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【6月1日生まれのあなたへ】今日の誕生絵本『ミリーのすてきなぼうし』

こんにちは。

毎日、今日生まれた絵本を紹介する、
誕生絵本ソムリエ」、たけゴリラです🦍

この記事は、今日6月1日にお誕生日を迎えたあなたへ、そして大切な人の特別な一日を祝いたいと思っているすべての方へ贈る、「誕生絵本」のエッセイです。



6月1日、特別な今日を迎えたあなたへ

お誕生日おめでとうございます🎂

6月1日って、なんだか不思議な日だと思いませんか。

五月の緑が一番濃くなりきったその翌日。まだ梅雨にもなっていないのに、空気の中にはもう夏の匂いが混じりはじめている。風は春のくせに、日差しだけが少し先を急いでいる。

どこにも属さない、でも、どこよりも豊かな一日。

この日に生まれた人には、そういう空気が染みついているような気がしています。白黒つけることよりも、その「あいだ」にある何かを大事にできる人。結論よりも、途中の景色を愛せる人。6月1日生まれの人たちは、どこかそういう繊細さを持っているのではないでしょうか。

今日、そんなあなたへ贈りたい一冊があります。


6月1日の誕生絵本:『ミリーのすてきなぼうし』


『ミリーのすてきなぼうし』
作・きたむらさとし
ビーエル出版
2
009年6月1日 初版

主人公は、ミリーという女の子。学校帰りに帽子屋のウィンドウで見つけた、羽飾りのついた帽子にひと目惚れします。勇気を出して店に入ると、店長さんは「マダム」と呼んで迎えてくれた。でも値段は9万9999円。財布を開けると、からっぽでした。

ここで普通の話なら、肩を落として帰るところです。

でも店長さんは、しばらく天井を見上げて、静かに考えた。そして奥から箱を持ち出し、何もない(ように見える)その中から、丁寧な手つきで「帽子」を取り出し、ミリーの頭にそっとのせたのです。

「これは特別な帽子です。想像次第で、どんな帽子にもなります」

ミリーは見えないお金を払い、見えない帽子をかぶって街に出ます。すると帽子は、クジャクになり、ケーキになり、噴水になり、花園になっていく。そしてある瞬間、ミリーは気づきます。

街を歩く人たちも全員、自分だけの帽子をかぶっていたことに。

なぜこれが6月1日の誕生絵本なのか。それは、この物語が「からっぽに見えた場所から、一番大切なものが生まれる」瞬間を描いているからです。終わりのすぐそばに、始まりがある。季節の狭間に生まれたあなたには、その逆転の美しさが、きっと骨の髄まで響くはずだと思っています。


大人になってから読むと、刺さる場所が全然違う

『ミリーのすてきなぼうし』を大人になってから読んだとき、子どもの頃とまったく違う場所で胸を打たれました。

それはミリーの帽子ではなく、店長さんの「間」でした。

からっぽの財布を見た瞬間、店長さんはすぐに動かなかった。天井を見上げて、しばらく考えた。その数秒間に、この大人がどれだけのことを思ったか。「可哀想に」でも「困ったな」でもなく、「この子をがっかりさせないために、自分に何ができるか」を、真剣に考えた。

大人がこれをできるかどうかで、子どもの世界はまったく変わる。

帰宅したミリーに、お母さんが言う言葉も素敵です。「まあ、素敵ね。ママもそんな帽子、ほしいな」。見えないものを、見えているように受け取る。子どもの想像力を、訂正せずに肯定する。たったひと言なのに、このお母さんの愛の深さが、じわじわと沁みてくる。

絵についても触れずにはいられません。きたむらさとしさんはガラスペンを砥石で削り、わざと不均一な線を作り出しています。その線で描かれたクジャクの帽子のページは、息を呑むほど鮮烈で、「見えないもの」にここまでの実在感を与えられる画家は、そうそういません。

それから、背景の通行人たちの帽子を隅々まで見てみてください。音楽家の頭にはメトロノーム、走る子の頭には機関車。何度読んでも、新しい発見がある。それがこの絵本を、長く愛される理由にしているのだと思います。


からっぽ」は、終わりじゃない

読み終えた後に残るのは、満足感よりも、何かを思い出した感覚です。

私たちは大人になるにつれ、「持っていないもの」を数えることに慣れすぎてしまいます。時間、お金、自信、才能。からっぽを確認して、欲しいものを諦める。そういう処理を、無意識に繰り返してきた。

でもこの絵本は、静かに問い返してきます。

本当に、からっぽでしたか?

ミリーの帽子は誰の目にも見えなかったけれど、街中の人の帽子を変えてしまうほどの力を持っていた。それはミリーが「もともと持っていた想像力」が形になったものでした。私たちも、同じものをどこかに持っているはずです。ただ、すっかり忘れているだけで。

6月1日生まれのあなたへ、特に伝えたいことがあります。

あなたが持つその「あいだを生きる感受性」は、決して中途半端なんかじゃない。白でも黒でもない場所で揺れながらも、そこにある微妙な色の違いを見分けられる目を持っている。それはミリーの帽子と同じで、見えにくいけれど、誰よりも豊かな財産です。

ミリーが微笑みかけると、寂しそうなおばあさんの帽子が明るく変わる場面があります。心の向け方が、周りの景色を変える。そんな真実を、説教なんてひとつもなく、ただページをめくるだけで教えてくれる。それがこの絵本の、本当の凄みだと思います。


お誕生日おめでとうございます。最後にあなたへ

改めて、6月1日生まれのあなたへ。

今日から始まる一年が、あなただけの色と形を持った帽子で彩られますように。誰かに決められた正解じゃなく、あなたが想像した通りの、自由な一年でありますように。

もし疲れてしまったときは、この本を開いてください。そして天井を見上げて、自分がかぶりたい帽子を、ゆっくり想像してみてください。その帽子は、もうあなたの頭の上にあります。


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6月1日に大切な人がいるなら、この記事をそのまま送ってみてください。言葉が見つからないときほど、絵本は代わりに語ってくれます。

「誕生絵本365」 は、365日それぞれの日に生まれた人に寄り添う絵本を届ける企画です。明日も、誰かの誕生日のために一冊を開きます。続きを読みたい方は、ぜひフォローして待っていてください🌿


また、明日の誕生絵本でお会いしましょう。


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