見出し画像

リハビリ芸術劇場 第三幕:リハビリで「エネルギー交換」してますか?

こんにちは、理学療法士福島です。

前回は、私にとっての「面白い」の定義は**「好奇心が満たされる状態」**だとお話ししました。今回はその「面白さ」をより深く、そしてポジティブに循環させるための、もう一つの視点について共有したいと思います。

今日のテーマは、少し抽象的かもしれませんが、私たちの仕事の本質に関わる話です。

🔋 言葉を超えた非言語の「エネルギー」

皆さんは、利用者さんや患者さんと関わる際、自分の**「気持ち」**が言葉にしなくても伝わっていると感じたことはありませんか?

私は、この「気持ち」を一種のエネルギーとして捉えています。

  • 楽しい気持ち → 楽しいエネルギー

  • 悲しい気持ち → 悲しいエネルギー

これは霊的な話ではありません(笑)。表情や仕草、動作といった非言語的な空気を通じて、相手に伝わり、無意識に相手の心や体に影響を与える波長のことです。

例えば、プロの農家さんが丹精込めて作ったトマトを食べる時、私たちは単に栄養を摂取するだけでなく、「この農家さんの良いエネルギーをもらっている」と感じませんか?

舞台やライブでの演者と観客の相互作用も同じです。演者の熱意が観客を盛り上げ、観客の盛り上がりが演者のパフォーマンスをさらに高める――これは、最高のエネルギー交換であり、良い無限ループを生み出します。

🔄 リハビリ芸術劇場における「交換」

リハビリ芸術劇場もまた、このエネルギー交換が行われる舞台です。

私は基本的にリハビリを提供することが好きで楽しいですが、現場で交換されるエネルギーは「楽しい」ものばかりではありません。病気や障害という現実の中で、**「悲しみ」「辛さ」「怒り」**といったネガティブな感情のエネルギーも交換し合うことがあります。

プロとして、このネガティブなエネルギーに自分が飲み込まれない**「鍛錬」**は必要です。しかし、ネガティブなエネルギーもまた、舞台上の物語を構成する重要な要素だと捉えることで、私たちは客観性を保ちながら、物語そのものを楽しむ視点を持つことができます。

🌪️ ポジティブな流れを生み出す醍醐味

特に訪問リハビリのような年単位の長い関わりになる在宅の舞台では、ポジティブなエネルギーの流れを作り出すことが、療法士としての腕の見せ所であり、最高の「やりがい」と「楽しみ」になります。

病気や事故で障害を負った患者さんの人生は、多くの場合、**「停滞」**しています。「悲しみ」や「怒り」のエネルギーが渦巻き、物語が止まっている状態です。

ここで、療法士が担う役割は、停滞に「風を通す」ことです。

  1. エネルギーの注入(楽しさの提供): 療法士の「楽しい」エネルギーが入ったリハビリを提供することで、患者さんの意欲が高まり、活動性が向上する。

  2. エネルギーの循環(元気の獲得): 目標達成に向けて意欲的に身体を動かす患者さんの姿を見て、療法士もまたポジティブなエネルギーをもらう。

  3. 劇場の好転(波及): この良い流れは、患者さん本人だけでなく、家族や周囲の人々にも波及し、暗い舞台全体が、明るく楽しい舞台へと変換されていく。

患者さんの人生劇場が好転していくその瞬間を見届けられること。これは、演者として体感し、観客として眺めることができる、私たち療法士の最高の特等席です。

💡 最高の特等席からの視点

一般的な舞台と違い、私たちは舞台上で自分のアクションで物語の進行を調整できます。

  • 患者さんのエネルギーを感じ取り、適切なタイミングでポジティブなエネルギーを交換する。

  • 身体的・精神的に最も効率の良い回復の流れを演出する。

まるでドラマのクライマックスに向けて物語を展開させるように、患者さんの人生物語を再び動かしていく。このプロセスこそが、リハビリ芸術劇場です。

熱を込めて同業者に話しても、「怪しい」「宗教的」と誤解されがちですが(笑)、個人的には、この「エネルギー交換」は極めて普通で大切な感覚だと思っています。

皆さんは、日々のリハビリで、どんなエネルギーを交換していますか?

ご提示いただいた第4回の内容(「実は患者さんが、私を治療してくれる?」)を参考に、前回の記事の最後に挿入するのに最適な「次回予告」を作成します。


🚀 次回予告:実は、患者さんが「私」を治療している?

前回、私たちは患者さんと「エネルギー交換」をしているという話をしました。しかし、その流れを深く観察すると、驚くべき事実が見えてきます。

それは、私たちが提供しているはずのリハビリテーションが、実は療法士自身の心理的なセラピーになっているのではないか、という逆説です。

  • なぜ、「ありがとう」という言葉は、私たちを元気にするのか?

  • なぜ、患者さんの目標達成は、自分のことのように幸福感をもたらすのか?

次回、**「実は患者さんが、私を治療してくれる?」をテーマに、障がい者サーフィンサポート活動「Re+Turn」の具体的な事例を交えながら、患者さんの挑戦するエネルギーや喜びが、いかに私たちセラピストの「居場所」や「自信」**といった心理的効果を高めているのかを深掘りします。

リハビリを「楽しい」と思えば思うほど、私たち自身が元気になれるこの相乗効果こそが、リハビリ芸術劇場の最高の魅力です。どうぞお楽しみに!

理学療法士福島でした。

いいなと思ったら応援しよう!