接客が伸びない美容師は「自分の話」をしすぎている。会話の主語を相手に渡す技術とは?
※この記事は、毎週月曜朝7時配信の美容師ポッドキャスト『キヌとバナでやらせてもろてますぅ〜』の配信内容をもとに作成しています。
「一生懸命話しかけているのに、なぜか会話が盛り上がらない」
「接客を頑張っているつもりなのに、指名やリピートになかなかつながらない」
そんな悩みを抱えている美容師やアシスタントの方は少なくないとじゃないでしょうか?
結論から言うと、接客が空回りしてしまう最大の原因は 「自分の話をしすぎていること」 にあると僕は思います!!
今回は、ポッドキャストでも話した「接客が伸び悩む人が無意識にやってしまっているNGパターン」と「選ばれる美容師になるための質問力・会話のリズム」についてまとめたので、テキストでどうぞ!
耳で聞きたい方はpodcast聞いてもらえるとめっちゃありがたいです。
1. サッカーで言えば「ボールを持ちすぎているドリブラー」
アシスタントや後輩の接客あるあるなのが、「接客しているつもりが、いつの間にかお客さんに接客させてしまっている」 パターン。
たとえば、こんな会話に心当たりはありませんか?
お客さん:「今日、渋谷で買い物してきたんですよ」
美容師:「あ、渋谷ですか!私も昨日行きました!丸井でセールやっててめっちゃ安くて〜」
お客さん:「へぇ、そうなんですね……(聞き役に回る)」
これは極端な例に見えて、現場では日常茶飯事です。沖縄旅行の話でも「私、毎年行ってて詳しいんですよ!」と上から被せてしまったり。
自分を知ってもらうことは大切ですが、会話の主語を自分(「私」)にしてボールを持ち続けてしまうと、お客さんは話す気をなくしてしまいます。
目指すべきは、「お客さんが気持ちよくシュートを決められるような、絶妙なアシストパスを出すこと」 知らんけど、多分そう。
2. 「話したい美容師」は誰ともマッチングしない
以前、SNSで「美容室で話したいか/話したくないか」というアンケートをとったことがあります。結果は綺麗に分かれました。
話したいお客さん: 自分の話を聞いてほしい
話したくないお客さん: 静かに過ごしたい
ここで「話したい美容師」が「自分の話をしたいスタンス」でいるとどうなるでしょうか。
話したいお客さん × 自分の話をしたい美容師 = お互いに自分の話をしたいから噛み合わない
話したくないお客さん × 自分の話をしたい美容師 = シンプルに迷惑
つまり、「自分の話をしたがる美容師」は誰ともマッチングしない 。
そもそも会話が上手い美容師とは、ペラペラ喋る人ではなく「相手の話を気持ちよく引き出せる(聞き役に徹することができる)人」に他なりません。
3. 会話力とは「質問力」。答えを広げるパスの出し方
では、具体的にどうやって相手の話を引き出すのか。僕らが考える。ポイントは 質問の設計 です。
① Yes/Noで終わる「決め打ち質問」を避ける
関係性がまだ浅い状態で、
「〇〇はお好きなんですか?」
と聞いてしまうと、「あ、別にそうでもないです…」となった瞬間に会話が終了し、気まずい空気が流れます。
「普段はどういったものを選ばれることが多いですか?」のように、相手が自由に答えを広げられるオープンな質問 を投げかけるのが基本。
② どちらに転んでも拾える準備をしておく
たとえば、スマホケースにお気に入りのキャラクターがついているのを見かけたとき。
「そのキャラクター好きなんですか?」と投げるのも良いですが、仮に「いえ、家族にもらっただけで…」と返ってきても、
「そうなんですね!ご家族からのプレゼントなんですか?」と次に繋げる準備を持っておくこと。
イエスでもノーでも話を拾える自信があれば、質問のプレッシャーはグッと減ります。
4. 空気を読む「ジャブ」と「テンポ(無言の心地よさ)」
会話の上手さは、喋り続けることではありません。「引く技術」 も同じくらい重要です。
まずは軽くジャブを打つ
お客さんの表情や仕草(スマホを置いたタイミング、ちょっと手持ち無沙汰そうな瞬間など)を見て、一言だけ声をかけてみる。ラリーが続かなければスパーンと業務会話に切り替える
「ちょっと下向いてくださいね」「お薬塗っていきますね」と自然に切り替え、「無言でもまったく気まずくない空気」を作る。
無理に盛り上げようとしてフェードアウトするくらいなら、テンポよく引いてリラックスできる空間を提供する。このオン・オフの切り替えができるのもプロの接客です。
おわりに
相手の仕草やサインを観察し、主語を相手に渡して、気持ちよく話せるパスを出す。
接客や会話はセンスと思われがちですが、意識と日々の練習(質問の工夫)で磨いていけるひとつの「技術」です。
「最近、接客が空回りしているかも」と感じている方は、ぜひ明日のサロンワークから 「会話の主語を相手にすること」 を意識してみてください!
▼ 元の音声・動画はこちらから聴けます

