本棚に隠されたメッセージ ― 22/7の文脈と橘茉奈のめぐりあい
22/7(ナナニジ)に合流した3期生たちは、グループの積み上げてきた歴史に新たな光を当てている。彼女たちの登場を告げる紹介ショート動画には、単なる自己紹介を超えた「メタフォリカルな演出」が施されており、ファンの想像力を強く刺激する。
なかでも橘茉奈の演出は、他メンバーが示した「過去との決別」とは一線を画す、知性とユーモアを湛えたものだった。本稿では、彼女が手にした「本」という象徴から、ナナニジの文脈における橘茉奈の特異性を考察したい。
橘茉奈が手にしたもの:本棚と本
3期生の紹介ショート動画
22/7 3期生で橘茉奈はユーモアのあるメンバーだと思う。新加入で3期生を紹介するショート動画は興味深い。
他のメンバーは、これまでのものを壊す過去との決別を表すような演出が行われている。例えば、吉沢珠璃は覆われていた紙を破り新しい世界へと足を踏み入れる。南伊織は前髪を切ってアイドルとしての素顔を見せている。詳細な説明は次の記事に載せている。
一方、橘茉奈はこれまでのものを壊し過去との決別を表したものではなく、新しいものを発見し、アイドルの世界に飛び込もうとする様子が演出されている。
橘茉奈が手にするのは、本棚にある本である。本棚から本を手にとり、文字のない白紙の本をめくる。それは、かつて滝川みうが手にした「11人が集まった理由」という物語を、今度は自分たちの手で書き記していくという決意の現れだろうか。

本が物語るもの
橘茉奈が手にとったものを本としたことは、興味深い。本とナナニジの関係を考えると、1stシングル「僕は存在していなかった」で、滝川みうが手に持っていた本「11人が集まった理由」を思い出す。また、『後でわかること』のアー写のロケ地が角川武蔵野ミュージアム本棚劇場だった。

滝川みう(西條和)が手にした本
1stシングル「僕は存在していなかった」のミュージックビデオでは、滝川みうが手にしていた本『11人が集まった理由』が表れる。橘茉奈が本を手にしていることは、これから始まる8人の3期生によるストーリーを描き出そうとしているものかと想像を湧き立たせてくれる。

河瀬詩が手にした本
12thシングル「後でわかること」、角川武蔵野ミュージアム本棚劇場での写真は印象的である。22/7のCDのカバーはほぼすべてアニメキャラクターによって描かれているが、唯一「後でわかること」はメンバーのアー写が裏表紙になっている珍しいものとなっている。10人のナナニジメンバーの中唯一河瀬詩が本を開いているのも面白い。

橘茉奈の小説風日記
小説風日記とショート動画の本
22/7の冠番組「計算外」で橘茉奈は、自己紹介で、小説風日記を趣味にあげていた。小説風日記とは、日記は長続きしないから、小説風に日記を書き込んでいるとの話だった。この小説風日記が趣味と言うことから、橘茉奈はショート動画で本棚で本を手にとることになったのかなと思わせてくれる。

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橘茉奈の字から思い出す白沢かなえの字
橘茉奈の文字、流れるように書き込んでいて、意外と綺麗だと思う。この字を見た時に、ふと思い出すものがあった。『風は吹いてるか?』のミュージックビデオの曲名の文字である。

『風は吹いてるか?』の文字は、白沢かなえによるものだったという記憶があるが、しっかりとした記録が見当たらないし、思い出せない。間違えていなければ、橘茉奈の字は、かなえるのような、綺麗な走り書きの文字だなと思う。


そのうち、ミュージックビデオの曲名を橘茉奈が描くときが来るかもしれない。
おわりに
白紙の本から始まった彼女の物語は、自らの手で書き記す「小説風日記」という日常の延長線上に置かれるのかもしれない。かつて先輩たちが背負った「物語」を継承しつつも、自らの流麗な筆致で新しいページを埋めていく彼女の姿は、実に頼もしい。白沢かなえが描いたような美しい文字が、いつか楽曲のタイトルとして画面を彩る日は来るだろうか。知的なユーモアを武器に、橘茉奈という表現者がナナニジの歴史にどんな「後書き」を加えていくのか、期待に胸が膨らむ。
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