高校生採用は9月16日から選考開始|中小企業が直前に確認すべき5つのこと
高校生採用では、求人票を提出して学校へ案内すれば、あとは応募を待つだけ。
このように考えている企業も少なくありません。
しかし、高校生採用の競争が激しくなっている現在は、求人票を出しただけで応募が集まるとは限りません。
特に中小企業は、知名度や初任給だけで大手企業と競うのではなく、仕事内容の分かりやすさ、職場の安心感、入社後の育成体制まで伝える必要があります。
前回の記事では、高校生採用の求人倍率と、企業間の競争が激しくなっている背景を取り上げました。
今回は、選考開始を迎える前に、企業が確認しておきたい5つの項目を整理します。
高校生採用には決められたスケジュールがある
高校生採用は、大学生や中途採用と同じ進め方ではありません。
東京労働局が案内している2027年3月卒業予定者の学校推薦による採用スケジュールでは、主な日程は次のように示されています。
求人申込開始:6月1日
求人票の交付:7月1日以降
学校からの推薦開始:9月5日以降
選考・採用内定開始:9月16日以降
高校生採用では、企業が生徒へ直接連絡して自由に選考を進めるのではなく、学校やハローワークと連携しながら、定められたルールに沿って進めることが基本です。
選考開始が近づいてから慌てて準備するのではなく、面接の進め方や社内の受け入れ体制まで事前に決めておく必要があります。
1.面接担当者と評価基準を決める
最初に確認したいのは、誰が面接を担当し、何を基準に評価するのかです。
面接担当者によって質問や評価が変わると、採用判断が不安定になります。
高校生は、社会人経験や就職活動の経験がほとんどありません。大人の応募者と同じような受け答えを求めると、本来の人柄や可能性を見落とすことがあります。
面接前に、少なくとも次の項目を決めておきます。
挨拶や受け答え
仕事に対する関心
学ぶ姿勢
継続して働く意思
周囲と協力する姿勢
通勤方法と勤務時間
入社後に必要となる支援
「話が上手だった」「元気が良かった」といった印象だけで判断せず、採用後の育成可能性まで含めて評価することが大切です。
2.仕事内容を高校生が理解できる言葉に変える
求人票に専門用語や社内用語が多いと、高校生は入社後の仕事をイメージできません。
例えば「倉庫内オペレーション」と記載するだけでは、具体的に何をする仕事なのか分かりにくい場合があります。
荷物の仕分け
商品の検品
指定された場所への移動
在庫数の確認
作業内容の記録
このように、実際の行動に分けて説明すると伝わりやすくなります。
良い部分だけでなく、重い荷物を扱うこと、屋外作業があること、繁忙期があることなど、仕事の大変な部分も事前に伝える必要があります。
入社後のギャップを減らすことは、早期離職の防止にもつながります。
3.入社後の育成方法を具体化する
高校生採用では、現在できることだけでなく、入社後にどのように育てるかが重要です。
しかし、実際には次のような状態で採用を始めている会社があります。
教育担当者が決まっていない
研修内容が決まっていない
現場へ配属した後のフォローがない
質問や相談をする相手が分からない
一人で仕事を任せる時期が決まっていない
これでは、高校生本人だけでなく、送り出す学校や保護者も不安を感じます。
選考前に、次の内容を説明できるようにしておきます。
入社初日に行うこと
最初の1週間で覚えること
教育担当者
研修期間
独り立ちまでの目安
資格取得の支援
定期的な面談の有無
「先輩が丁寧に教えます」だけではなく、誰が、何を、どの順番で教えるのかまで伝えることが重要です。
4.高校生が質問しやすい面接にする
高校生は、面接で疑問があっても、自分から質問できないことがあります。
質問がないからといって、会社や仕事を十分に理解しているとは限りません。
企業側から、次のような確認を入れると、本人が感じている不安を把握しやすくなります。
仕事内容で分かりにくかった部分はありますか
職場見学で気になったことはありますか
入社後の研修について不安はありますか
通勤や勤務時間で心配なことはありますか
学校の先生や家族に確認したいことはありますか
高校生を試す面接ではなく、お互いの認識を合わせる面接にすることが大切です。
ただし、本人の適性や能力と関係のない家庭環境、思想・信条などを採用判断のために尋ねることは、公正な採用選考の観点から避けなければなりません。
5.採用後の連絡と受け入れ準備まで決める
内定を出したら、高校生採用が完了するわけではありません。
内定から入社までの期間が長いため、連絡が途切れると、本人や保護者の不安が大きくなることがあります。
事前に次の項目を決めておきます。
内定後の学校への連絡方法
必要書類の案内
入社までの連絡頻度
入社前説明会の実施
制服や作業着の準備
通勤方法の確認
配属先への情報共有
教育担当者との顔合わせ
連絡回数を増やせばよいわけではありません。
学校と連携しながら、本人へ過度な負担やプレッシャーをかけない形で、必要な情報を届けることが重要です。
選考開始前の最終チェックリスト
9月16日の選考開始を迎える前に、次の項目を確認してみてください。
面接担当者が決まっている
面接の評価基準が統一されている
仕事内容を高校生向けの言葉で説明できる
仕事の良い部分と大変な部分を伝えられる
入社後の教育担当者が決まっている
研修内容と期間を説明できる
高校生が質問しやすい面接になっている
公正な採用選考に反する質問が含まれていない
学校への連絡担当者が決まっている
内定から入社までのフォロー方法が決まっている
1つでも決まっていない項目があれば、選考開始前に社内で整理しておく必要があります。
高校生採用では「採る」だけでなく「育てる準備」が必要
高校生採用で重要なのは、選考テクニックだけではありません。
社会人経験のない人材を受け入れ、仕事を教え、職場へ定着できるように支援する仕組みが必要です。
知名度や初任給で大手企業と競うことが難しい中小企業でも、
仕事内容が分かりやすい
職場の人間関係が見える
教育方法が決まっている
質問や相談をしやすい
入社後の成長をイメージできる
このような会社であれば、高校生や学校から選ばれる可能性を高められます。
求人票を出したことで採用活動を終わりにせず、選考と受け入れの仕組みまで見直してみてください。
次回は、応募前職場見学で高校生に伝えるべき内容と、見学後の応募につなげるための準備について解説します。
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