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夜店


夜店からジュッと音がする。

熱々の鉄板の上に、お玉から流れる白い生地が、お玉の背に伸ばされて綺麗な円をつくる。

そこに上からパラパラと削り節の粉が舞い落ちたかと思うと、長めの千切りキャベツの山盛がどっさり盛られ、更に天かす、もやしも参戦。

そこに待ってましたとばかりに、豚バラ肉が誇らしげに登場、まるで天下を取ったかのようだ。

ところが水を差すように、頭上から生地がたらたらと降り注ぐのだ。

夜店から、シャキンシャキンと音がする。

ステンレス製の大きな2枚のヘラがそれらを一気に掬い上げ、天地をひっくり返す。

「あちちち!」

肉が鉄板に焼かれてじわり油を引き出しす。

まあるい生地から溢れ出したキャベツはヘラによって集められ、元のさやに戻される。

しっかり生地の下に収まったキャベツともやしたちは、バラ肉と生地に挟まれ、しっとりと蒸される。


夜店から湯気が上がる。

茹で上がった焼きそばが鉄板の上で水分が弾け、白い蒸気が立ちこめる。

ヘラで水を切るようにまぜる。

「カシャッ、カシャッ、カシャッ」

形を整えながら、蒸し焼きにされる。


「シャン」

焼きそばの上に、蒸しあがった生地が見事に着地!

そこに待ってましたと、卵が顔を出す。

鉄板に割り落とされた、ふっくらとした黄身の上を「カッン」とヘラが入る。

卵の黄身が見る見るうちに広がる。

ヘラで卵を伸ばし、その上に重なり合う麺と生地を乗せ、頃合いを見計らってヘラでひっくり返す。

夜店から香ばしいソースの香りが漂い、鼻をくすぐる。

焼き上がった生地の上をおたふくソースのたっぷり付いた刷毛が走る。

その上を青のりが色を添える。

「カッン、カッン、カッン」

生地に切れ目が入り、テイクアウト用のパックに入れられる。


夜店から声が聞こえる。


「よお焼けとるけん、気いつけーや」

近くのベンチに腰掛け、焼きたてを頬張る。

ハフハフしながら、口いっぱいに広がるおたふくソースの味。

キャベツの甘味。

香ばしく焼き上がったそばとしっとりとした生地に、甘辛ソースが絶妙に絡み合う。

私のイチオシだ🧡

こちらの企画に参加させていただきました。 ⬇️

#シロクマ文芸部
#夜店から

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