韓国ではグローバル化されないで留まるIT領域
韓国では、日本で当たり前に使っているAmazonやGoogleマップ、Uberといったグローバルサービスがあまり普及していません。その代わり、国産のサービスが生活の隅々まで根付いています。
コミュニケーションはKakaoTalk一強
韓国で携帯電話を買ったら、まず最初にインストールするのが KakaoTalk(カカオトーク) です。連絡、決済、送金までこなす「生活インフラ」として機能しており、仕事仲間や友人とのやり取りはほぼKakaoTalkで行われます。インストールしていないと社会生活に支障が出るほど、圧倒的なシェアを誇っています。
検索・地図も国産サービスが主流
検索では NAVER(ネイバー) が市場を支配しています。Googleで検索することも可能ですが、ローカルの口コミやニュース、ブログなどの独自コンテンツはNAVERのほうが圧倒的に充実しています。
地図・ナビゲーションも同様で、KakaoMap(カカオマップ) や NAVER Map が日常的に使われています。Googleマップは一部機能が制限されているため、正確性と更新頻度で国産アプリに軍配が上がっています。どちらも無料で使える上、データ更新も不要なので、運転する際に専用のカーナビすら必要ありません。
ECと決済も国産サービスが席巻
EC(電子商取引)では Coupang(クーパン) が「ロケット配送(翌日配送)」を武器に国内トップシェアを獲得しています。巨大な物流倉庫を自社で持ち、大手宅配業者とも提携。決済手段も豊富で、日本のAmazonと同等かそれ以上に便利に使えます。
電子決済では KakaoPay(カカオペイ) や NAVER Pay(ネイバーペイ) が普及しており、韓国はすでにほぼ完全なキャッシュレス社会を実現しています。元々、政府がクレジットカード利用を推進してきたこともあり、現金を使う機会はほとんどありません。
なぜグローバルサービスが根付かないのか
この状況の背景には、1997年のIMF危機があります。当時、多くの企業が倒産し、失業者が溢れました。金大中大統領(当時)は「ニューディール政策」を打ち出し、失業者を雇って公的書類のデジタル化を急ピッチで進めました。
さらに、韓国には出生と同時に付与される13桁の「住民登録番号」(韓国版マイナンバー)があり、個人情報が一元管理されています。政府は国家情報保護の観点から、地図データや個人情報を海外のサーバーに持ち出すことを法律で厳しく制限してきました。
その結果、多くのITサービスが国産化し、グローバル企業が提供する機能の一部が制限される構造ができあがったのです。
通信環境も世界トップクラス
通信速度も優秀で、2020年時点で韓国のモバイル通信速度は世界1位。公共施設やカフェ、レストランでは無料Wi-Fiがほぼ完備されており、いつでも高速インターネットが使えます。
日本に一時帰国すると、普段使っているサービスを切り替える必要が出てきます。KakaoTalkをLINEに、CoupangをAmazonや楽天に、NAVERをGoogleやYahooに変更します。またクレジットカードが使えない店舗があったり、公的機関では今でも手書きの書類手続きが残っていたりと、意外と不便を感じる場面があります。
これは、長年韓国の便利でスムーズなデジタル環境に慣れてしまったからこその感覚なのでしょう。
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