見出し画像

テレワークゆり物語 (51) ブラックアウトとテレワーク

「さすがに停電になると、テレワークはできないでしょう?」

災害時、事業を継続するためにテレワークは、間違いなく役立つ。たとえ交通網がストップしても、自宅から災害対応指示を出したり、社員が業務を継続することができる。

しかし、災害による停電で、パソコンやインターネットが使え無くなれば、業務継続は難しい。

このことを指摘されると、返答に行き詰った。3年前の今日までは。

2018年9月6日(木)3時7分、北海道胆振東部を最大震度7の地震が襲った。その日、私は仕事で東京に出張していた。震源地である厚真町は、仕事で何度かお邪魔したことがある。お世話になった人たちの顔が浮かぶ。心配が頂点に達する頃、「北海道全域が停電」であることを知る。

同じ北海道とはいえ、私のオフィスのある北見市からは直線距離でも200km。震度3のため、地震の被害はなかったが、災害というのは、人の想像を超えて襲ってくる。

6時13分、社内の業務連絡ツールで、全社員(北海道・東京・奈良)に、地震発生と大停電の連絡と、北海道の「自宅待機」の指示を出した。

画像1

停電なのに、なぜ北海道の社員に届いたか。
日頃から、社員全員、業務連絡ツールを自身のスマホで確認できるようにしていたからだ。

その後、スマホのバッテリーや携帯電波に最大の配慮をしつつ、最小限の情報を共有していく。8:26には、正式に自宅待機指示を出す。「休日扱いとしない」等、会社の姿勢をきっちり伝えることで社員は安心して家族のことをみることができる。

画像2

北見オフィスにかかってきた電話を奈良オフィスに転送する設定等を行い、通常業務ができる地域の社員が、メールや電話に対応、通常は北見で実施していた業務を実施してくれた。札幌のホテルから「停電でホームページのサーバーがダウンした。お客様に状況を伝えるためにFacebookページを更新してほしい」という依頼にも迅速に対応した。

画像3

その日の停電は続き、翌7日金曜午後、ようやく通電が再開し始めた。しかし、一斉ではない。同じ市内でも、復旧の時間は異なる。
電気が復活した社員から「在宅勤務」を開始。夕方には、通常業務に戻ることができた。
ちなみに、多くの企業が、この日は休業となり、週末をはさんで、業務を再開できたのは、翌10日の月曜であった。

この経験から、

災害時に停電になっても、テレワークは事業継続対策として有効である。

そう確信した。

しかし、そのメリット享受するためには、以下の3つのことを意識したテレワークの環境、ルール、体制作りが望まれる。

■緊急連絡だけでなく、業務連絡をオンライン化して、緊急時にもスマホ等で確認、最小限の指示ができる体制を整える

■拠点を地域的に分散し、どの拠点からでも、重要業務を継続できるよう、情報のクラウド化・共有体制を整える

■突然であっても、テレワーク(在宅勤務)ができるようにする。災害時に「会社に行かないとテレワーク用PCが借りられない」なんて、もってのほかである

とはいえ、災害は、忘れた頃にやってくる。

北海道胆振東部地震の発生から3年めの今日、被害にあわれた方に心を馳せつつ、どうしてもこの記事を書きたくなった。

そして、コロナ禍でテレワークを実施する企業が増えた中、

「災害時の避難訓練」に加え、「災害時のテレワーク訓練」の必要性を訴えていきたいと思う。

※冒頭の写真は、地震発生の当日、すべての明かりが消えた北見市から見えた「天の川」。大変な思いをしている人たちを励ましてくれた。

上記は、発生から5日後に書いたJBpressの記事。詳しく説明しています

いいなと思ったら応援しよう!