お祭りや空間を創っている私を形づくった、子供のころからずっとそばにいてくれた本たち
本を読むことは、私にとっては「旅」だったんだと思う。
全方向360°を山に囲まれた長野県の田舎で育った。
単線の電車は1時間に1本。
車で20分の町にある娯楽と言えば、
映画館とボーリング場と“小型動物と鳥類しかいない動物園”だった。
小さい頃からふと口に出る独り言は
「どこか遠くに行きたいな」
そんな私は、幼少期から本が大好きだった。
小学校では図書館に足しげく通った。
朝借りて、休み時間に返して借りて、放課後に返して借りて、1日3冊読んだ。読みながら下校して”二宮金次郎”と呼ばれていた。
「学校の図書館にある本を全部読む」という目標を持っていた。
6年生になってうすうす、それはどうやら無理だって気がついた。
歴史物や、偉人の伝記や、図鑑系に、全く手が伸びなかったから。
好きで読んでいたのは児童文学。
子ども向けの「青い鳥文庫」なんかは本当に端から読みあさっていたと思う。
いま手元に当時の本が何冊かある。
大好きで大好きでこの先もずっと手放さないだろうと思う本たち。
「クレヨン王国の12ヶ月」 「クレヨン王国 新12ヶ月の旅」
何度でも何度でも読みたくて、もう図書館で借りるとかでは無理で、
お小遣いでコツコツ買いためていった「クレヨン王国」シリーズ。
久々に読み返してみたら、子どもの頃のワクワクドキドキが全く薄れずに戻ってきて、びっっっくりした。

「クレヨン王国の12ヶ月」
小学生の主人公が大晦日の夜にクレヨンたちに導かれて不思議な国へ。欠点だらけの王女と旅する話。
「クレヨン王国 新12ヶ月の旅」
欠点を直した王女が、再びその欠点を魅力として取り戻す旅をする続編。
(福永令三 / 絵・三木由紀子)
クレヨン王国シリーズは全部で22冊持ってる。どれも小中学生の主人公が冒険する話だけどストーリーのオリジナリティがすごい。どれも唯一無二だ。
「扉のむこうの物語」
大人になって
「ああ、あの本が読みたい!!タイトルも思い出せないけど!!」
と思ってネット民の力を借りて探し出したのはこの本。

「扉のむこうの物語」 (岡田淳 作・絵)
小学校の男の子が学校の物置にあった扉から不思議な世界に入ってしまい、戻ろうと奮闘する話。
2015年、AIも無い当時、「あの本のタイトル教えて!@児童書」という"本を探すためのサイト"を見つけて、藁にもすがる気持ちで書き込んだら1時間以内にタイトルを教えてくれる人がいて大感激した。


判明したタイトルを急いで検索し、出てきた表紙を見た瞬間に鳥肌がたった。
当時のままの装丁で読みたくて古本サイトで買っで読んだ。
実家のリビングで夜中に1人ゾクゾクしながら読むのをやめられなかったことを鮮明に思い出しながら、同じようにゾクゾクした。
「グーニーズ」
これは皮のカバーをつけて大事に持っていた文庫本。
中学生のころ、“白文帳”なるノートに1日1ページ漢字の練習して提出する宿題があり、漢字は疲れると思った私はこの本を書写して出していた。黙認してくれていた先生はどう思っていたんだろうか。

「グーニーズ」 (ジェームズ・カーン/広瀬順弘 訳)
当時大流行りした映画の小説版。映画が面白すぎて、本で何度もその世界に潜った。小学生(中学生かも)の主人公たちと一緒に何度も旅した。
「霧の向こうの不思議な街」
「ポケットの中のあかちゃん」
小学校のころ、本屋でなかなか見つからなくて、ずっと欲しくて、
毎晩お風呂の鏡に本の名前と「ください。」と書くおまじないをして祈っていたのはこの2冊。
(本屋に注文したら手に入ることを知らなかった子ども時代。
お風呂のおまじないは、多分オリジナル。)

「霧の向こうの不思議な街」 (柏葉幸子/ 絵・竹川巧三郎)
小学生の主人公が、母に渡された傘に導かれて夏休みに過ごした不思議な町の話。
これは大人になってから見つけて買えた。(しかも当時の装丁のものを!)嬉しかった!記憶力が弱いのに、覚えてるとおりのシーンがたくさんあった。
一方、もう1冊のこちらは、探し続けたけど全然見つからなかった。

「ポケットの中のあかちゃん」 (宇野和子 作・絵)
ポケットの中のほこりくずから生まれたあかちゃんと幼稚園の主人公が、家の中でする冒険。
児童文学は本当に素晴らしい名作でも時がたつと絶版になって消えてしまう。あんなにあんなに好きだったのに、もう2度と読めないのかと悲しかった。
ところが、一昨日。
数年ぶりに検索してみたら古本が出てきて、当時370円とかの本が2万円以上の値段で売られていた。(それだけ、欲しい人がいるってこと!やっぱりすごく愛された名作だったんだ!って嬉しくなってしまった。)
そしてなんと同時に、去年(2024年)、単行本で復刻されていたことが判明した。3秒迷ってポチった。
3秒迷ったのは、当時のままの文庫本で手にすることを諦めきれなかったから。でも復刻版も装丁や挿絵は当時の本のものだと知ってそれならと買った。
そして、届いた。
美味しいケーキを1口ずつ大事に食べるように、ゆっくり味わって読みます。どんな気持ちになるかな。考えただけで嬉しい。楽しみ。
大好きでこれからもずっと手放さないだろうこれらの本は、見事に全部、
自分と等身大の主人公が、
ありふれた日常からふとした瞬間に不思議な国に迷い込み、ワクワクドキドキの旅をする話だ。
当時の私の”無意識の切実な思い”に、胸が少しきゅっとなる。
ほんとに私は
「どこか遠くに行きたかった」んだな。
狭い日常の世界から突然に未知の世界に入ってしまうことに
こんなにもずっと胸を焦がしていたんだな。
私は今、“旅するお祭りプロデューサー”を名乗っている。
お祭りの、いつも見慣れた日常がある日突然に非日常になる、あの感じがたまらなく好きだ。想像しただけで身体が飛び跳ねそうになる。心が大喜びしてしまう。
空間デザイナーとして、演劇やショーの美術デザインもしている。
何もない舞台の上に、頭の中にあった光景が現れる。毎回、魔法みたいだと思う。もう何十年もやってるのに、全然慣れない。毎回、静かに感動している。
そんな時ときおり、子供の頃から大好きだった本たちを思い出す。
私が「日常がクルッと非日常に変わる瞬間」にひかれてそれを作りつづけるのは、あの本たちが教えてくれたワクワクと興奮があったからこそ。
私が「世界中の国に行って見たことの無い光景を見たい」と切望するのは、あの本たちが教えてくれたドキドキと感動があったからこそ。
「子供のころに好きだったものは、自分が心から本当に好きなもの。人生でやりたいこと、“人生の使命”に繋がっている。」なんてことを、言ったり聞いたりする。
本当に、そうだと思う。
「どこか遠くに行きたいな」と呟いてた“子どもの私”さんへ。
私は大人になって「どこか遠くに連れていく」ことをやっているよ。自分も、みんなも、ワクワクドキドキさせることが、楽しくて仕方がないよ。
たくさんの、素晴らしい本と出会ってくれて、ありがとう。
#10年本 というハッシュタグがあるそうです☆
今回書いた本は10年どころか 30年本、いや待って、40年本かもしれないけれど。(もう #一生本 と言っていい気がする)
「10年本」とは
・我が家の本棚で、良い位置にずっといて、
・10年以上、長年に渡って定期的に読み返しており、
・じぶんを形づくってくれている、
大好きな本を1冊以上、挙げてみてください
いろんな人にとっての「じぶんを形づくってくれた本」が読めるのは楽しいですね。
大好きな本の並びから「その人らしさ」って表れてきちゃうんだろうなあ。
🌏 tamako☆ | 旅するお祭りプロデューサー/空間デザイナー
人生はお祭り!世界を旅しながら、お祭りやイベントに参加したり、ときには自分で創ったり。“世界がちょっと広がるワクワク”をシェアしていきたいな☆
