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牧野富太郎さんに哀悼の意を込めて

こんにちは。Aki です。

先日、天国から植物学者の牧野富太郎さん(1862~1957)の声が届きました。

牧野富太郎さんは、幕末から昭和の中ごろまでの激動の時代に植物の研究を重ねてきた「日本植物学の父」と呼ばれる方です。

2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』のモデルにもなったそうですね。

全国の植物を採集・研究して、微細なところまで捉えた模写を描き、今でも改訂を重ねられている植物図鑑を手掛けました。

牧野さんは徹底した植物研究をとおして、生態系や土壌のロジックに気づいていたのか、私には植物ではなくについて語ってきました。

軽い気持ちで、どうぞお進みください。


先日、我が家の狭い庭に生い茂る雑草を抜いたり、落ちていた枯れ葉やゴミをかき集めたりして、庭の手入れをしました。

年々、手入れが雑になっていく庭を眺めて、ため息がでてしまうと、

養分が足りなさすぎて
土も草木も息苦しいのではないですか

丁寧な言葉使いで、今まで聞いたことのない声が聞こえてきました。

「足りないんですか?でも、草は生えてるし、芝生も新しい緑色がみえますけど…」

わたしの声が聞こえるんですね

「はい。緑に詳しそうですね。植物学者とかですか?」

そんなところです

声の主が気になり、庭仕事をさっさと切り上げました。

植物学者だけでは検討がつかず、ヒントをもらってネットで検索していくと、牧野富太郎さんにたどりつきました。

連続テレビ小説に触れられていたことも、ここで初めて知り、

「テレビドラマのモデルになったそうですね」

あんまり知らなんだ

「でも、視聴者さんの声が届いていたんじゃないですか?」

ふふふ(笑) そうですねぇ

わたしは本当に野山が好きでした

こんなに広々とした大空のもとで
大地に誇らしげに生き
純粋に伸びていく草が木が花が
まるで我が父と母のように
わたしを包み込んでくれた

それはあたたかくて
𠮟責されるような怖さも知った

その野山の美しさ、健気さ、厳かさ
すべてをもっともっと勉強したかった

日本に住む人たちにもっともっと伝えたかった

ただ、その思いだけで
生きていたような気がします

わたしのことを思い
遠いところからはるばる植物園や野山に
足を運んでくれる若い人たちには
感謝しつくせません

なんだか、テレビに
取り上げられたようなんですが
わたしはそんなことに全く興味はありません

いつまでもこの自然が
ずっとずっと、200年も300年も
何なら周りに誰もいなくなっても
この草木を知り、守り、共に暮らしてゆく
そういう思いで今もいます

ここには野山がありません
水がありません
空気もありません

そんなところに放り出されたような感覚が
今でもあって
ちょっと寂しくもありました

あなたが今、草木を触っているのを見て
ちょっと話しかけたくなったところに
あの… 頭髪が明るい色の男性に ふふ(笑)
背中を押されてここに来ました

いやぁ、こんな体験ができるとは思わなんだ!

しかし、わたしはもう
ここで今の気持ちを吐き出すだけで充分です

どうかどうか、この美しい故郷の風景が
永遠と続くように

もちろん近代化の素晴らしい発展にも
目を向けたくなります

それはそれで、これから日本にとっては
重要なことです

野山と近代化が
両極端に置かれるかもしれませんが
極端ではない
両端にいるものではない
ともに歩むものだというのがわたしの信念です

いつもかたわらには
自然を感じていてほしいと思います

それではまた 牧野富太郎
ありがとう

テンポよく、はきはきとした話し方でした。

***

数日後、お昼ご飯を食べながらネットサーフィンしていると、この記事が目に入りました(↓)

東京のきぬた公園に植えられているソメイヨシノが倒木したことから、倒木の原因を深掘りしたWebニュースです。

読んでいると、牧野さんが勢いよく話して聞きました。

すべての根源は土であります!

土の養分がアスファルトやコンクリート、
それから雨や空の状態によって
成分が変化して、フタをされて
痩せた土壌になる

ただそれだけです

だって呼吸ができなくなるんですから
人も土も同じなんです

人が踏み固めるなんて、まだ軽いほう

だったらどうして
巨大な岩盤に挟まれているところから
花が咲くのか
水が噴き出すのか
岩盤とアスファルトの違いは何なのか
考えてごらんなさい

土にも酸素と水がまず必要
その次に養分なのですが
この頃の気象変動で酸素にも水にも養分にも
変化が出ている
そこにフタをされた

これを人に例えるならば
雨戸が閉まり、暗くて何か匂う家の中で
濁った水と土まみれのご飯をだされたら
あなたはどうなりますか?

…お気分を害してしまいましたね
とても極端な話でごめんなさい

でも、置き換えるならそういうことです

コンクリートやアスファルトで
フタをしてしまうと
土だって痩せてしまう

復活するには何百年かかるでしょうねえ…

「何百年!それでも草は生えそうですが」

草の根っこは表面だけです

街路樹は根っこの行き場を失い
栄養不足でバランスを失い
倒木しかねない

成長が早いからとか、見映えがいいからとか
そういう話ではない

どこを向いて話をすればいいのでしょうか

街を都会的にすすめるのではなく
緑から助けてもらえばいいんです

それが適しているのは
太平洋側の東海地方から九州地方なのです

あのあたりの土壌は海から離れても
水分が含みやすくて植物には適しているのです

日本海側は硬い岩盤層が多く
また違った対策が必要です

関東は平野なので
また違った風景を作ることができる

そういうことです

わたしの心の片隅には
植物に適した人間社会を作ることも
できるのではないかと思うことが
何度もありました

海外にも素晴らしい花や草木はたくさんあります 

それらを紹介しながら
海外の草木が入ってきても
日本固有種と混じることなく
共存していく世界でした

日本の土壌は植物にとって
住みやすい楽園のようなところです

だから外来種も育ちやすい

そういうこともやってみたかったのです…

牧野さんは両手の握りこぶしに力が入り、震わせながら、急に涙をポロポロ流し始めました。

残念そうな、悔しそうな空気感です。

…しかし、こうなってしまったのですから
一つひとつ誠意と敬意をもって
固有種を守らねばなりませんね

そこはあなたたちの課題と試練です

わたしのことよりも
自然を、大地を支えてください
よく観察してください

植物は必ずサインを出しますから
それを見逃さないでください

では、ご飯を食べているときにありがとう

牧野さんが話終わるとニコッとして、斜め後ろのほうをチラッとみました。

牧野さんがおっしゃっていた「頭髪が明るい色の男性」は、ロックアーティストのhideさん(1964〜1998)でした。

hideさんは微笑みながら牧野さんに近づき、案内するように向こう側へ歩いていきました。


今回は、植物学者の牧野富太郎さんの声をお伝えしました。

謹んで、牧野富太郎さんに哀悼の意を表します。

お読みくださり、ありがとうございました。








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Aki  / 姿のない声を言葉に整える人 お読みくださり、ありがとうございます。