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【Mr.ウォーカー玉置泰紀の観光ブラタマキ/第一回「北海道観光情報交換会」】関空・伊丹からの新路線でぐっと身近になった北の大地へ

 2026年9月11日、大阪駅前第2ビル4階のComo Rental Office内413にて、「北海道観光情報交換会(大阪)」が開催された。公益社団法人北海道観光機構が主催する本イベントは、メディアや旅行会社を対象に、北海道の最新観光情報や支援事業を紹介する場として開かれたものである。
 当日は、北海道観光機構をはじめ、十勝観光連盟、とかち観光誘致空港利用推進協議会、帯広観光コンベンション協会、札幌観光協会・札幌市東京事務所、小樽観光協会、北見市観光協会、オホーツク総合振興局、池田町観光協会、アイヌ民族文化財団、北海道歴史文化財団、丸駒温泉旅館、星野リゾート 旭岳ロープウェイ、厚真町総合観光推進局など道内から多数の団体が参加し、会場は大きな熱気に包まれた。
 北海道観光の現状と課題を浮き彫りにする統計として、リピーターの多さ(5回以上訪れた人が43.3%)や、1人旅で楽しむ割合の高さ(28.8%)というデータが示された。これらを背景に、北海道観光機構は観光における三つの課題と目指すものを掲げている。
 閑散期の需要喚起: 特定の季節に偏らない、通年での魅力発信と国内での旅行需要の創出を図る。
 地域偏在の解消: 王道エリアだけでなく、まだ知られざる地域ごとの魅力を発信し、拠点型観光を推進する。
 リピート意欲の醸成: 身近で手に行ける北海道、何度も行きたくなる旅のイメージを想起し、北海道を「行きたい場所」から「推したい旅先」へ進化させる。
 さらに、関西圏の旅行者にとって極めて大きなトピックスとして、関西からの航空路線の拡充が挙げられる。同年12月1日より大阪(伊丹)-とかち帯広空港の直行便が新規運航されるほか、大阪(伊丹)-女満別空港・旭川空港線が季節運航から通年運航へと切り替わる。これにより、定番の札幌や函館だけでなく、道東や道北など、まだ知られざるディープなエリアへもインとアウトを柔軟に組み合わせながら快適に周遊できる環境が整った。
 「まだ知らない好きに会いにいく」をテーマに掲げ、「ガストロノミー」「リトリート」「アドベンチャートラベル」といった新機軸を交えながら、何度訪れても新しい表情を見せてくれる北海道の魅力を再発見する、濃密な情報交換会の幕が開けた。

食と絶景の宝庫、十勝・帯広の魅力
 とかち観光誘致空港利用推進協議会および十勝観光連盟のプレゼンテーション。十勝・帯広エリアの新たな魅力と観光戦略を紐解く。
 十勝エリアは人口約32万人に対し、牛の頭数が約47万頭を数え、日本の食料生産基地として圧倒的な存在感を誇る。食料自給率は実に1,295%に達し、帯広発祥の「豚丼」やチーズ、ワイン、日本酒、地ビールなど、豊かな大地の恵みを活かした「食の王国」としての強みを持つ。また、世界でも珍しい植物性の「モール温泉」は、肌がツルツルになる「美人の湯」として知られ、食と癒やしの両方を満たせるのが大きな特徴である。
新路線就航でぐっと身近になる十勝へのアクセス
 本交換会で最も注目されたトピックスの一つが、関西からのアクセスの劇的な向上である。2026年12月1日より、大阪(伊丹)-とかち帯広空港の直行便(JAL)が毎日1往復で新規運航を開始する。
 これまで伊丹から羽田などを経由して4時間程度かかっていた移動が、伊丹発着で2時間以内へと大幅に短縮される。午前中に大阪を出発すれば、午年には十勝の空の下に降り立つことが可能であり、「1泊2日で十勝の食と温泉を堪能して帰る」という新しい旅のスタイルが現実のものとなる。
冬のクリスタルランドと多彩な体験型コンテンツ
 冬の十勝といえば、氷点下の寒さが生み出す圧倒的な美の世界「クリスタルランド十勝」が展開される。
しかりべつ湖コタン(鹿追町): 完全凍結した湖上に現れる幻の村。雪原を渡る冷風の中で源泉に浸かる世界でも珍しい「氷上露天風呂」や、氷で作られた「アイスバー」を楽しめる。
 十勝牧場・白樺並木(音更町): 13kmに及ぶまっすぐな白樺並木が広がり、冬期には妊婦馬の運動不足解消のために雪上を歩く「馬追い運動」という全国でも珍しい光景に出会える。
 十勝ナイトインアクティビティ: 氷点下の冷気が生み出す「ジュエリーアイス」(大津海岸)の美景や、音更町南温室での厳冬期のシュノーケリング体験など、冬ならではのマニアックなプログラムが充実している。
 さらに、大雪山国立公園、日高山脈襟裳十勝国立公園、阿寒摩周国立公園という3つの国立公園に囲まれた広大なエリアでは、大自然を舞台にしたスノーシューイングやスノートレッキングなども堪能できる。
食の深掘りと今後の展望
十勝の美食は豚丼やチーズにとどまらず、十勝産の和牛や、日本一の生産量を誇るスパゲッティ、さらには近年誕生した初のワイナリーによる「池田ワイン」や十勝のビールなど、地場産の酒とのペアリングを心ゆくまで楽しめる。
 2026年秋には、幕別町にアイヌ文化拠点空間「チロト」が新たにオープンするなど、文化的な体験価値も高まっている。伊丹からの直行便就航を契機に、食・温泉・大自然が凝縮された十勝・帯広エリアは、関西の旅行者にとって「何度も通いたくなる特別な旅先」へと進化を遂げようとしている。

池田町:ワインと歴史が織りなす「北のワインタウン」
 十勝観光連盟に続いて登壇した池田町観光協会は、帯広空港から車で約50分、帯広市の東側に位置する「ワインの町」のディープな魅力を語った。
 歴史とアクセス: 池田町は鳥取藩の池田侯爵が開拓の祖となった歴史を持ち、JR根室本線は帯広よりも1年早い122年の歴史を誇る。また、札幌駅から直通で2時間50分、とかち帯広空港から車で50分とアクセスも良好である。
 極寒が育むブドウとワイン: 寒冷地ゆえの強い酸味がブドウの個性を際立たせ、十勝ワインの芯を作り出している。町内のワイン城では、樽やブランデーの貯蔵庫を見学できるほか、世界でもユニークな「山幸」などの独自品種が生み出す個性豊かなワインが味わえる。
 厳選の3本: 池田町のワインを知るうえで外せないのが、瓶内二次発酵によるスパークリングワイン「ブルーム」、野生の山葡萄から生まれた赤ワイン「山幸」、そして香り高いブランデー「ジェンティール」の3本である。
 冬の絶景と食の楽しみ: 冬にはマイナス30度近くになる寒さが作り出す圧倒的な美景が広がり、ワインジョウから望む日高山脈の夕景や、夜のイルミネーションが旅人を魅了する。カニやチーズ、十勝牛、そして日本一の生産量を誇るうどんなど、極上のグルメ体験も揃っている。

オホーツク:流氷と新酒が息づく北東のフロンティア
 池田町に続き、北海道の東部に広がるオホーツク総合振興局が登壇し、世界自然遺産・知床や北半球の流氷の南限に位置する広大なエリアの魅力を発信した。秋田県や岐阜県に匹敵する約1万平方キロメートル超の面積を誇り、漁獲生産額が全道1位(795億円)を記録するなど「食の豊かさ」が際立つ地域である。
 アクセス強化: オホーツクの空の玄関口である女満別空港へは、関西国際空港からの季節運航便(2026年夏期は8月28日まで運航)に加え、2027年2月1日から伊丹-女満別線が待望の通年運航化される。これにより、年間を通じてオホーツクへのアクセスが劇的に便利になる。
 冬のアクティビティ: 網走の流氷観光砕雪船「おーろら」や紋別の「ガリンコ号」をはじめ、流氷の上を歩く「流氷ウォーク」(斜里町)や流氷カヤック(網走市)など、見るだけでなく五感で体験する冬の旅が充実している。また、小清水町の「スノーシューツアー」、清里町の「神の子池スノーシューツアー」、斜里町の「星風の丘スノーシューツアー」、さらには夜の暗闇にそびえる高さ約28メートルの巨大な氷柱をライトアップする遠軽町の「山彦の滝ナイトツアー」など、厳冬期ならではの幻想的なアクティビティが目白押しである。
 春のチューリップフェアと新たな観光資源: 春には約200品種・70万本のチューリップが咲き誇る湧別町のチューリップフェアに、ドローンで上空から空中散歩を楽しめる「スカイビューチューリップ」が新登場。さらに、網走市では網走刑務所の資源を活用した「日本最北の酒蔵」(上野大雪酒造)が誕生し、伝統的な木桶仕込みによる高品質な日本酒と地元の食材を組み合わせた「酒×食」の新たな地域ブランド力が発信されている。

北見市:「焼肉のまち」の深層とタマネギが育む食文化
 オホーツクエリアに続き、北見市観光協会が登壇し、「焼肉のまち」として知られる北見の歴史と驚くべき食のポテンシャルが語られた。
 日本一のタマネギとスープ: 北見はタマネギの生産量が日本一を誇る。さらに、タマネギスープのノベリティも注目を集めており、当日は会場に「ジャグチからスープ」が出るサーバーも持ち込まれ、実際のスープが振る舞われた。
 焼肉のまちの起源: 総務省の経済センサス(令和3年度)によると、人口10万人以上の自治体で人口1万当たりの焼肉店数が日本一多いのが北見市である。その歴史の始まりには諸説あり、昭和30年頃に市内のホルモン焼き店(大昌園など)から広がったとされるほか、北見市役所の職員が考案した「とじょう鍋」をルーツに持つ「ぽんち鍋」などの文化が下敷きになっている。さらに、市内の食肉処理場の職員たちが昼食や休憩時に内臓肉を食べていた習慣が一般に広がり、シベリア帰りの人々から教わったホルモンの洗い方なども深く根付いている。
 北見厳寒の焼き肉まつり: 北見が焼肉のまちとして全国区になった最大のイベントが、毎年2月の最も寒い時期に屋外で七輪を囲んで焼肉を食べる「北見厳寒の焼き肉まつり」である。マイナス気温のなかで極寒を逆手に取ったこのユニークなイベントは、転勤族の職員たちの発案がきっかけで始まり、今や全国からファンが訪れる伝説的な祭典となっている。
 便利なアクセス: 女満別空港へは、伊丹からの直行便(2027年2月からは通年運航化)が就航しており、関西からも圧倒的にアクセスしやすくなっている。

ウポポイ:アイヌ文化の息吹と白老の魅力
 北見に続き、白老町にある民族共生象徴空間「ウポポイ」が登壇し、アイヌの歴史や文化を体感できる多彩な魅力が紹介された。
 施設とロケーション: ウポポイは2020年7月12日に白老町ポロト湖のほとりに誕生した、国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園などを擁する民族共生象徴空間である。札幌市や新千歳空港からも近く、豊かな自然環境に包まれている。
 体験: 伝統的なコタン(集落)の再現エリアでは当時の暮らしや自然とのつながりを体感でき、ユネスコ無形文化遺産にも登録されたアイヌ古式舞踊の定期上演を通じてその真髄に触れることができる。
 新たな遊び場「トㇺトㇺ」: 2026年春にオープンした大型遊具広場「トㇺトㇺ」(tomtom:アイヌ語で「ぴかぴか光る」の意)では、アイヌの水辺の暮らし(漁)をテーマに、サケをモチーフにした滑り台や船型遊具、丸太リング、トンネル遊びなどが楽しめ、小さなお子様向けにサポート付きの要素も用意されている。
 充実のグルメ: 2026年4月3日にリニューアルオープンした「オハウとジビエの専門店 海空のハル」では、アイヌの食文化が味わえる季節のオハウ定食(具だくさん汁物)やポロト豚・ジビエメニューを提供している。また、フードコート「kitchen poro」(ポロ)では、あげいもや「ノヤ(ヨモギ)ソフトクリーム」、白老ちゃんぽんなど、白老の特産を活かしたメニューが揃っている。
 秋の特別イベント・展示: 2026年9月19日から23日までの5日間、ウポポイ初の野外音楽フェス「ウポポイ ふぇす 2026、いま -アイヌ・沖縄・奄美がつながる-」が開催され、9月20日・21日のメインイベントにはMarewrew and Oki、nincup、元ちとせ、夏川りみらが出演してアイヌアーティストと共演する。さらに、国立アイヌ民族博物館では「コソンテとルウンペ」をテーマにした第12回特別展示が9月19日頃から開催される。
 アクセスの変更点とバスツアー: 団体人数要件について、一般国内旅行は従来の20名以上から「10名以上」に引き下げられている。また、札幌とウポポイを結ぶ直行日帰りバスツアーも運行されている。

札幌市:都会と自然が隣り合わせる街の魅力と冬のイベント
 ウポポイに続き、札幌市東京事務所の担当者が登壇し、都心から車で1時間圏内に豊かな自然と都市機能が調和する札幌の魅力を語った。
 定山渓温泉: 市街地から車で1時間弱、支笏洞爺国立公園内に位置する温泉地で、今年開湯160周年を迎える。温泉と最先端サウナの融合や、豊平川源流の極上スパ、大自然の中での外気浴が楽しめる。冬の雪見ラフティング(12月上旬〜3月下旬)や、春の雪解け水による豊平川激流ラフティング(4月中旬〜6月中旬)など、アドベンチャーツーリズムも充実している。
 さっぽろ雪まつり(第77回): 2027年2月4日(木)から2月11日(木・祝)まで開催される冬の一大イベント。大雪像5基を中心とした中小雪像のほか、ウインターアトラクションなども大通会場(大通西1丁目から11丁目)、つどーむ会場、すすきの会場で展開される。
 札幌国際芸術祭2027(SIAF2027): 3年に一度、冬の札幌で開催される国際的な芸術祭。会期は2027年1月16日から2月21日まで、市内11カ所(さっぽろ雪まつり大通会場、AOOD SAPPORO、モエレ沼公園ほか)を会場に、「PLANT SNOW - upas mintar / upas nociw」をテーマとして街全体で最新アートを展開する。

一般財団法人北海道歴史文化財団:北海道の歴史ロマンと共通入場券の魅力
 札幌市に続き、一般財団法人北海道歴史文化財団の松井則彰氏が登壇し、札幌市内の博物館や文化施設の魅力、そしてお得に巡る共通入場券について紹介が行われた。
 北海道の歴史と5つのテーマ: 日本史の区分とは異なる、縄文文化・続縄文文化・オホーツク文化・擦文文化・アイヌ文化といった独自の時代区分を持つ北海道の歴史を、北海道博物館や開拓の村などの施設で深く学ぶことができる。
主要な施設と見どころ:
 北海道開拓の村: 新千歳空港から車で約40〜60分、札幌中心部から車で約30〜40分の距離にあり、明治から昭和初期にかけて建築された道内の歴史的建造物を移築・復元した野外博物館である。馬車鉄道(主に4〜11月)、冬期は馬そり運行が行われており、映画のロケ地(特に『ゴールデンカムイ』)としても親しまれている。
 中島公園(豊平館): 国指定重要文化財に指定されているウルトラマリンブルー(群青)の美しい洋風建物があり、館内でシャンデリアや当時の客室などを見学できる。所要時間は約20〜30分程度である。
お得な共通入場券「さっぽろセレクト」:
 財団が運営に関与する施設を含む札幌市内観光施設を対象とした共通チケットである。さっぽろテレビ塔展望台、羊ヶ丘展望台、北海道開拓の村、北海道博物館、札幌もいわ山ロープウェイなどが対象となっている。
料金とコース:
 料金は、さっぽろもいわ山ロープウェイを含めて対象施設から選べるAコースが約3,000円、対象施設から3施設を選択するBコースが2,100円となっており、現地窓口や電子チケットなどで購入可能である。

支笏湖:大自然の絶景と秘湯の宿、そして冬の氷濤まつり
 一般財団法人北海道歴史文化財団に続き、丸駒温泉グループ(日本秘湯を守る会会員)の樋口氏が登壇し、優れたアクセス環境を誇る支笏湖の魅力と、湖畔の宿や冬のイベントについて紹介が行われた。
 抜群のアクセス: 新千歳空港から車で約40〜50分、札幌から車で約1時間前後の距離に位置している。大阪からの早朝便を利用すれば午前中には支笏湖へアクセスできる。
 丸駒温泉旅館: 1915年(大正4年)創業の老舗宿であり、全国で約20カ所しか存在しない、浴槽の底から温泉が湧き出して支笏湖の水位と連動する貴重な「足元湧出湯」が楽しめる。
 館内の魅力と新しい取り組み: 2024年12月にリニューアルされた絶景ロビーラージをはじめ、囲炉裏スタイルの料理、木質ペレットストーブを熱源とするサウナ、支笏湖の私有地に開設された「支笏湖ビーチby丸駒温泉」などが完備されている。
 支笏湖温泉レイクサイドヴィラ 翠明閣: 全8室がレイクビューで温泉付きの贅沢な小規模施設であり、夕陽を眺めながら北海道食材を使用したガストロノミー(イタリアン系コースなど)を味わうことができる。
 千歳・支笏湖 氷濤まつり: 第49回目を迎える冬の代表的なイベントであり、2027年1月30日から2月23日まで開催される予定である。湖水をスプリンクラーで凍らせた氷像群が、昼はナチュラルブルー、夜はライトアップにより幻想的な「氷の美術館」を生み出す。

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