「今に満足してもいいのか」と揺れるとき
「今を幸せだと思えば、その瞬間から幸せになれる」
そんな言葉をよく目にする。
たしかにそれは正しいのかもしれない。
“幸せ”は心の感じ方次第だし、脳内物質――たとえばオキシトシンの分泌などで、実際に人は“幸せを感じる”と言われている。
でも、そう思えないときもある。
「もっとよくなりたい」
「今のままじゃ、まだ足りない」
そんな気持ちがあるとき、「いまが幸せだ」と無理に思おうとすると、どこかモヤモヤする。
実際、心はまだそっちを向いていないのに、頭だけで「これが幸せ」と唱えても、うまくかみ合わない。
私はときどき、こういうふうに揺れる。
今は今で、幸せだ。
穏やかで、問題も大きくはなく、ありがたい日々。
でも、だからといって「このままずっとこれでいい」と思えるかというと、そうでもない。
毎日が同じリズムで進んでいくと、飽きてしまう。
何かを変えたい。もっと成長したい。刺激がほしい。
そんなふうに思ってしまう。
きっと私は、満たされた状態だけでは落ち着かないのだ。
穏やかさを求めながらも、同じ景色が続くと飽きてしまう。
平和を望みながらも、動いていたい。矛盾しているようで、どちらも本音だ。
よく「今に満足すると成長が止まる」と言われるけれど、それもたしかにあると思う。
常に何かを求め、上を目指すことでしか自分を保てないような瞬間もある。
でも、だからといって「ずっと満たされないままでいよう」とは思わない。
それも苦しい。
だから、きっと大事なのはバランスだ。
“いまを味わう”ことと、“未来に向かう”こと。
その両方を持っていていいんだと思う。
「変化したい」と願う気持ちがあるときは、その声をちゃんと聞けばいい。
「ありがたい」と感じる瞬間があるなら、その感覚を深く味わえばいい。
そのときどきで、自分の感情に正直に、向き合えばいい。
今が幸せだと感じることと、
もっとよくなりたいと願うことは、両立していい。
どちらかを選ばなければならない、という話じゃない。
揺れながら、歩けばいい。
あなたが「満たされている」と感じるとき、それはどんな瞬間ですか?
「もっと変わりたい」と思うとき、そこにどんな願いがありますか?
読んでくださってありがとうございます。まわりの声ではなく、自分の輪郭に耳を澄ます時間への小さな合図のようなものとして届いていたなら、うれしいです。
