定例読書報告(第13報)20251116
(1) 読書進捗状況
あらゆることは今起こる(柴崎友香/医学書院/2024):291/291(100%)(+15%)(2025/11/02読了)
批評の教室(北村紗衣/ちくま新書/2021):225/225(100%)(+100%)(2025/11/03読了)
掃除婦のための手引き書 ―ルシア・ベルリン作品集(ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳/講談社文庫/2022):367/367(100%)(+46%)(2025/11/08読了)
葛飾北斎伝(飯島虚心著、鈴木重三校注/岩波文庫/1999):418/418(100%)(+100%)(2025/11/09読了)
ひらがなの世界 ―文字が生む美意識(石川九楊/岩波新書/2024):164/225(73%)(+73%)
悪魔が来りて笛を吹く(横溝正史/角川文庫/2023):326/472(69%)(+69%)
ミステリな建築 建築なミステリ(篠田真由美(文)、長沖充(イラスト)/エクスナレッジ/2024):127/222(57%)(+11%)
伝奇集(J・L・ボルヘス著、鼓直訳/岩波文庫/1993):160/282(57%)(+8%)
昭和歌謡イイネ!(横山剣/小学館/2025):137/285(48%)(+14%)
シモーヌ・ヴェイユ まっすぐに生きる勇気(シモーヌ・ヴェイユ著、鈴木順子編訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2025):78/181(43%)(+43%)
あかあかや月 明恵上人伝(梓澤要/新潮文庫/2025):127/344(37%)(+37%)
※数字部分は、
読了ページ数/総ページ数(全体進捗%)(+前回からの進捗%)
(2) 所感
・「あらゆることは今起こる」読了。ADHDと診断された小説家の体験談、経験談。この本に書かれるような状況のいくつかは私にもよく解る。私にとっても“あるある”として受け入れられたのだが、ところどころ気になる箇所もあり。そのうちの一か所をあげると…。
マルチタスクになりがちで、かつ、それが苦手で、いろいろなことが同時に脳内を行き来してパニックになりフリーズする(が、他人の目には冷静と見られるっぽい)といった状況になる筆者が、「人に会ったり出かけたりする用事はできるだけ一日にまとめるように」している(p.237)。…って、何故? 苦手だと自覚しているなら、マルチタスクを回避すること、一日のうちに予定を詰め込まないようにすればよいのでは? そんな違和感。
この本の内容を“あるある”として認識できた私にADHD要素があるのか、小説家である筆者の描写力が“あるある”と感じさせただけなのかは不明。ちなみに、私はプライベートでは、一日に入れる予定は極力一つにし、目的地への移動は1時間前~30分前に到着するつもりで行動するようにしている(仕事だと、ヒラ社員の私にはスケジュールの裁量権があまりないのでそうもいかないが)。これは、私が心配性、かつ、いわゆる「コミュ障」であるが故であって(「道に迷った」「事故で電車が止まった」等のトラブルがあっても、見知らぬ他人に道を尋ねたり、先方に「遅れます」の電話連絡したりしないで済むように、十分すぎる余裕を持たせておくため)、それは大層な障害なんかではないと信じている。
・「批評の教室」読了。「批評」という文章を書くための方法論。私のように批評しない者には無縁ではある。無縁であるし、読後には、本書に書かれた「批評」家の姿勢に対して「労多くして功少なし」とも感じた。
第4章に実践編として、それまでに語られた批評家の姿勢やテクニックを踏まえ、筆者と筆者の指導学生が書いた「批評」と、その「批評」について行った二人の議論とが掲載されているけれども…。精読だとか、分析だとか、書くためにウナギを捕まえたり(p.143~)だとか、そうまでして頑張って出来上がった作品である「批評」が、(批評の門外漢、批評の素人である)私の目には「この程度のものかぁ」と映り、「これで芸術?」とも思った(p.132あたりに「芸術家としての批評家」云々の話がある)。恐らくは、私は今後も批評はしないのだろうな(この投稿も「感想」だけでいっぱいいっぱい。精読・分析なんてとてもとても…)。
・「掃除婦のための手引き書」読了。オートフィクション(自伝的小説)の連作短編または掌編小説集(一番短い「わたしの騎手」は2ページと4行)。どれも、自身の家族のことや、職業遍歴や、アルコール依存や、肺がんで死期の迫る妹を看取った経験など、重苦しい実体験をベースにしながらも、文章は軽妙な印象。また、話の終わらせ方がどれも秀逸。p.34の「大っきらいよ」とか、p.147の「コリント!」とか…これだけを読んでも何のことやら判らないけれど、良い。
・「葛飾北斎伝」読了。先日、映画「おーい、応為」を見て、気になることがあって原作に手を出した(もう一つの原作「百日紅」(杉浦日向子/ちくま文庫)上下巻も買って読んだが、こちらは漫画なので本報告の対象外)。11月に入って、この本を読書の第一優先としたが、それは「映画むりくり短歌」次回投稿はこの映画になると思われたから。なので、映画と原作漫画と併せて「映画むりくり短歌」で触れるだろうということで、感想は略。
・「ミステリな建築 建築なミステリ」が後半に入り、ミステリー小説の中の建築を扱うようになって、そこで扱われた「悪魔が来りて笛を吹く」に手を出してしまった。建物の見取り図イラストが描かれたページを横目に小説を併読するのは面白いが、本来の「ミステリな建築 建築なミステリ」の読書進捗が進まない…。この進め方でこの後に取り扱われる他のミステリー小説にも手を出すかどうかは未定。
以上、報告終り。
※今回読了した本のリンクを以下に貼り付けておく。
