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【みかみか】第3章 江戸時代の文化とSDGs

多摩経営工房SDGs研究会では、「SDGs+(ぷらす)」として、メンバーが日替わりでSDGsに関するさまざまなテーマを発信しています。
江戸時代の暮らしや日本文化の中には、現代になって「SDGs」と呼ばれる考え方につながる知恵や工夫が数多く息づいています。木曜日は、そんな身近な事例を通して、持続可能な社会や経営のヒントを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

📗第3章 江戸時代の文化とSDGs(前半)

 持続可能性という言葉がまだ存在しなかった江戸時代。そこには、現代のSDGsが目指す社会像と重なる生活様式や制度が数多く存在していました。大量生産・大量消費の前提がなかった江戸の暮らしは、資源を無駄にせず、地域とともに生きることが“当たり前”とされていた時代だったのです。

資源を循環させる「もったいない」の仕組み
 江戸時代の生活においては、資源を最後の一滴まで使い切ることが当然のように行われていました。例えば、行灯(あんどん)に使われた油は業者によって回収、再利用され、布や紙は何度も使い回され、最終的には燃料や肥料として用いられました。着物はおむつや雑巾、紙は鼻紙になったり、といったことです。屑屋(くずや)はそうした廃品回収のプロであり、壊れた鍋や傘、古着などを集めて再販売するリサイクル市場が機能していました。
 また、壊れた日用品はすぐに捨てるのではなく、修理職人によって直され、修理不能になるまで使われるのが一般的でした。今で言う「アップサイクル」や「リユース」は、生活の知恵として自然に浸透していたのです。これらは現代の目標12「つくる責任 つかう責任」の先駆けと考えられます。

地域で支え合うコミュニティと仕組み
 江戸の都市部には、長屋と呼ばれる共同住宅があり、隣人との助け合いが日常的に行われていました。「向こう三軒両隣」という言葉に象徴されるように、物の貸し借り、育児、看病、ゴミ出しまで、助け合いが暮らしの一部でした。
 火災の多かった江戸では、町火消しという地域自警団が存在し、自分たちの地域は自分たちで守るという意識が高く、これは目標11「住み続けられるまちづくりを」に重なる取り組みと言えます。
 また、寺子屋では子どもたちに読み書きそろばんが教えられ、教育の裾野が広がっていきました。階層を問わず教育を受ける機会があった点で、目標4「質の高い教育をみんなに」にもつながる先駆的な制度と言えるでしょう。

日常に溶け込んでいた“エコな暮らし”
 江戸の人々の生活には、自然との共生を前提とした行動が多く見られます。打ち水はその代表的な例で、夏の暑さをやわらげるために朝夕に道へ水をまくという習慣です。これは気温を下げるだけでなく、砂埃の抑制や周囲への「おもてなし」の意味も込められていました。
 また、庶民のおまつりも、単なる娯楽ではなく、地域との結びつきを深め、町の連帯感を醸成する重要な機会でした。町内ごとの神輿(みこし)担ぎや山車(だし)の準備には、老若男女が参加し、自然の恵みやご先祖への感謝を表現する行事としても機能していました。
 生活圏は徒歩を前提としており、地産地消が基本。贅沢は敵、倹約は美徳という考え方が浸透しており、不要なものを買わない、持ちすぎないといったライフスタイルも当たり前でした。

次回8/13(木)は…
👉第3章 江戸時代の文化とSDGs(後半)
中小企業に活かせる「江戸の知恵」についてご紹介します。


木曜日担当 みかみか(丸山 美佳)
中小企業診断士 / 防災士

【略歴】
ICTメーカーのマーケティング部門で販促企画、イベント運営、ユーザー会事務局などを担当。震災復興支援やBCP策定、社会貢献活動など、SDGsにつながる現場実践を積む。
独立後は多摩地域での事業者伴走支援、展示会・ビジネスマッチング支援、地域活性のための「まちゼミ」支援等に従事する一方、「SDGsと日本文化」をテーマに研究・論文執筆を進めている。
また、コミュニティラジオやインターネットラジオを通じて地域で活躍する人々の紹介や情報発信にも取り組み、地域コミュニティの可視化とネットワークづくりを行っている。

【所属】
一般社団法人東京都中小企業診断士協会 三多摩支部 地域支援部
一般社団法人多摩経営工房(多摩ラボ) SDGs研究会/製造業研究会

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