会議で質問したあと、沈黙が怖くて自分で答えてしまう人へ
「この案について、どう思いますか?」
会議でそう聞いたあと。
……シーン。
誰も話さない。
この数秒、めちゃくちゃ長く感じませんか。
「質問が悪かったかな」
「みんな困ってる?」
「早く何か言わな」
そう思って、
「例えば、コスト面とか……」
「もちろん正解はないんですけど……」
「僕としてはこう思っていて……」
と、自分でどんどん話し始めてしまう。
僕も、やりがちです。
でも研修で何度も質問をしてきて思うのは、
沈黙しているからといって、相手が困っているとは限らない
ということです。
ただ、考えているだけかもしれません。
質問した側の3秒と、答える側の3秒は違う
質問した側は、答えを知っています。
何について聞いたのかも分かっています。
だから、質問した瞬間から相手の答えを待てます。
でも、聞かれた側は違います。
「何を聞かれた?」
「自分はどう思ってる?」
「これ、人前で言って大丈夫?」
いろいろ考えてから、言葉にします。
つまり、こっちが感じている
「長い沈黙やな……」
という時間が、
相手にとってはまだ
「答えを作っている途中」
かもしれないんです。
そこでこちらが話し始めると、相手は考えるのをやめてしまいます。
「じゃあ、この人の話を聞けばいいか」
となってしまう。
せっかく質問したのに、ちょっともったいないですよね。
僕は「何秒待つか」より、待っている顔を気にします
質問のテクニックとして、
「質問したら○秒待ちましょう」
という考え方もあります。
もちろん目安としてはいいと思います。
ただ僕自身は、
何秒待ったかより、どんな顔で待っているか
の方が大事だと思っています。
想像してみてください。
質問されたあと、
講師や上司が真顔で、
じーっ。
……。
と見てくる。
考えにくいですよね(笑)
「早く答えな」
「正しいこと言わな」
というプレッシャーが増えます。
だから僕は、質問したあとはできるだけ、
「ゆっくり考えて大丈夫ですよ」
という空気で待つようにしています。
少し笑顔でいる。
うなずきながら待つ。
急かさない。
沈黙をなくすのではなく、
安心して沈黙できる空気をつくる。
質問する側にできることって、意外とここなんじゃないかと思っています。
それでも答えにくそうなら、「答え」ではなく入口を渡す
もちろん、本当に質問が難しくて止まっていることもあります。
そんなときは助け舟を出します。
ただし、
自分の答えを言ってしまうのではなく、
考える入口を増やします。
例えば会議で、
「この制度についてどう思いますか?」
と聞いて止まったなら、
「例えば、使いやすさでもいいですし、現場の負担でもいいです。何か一個気になるところありますか?」
と選択肢を出す。
すると、
「現場の負担ですかね」
と話し始められるかもしれません。
就職支援でも同じです。
「会社選びで何を大事にしていますか?」
だけだと難しい人には、
「仕事内容を重視する人もいるし、働く人を大事にする人もいます。○○さんは何か近いものあります?」
と入口を増やす。
答えをこちらが作るのではなく、
相手が自分の答えを見つけやすくする。
これくらいがちょうどいいと思っています。
沈黙を「失敗」と判断するのが少し早い
気にしいな人ほど、
相手がすぐ答えてくれないと、
「聞き方まずかったかな」
「変な質問したかな」
と、自分への評価に変換しやすい気がします。
でも、
相手が黙った。
というのは、まだただの情報です。
考えているのかもしれない。
質問が広すぎたのかもしれない。
間違えるのが怖いのかもしれない。
本当に分からないのかもしれない。
だったら、
すぐに自分を責めなくていい。
まず少し待つ。
難しそうなら入口を増やす。
それでも出なければ、質問の形を変える。
それでいいと思います。
次の会議では、あと少しだけ待ってみる
次に誰かへ質問して、
シーン……
となったら。
すぐに自分で話し始める前に、一度だけ相手を見てみてください。
「困っている」のではなく、
「考えている途中」ではないか。
そこを見てからでも、助け舟は遅くありません。
質問は、
投げた瞬間に終わるものではありません。
相手が考えて、言葉にして、返してくれるところまで含めて質問です。
だから僕も、
沈黙を埋めるのではなく、
相手が答えを作れる時間として待つ。
これを意識しています。
次の会議では、一度だけ。
いつもより少し長く、待ってみてください。
