやって肌まで届くのでしょうか?

実は、その間には一本の「情報ルート」があります。

その名前が、

HPA軸(Hypothalamic-Pituitary-Adrenal Axis)

です。

今回も、わかりやすく解説していきます。


身体の「防災本部」

街で火事が起きると、

防災本部が状況を把握し、

消防隊へ出動を指示します。

身体も同じで、

危険を感じると、

脳にある防災本部が動き出し、

全身へ指令を送ります。

その司令ルートが、

HPA軸です。


最初に反応するのは「扁桃体」

では、

最初に危険を見つけるのは誰でしょうか?

それが、

扁桃体(へんとうたい)

です。

脳の中にある

危険センサー

のような存在です。

例えば、

上司に呼ばれた。

クレームが入った。

仕事でミスしてしまった。

すると、

扁桃体は瞬時に、

「危険かもしれない!」

と判断します。

火災報知器が鳴るイメージです。


視床下部──司令官

危険を察知すると、

次に動くのが

視床下部(ししょうかぶ)

です。

ここは、

身体全体を管理する

司令官

とも言えます。

体温。

食欲。

睡眠。

ホルモン。

自律神経。

こうした生命維持をコントロールしています。

そして、

ストレスを感じると、

最初の命令を出します。

その命令が

CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)

です。

「緊急事態発生!準備して!」

という第一報です。


下垂体──指令を伝える伝令役

CRHを受け取ると、

次に動くのが

下垂体

です。

下垂体は、

司令官の秘書、

あるいは伝令役。

視床下部から受け取った命令を、

さらに全身へ伝えます。

ここで放出されるのが、

ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)

です。

ACTHは、

副腎皮質に対してコルチゾールの分泌を促す指令ホルモンです。

視床下部から始まったストレス情報を、副腎へ届けるメッセンジャーです。

ACTHは、

「緊急事態対応チーム、出動!」

という出動命令です。


副腎──ホルモン工場

ACTHが届くと、

腎臓の上部にある

副腎

が動き始めます。

副腎は、

いわば、

ホルモン工場。

ここから、

ストレスホルモンである

コルチゾール

が分泌されます。


コルチゾールは悪者ではない

コルチゾールは、

悪者のように語られることがあります。

でも、

本来は命を守るヒーローです。

朝起きられる。

集中できる。

血糖値を維持する。

炎症をコントロールする。

これらは、

コルチゾールのおかげです。

問題は、

ずっと出続けること。

一日中、毎日、消防車がサイレンを鳴らして走り続けてたら、

街は休まりません。

身体も同じです。


自律神経も一緒に動く

HPA軸が働くと、

同時に、

自律神経

も反応します。

交感神経が優位になり、

身体は戦闘モードへ入ります。

心拍数が上がる。

血圧が上がる。

筋肉が緊張する。

集中力が高まる。

これも、

生き延びるためには必要な反応です。

ただ、

この状態が長く続いてしまうと、

肌の修復よりも、

生存を優先するようになります。


前頭前野──ブレーキ役

ここでもう一人、

重要な登場人物がいます。

前頭前野

です。

前頭前野は、

人間らしい判断を行う場所です。

「本当に危険?」

「意外と大丈夫かもしれない。」

「まずは落ち着こう。」

そう考えられるのは、

前頭前野のおかげです。

扁桃体がアクセルなら、

前頭前野はブレーキです。

ストレスに強い人とは、

前頭前野が上手にブレーキをかけられる人です。


ストレスは「出来事」ではない

ストレスは、

出来事によって生じるものではありません。

同じ出来事でも、

笑い飛ばす人もいれば、

落ち込む人もいます。

出来事ではなく、

どう認知したか?

です。

その認知が、

扁桃体を動かし、

HPA軸を動かし、

ホルモンを動かし、

肌へとつながっていきます。


心から肌まで、一つのルートでつながっている

ここまでをまとめると、

ストレスは次の順番で肌へ届きます。

出来事

認知

扁桃体

視床下部

CRH

下垂体

ACTH

副腎

コルチゾール

自律神経・免疫・線維芽細胞

肌は、

心から切り離された存在ではありません。

脳、ホルモン、神経、免疫、皮膚。

これらは一本のルートでつながっています。

だからこそ、

美肌づくりには、

化粧水、美容液、保湿だけでなく、

芯からリラックスできる時間を増やすこと。

それが、

肌の修復力を引き出す第一歩になります。


次回予告

今回は、

HPA軸──ストレスが肌へ届くルート

について触れました。

では、

コルチゾールは、

なぜ、命を守るホルモンでありながら、

同時に「老け見え」にも関わるのでしょうか?

次回は、

コルチゾール──美肌を守るホルモン、壊すホルモン

について、

美容皮膚科学と神経科学の視点から、わかりやすく解説していきます。


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