【登山の痛み】膝の爆弾はスクワットで直る?十字じん帯のケガから学んだ再発癖の原因と根治までの考え方
1. はじめに:治ったはずの「膝痛」という時限爆弾
こんにちは、シュガーです。
以前、キネシオテープを使って膝の痛みを防ぐハックを紹介しました。
しかし、あれはあくまで痛みの発生と予防を前提とした「対症療法」に過ぎません。
今回は、私自身が長年抱えていた「持病の膝痛」を、対処療法ではなく「筋肉の再構築(リバランス)」によって根治にたどり着いた経験を共有します。
事の発端は、スキーでのちょっとした油断でした。
板が雪に引っかかる「根掛かり」を起こし、膝を強く捻ってしまいました。
さらに、その翌日雪山登山を強行した結果、膝を曲げられない痛みが出るようになりました。
山から下山し、その足で病院に行った結果は「十字靭帯損傷」でした。
その後、安静にして日常生活に支障がないレベルまでは回復しました。 しかし、これ以降、私の膝は「時限爆弾(持病)」を抱えることになります。 歩き始めは全く痛まないのに、登山の「登り」で酷使したり、ロードバイクで長時間走ったりするたび、決まって同じ箇所が激しく痛み出し、満足に動かせなくなる、という悩みが続くようになったのです。
2. 無意味だった「対症療法」の数々
この痛みをどうにかしようと、私はあらゆる手段を講じました。
病院でのレーザー治療: 痛みを一時的に散らすだけで、根本解決にはならず。
高価なサポーターの導入: 多少の気休めにはなるが、長時間の過負荷には耐えられない。
自転車のフィッティングやインソールの見直し: スポーツトレーナーにフィッティングや足の動きを調整してもらっても、結果は気休め程度。
念入りな柔軟体操: 可動域は広がっても、痛みは消えない。
どれだけお金や時間をかけても、少し負荷をかければ必ず再発する。 私は「もう一生、この壊れた膝と騙し騙し付き合っていくしかないのか」と半ば絶望していました。
3. 転機:高負荷トレーニング(BIG3)で顕在化した「真のバグ」
そんな時、当時のSNSの投稿をきっかけに、私はジムでのトレーニングに興味を持ちました。マシントレーニングではなく、バーベルを使った「フリーウェイト(BIG3:スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)」に打ち込み始めました。
そして、重いバーベルを肩に担ぎ、スクワットで深くしゃがみ込んだ瞬間。 痛めていた側の膝だけが、ガクガク、ブルブルと激しく震え出したのです。
その時、私は雷に打たれたように「真の原因(バグの正体)」を理解しました。
痛みの原因は「靭帯が治っていないから」でも「関節が固い」ことでもありません。
怪我の痛みを無意識にかばい続けた結果、「膝の左右の筋肉の出力バランスが完全に崩壊していた」のです。
4. 真因の解明:自重では見えない「偏荷重」の罠
人間の身体というシステムは非常に優秀で、一部のパーツが壊れても他のパーツで補う「代償動作」を無意識で行います。 そのため、日常生活や自分の体重(自重)程度の負荷では、バランスが崩れていることに全く気づきません。
しかし、登山やロードバイクのように「高負荷で長時間、同じ動作を繰り返す」環境下ではどうなるか。
① 出力の弱い側の筋肉が先に疲労し弛緩することにより、膝関節の軌道がわずかにズレます。
② そのズレた状態で関節に偏った荷重(偏荷重)がかかり続けることで、同じ箇所が擦れて炎症を起こしていたのです。

レーザーも、サポーターも、インソールも効かないわけです。 「左右の筋肉バランス」という根本要因を、外部からのアプローチ(対症療法)で直せるはずがなかったのです。
5. 根治まで:バランスの再構築(デバッグ)
バグの原因さえ特定できれば、あとはエンジニアとして修正(デバッグ)あるのみです。
私は、膝が痛まないギリギリの重量と範囲を見極めながら、スクワットを継続しました。正しい軌道(アライメント)を意識し、左右の筋肉に均等に負荷をかけ続けるトレーニングを地道に続けたのです。
2ヶ月後。バーベルを担いでも膝の震えは完全に収まりました。
左右の筋肉の出力バランスが完全に同期し、膝が正しい軌道で強力にロックできるようになったからです。
それ以来、どれだけ重いザックを背負って急登を登っても、ロードバイクで乗鞍ヒルクライムを完走しても、あの忌まわしい膝の痛みは二度と発生しなくなりました。
6. おわりに:「対症療法」か「根本治療」か
膝や腰の「痛みグセ」に悩んでいる方は、一度自分の身体に「耐えきれるギリギリの高負荷」をかけてみてください。自重では絶対に気づかない、左右のバランスの崩れや出力低下が明確に可視化されるはずです。
サポーターやテーピング、鎮痛剤は、その場をしのぐための素晴らしい「対症療法(パッチ処理)」です。しかし、それに依存し続けても、痛みの発生原因は一生消えないかもしれません。
自分の身体というハードウェアの寿命を延ばし、長く安全に山を楽しむためには、「バランスの崩れを自覚し、自らの手で矯正する(根本治療)」という選択肢を持つことが不可欠です。
次回の登山に向けて、ぜひジムへ足を運び、自分のシステムを再構築(ビルドアップ)してみてはいかがでしょうか。
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