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KSK2移行でe-Taxが一時停止


2026年9月24日、国税システムがKSK2へ更改されます。

これに伴い、e-Taxは、
9月19日(土)0時から 9月24日(木)8時30分まで
利用できなくなります。

さらに、
9月26日(土)0時から24時まで
も利用できません。

日程を見ると、ちょうどシルバーウィークに重なる形です。
土日・祝日を多く含み、しかも月末ではありません。

利用者への影響をできるだけ小さくするため、この時期に設定されたのだと思われます。

確かに、通常の法人税や消費税の申告だけを考えれば、大きな影響は出にくいように見えます。

でも、
「シルバーウィークに当てたから大丈夫」
それだけで本当に大丈夫なのでしょうか。

■ 税務の期限は「月末」だけではない

法人税や消費税の申告期限は月末になることが多いため、
「9月24日に再開するなら問題ない」
と考えがちです。

実際、通常の顧問先の多くについては、大きな影響はないと思います。
ただし、税務の期限は月末だけではありません。

たとえば、新規開業後の青色申告承認申請。個人が1月16日以後に事業を開始した場合は、原則として事業開始の日から2か月以内が提出期限です。

法人の設立初年度についても、設立日などを基準に期限が決まります。

相続税の申告期限も月末固定ではありません。
原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

準確定申告も、原則として相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。

つまり、
・新規開業 ・法人設立 ・相続税申告 ・準確定申告 ・その他、
個別の日を基準として期限が決まる申請や届出
については、
「月末ではないから大丈夫」
とは言い切れません。

影響を受ける方は限定的かもしれません。
しかし、該当する方にとっては重要です。

■ 問題は「止まる期間」だけではない

今回、気になるのは、
「e-Taxが止まる」
という事実だけではありません。

現時点では、この停止期間に電子申告等ができないことで不利益が生じた場合について、
「一律に期限を延長する」
といった取扱いは公表されていません。

もちろん、KSK2本体に大規模な障害が発生し、多数の利用者が電子申告できないような事態になれば、何らかの対応が行われる可能性はあるでしょう。

ただし、それは現時点では分かりません。
「大きなトラブルになれば、何とかしてくれるだろう」
という前提で期限管理をするのは危険です。

■ KSK2本体が正常でも安心とは限らない

もう一つ考えておきたいのが、
「どこで不具合が起きるのか」
という問題です。

税理士事務所の多くは、国税庁のe-Taxソフトへ直接入力しているわけではありません。
普段使用している税務システムで申告書を作成し、そこからe-Taxへ接続して電子申告を行っています。

そのため、
「KSK2そのものは正常に稼働している」
にもかかわらず、
「使用している税務システムからは正常に送信できない」
ということも考えられます。

KSK2本体に大きな障害が発生すれば、国税庁側で何らかの対応が行われる可能性があります。

一方で、特定の税務システムや接続部分だけで発生した不具合についてまで、同じような救済措置が行われるとは限りません。

少なくとも、
「送信できなければ、あとで何とかしてもらえるだろう」
とは考えない方がよさそうです。

■ では、いつ提出するのか

実務上の選択肢は大きく二つです。

一つは、
停止期間に入る前に、提出できる申告・申請・届出を済ませておく。

もう一つは、
9月24日の再開後、早い段階で実際に電子申告を試してみる。

期限が近いものについては、前者が一番安全でしょう。

ただ、新規顧客など、停止期間直前に依頼を受けるケースもあります。
その場合は、再開後に電子申告を試すことになります。

ここにも少し気になる点があります。
おそらく、多くの税理士や会計事務所が同じように、
「9月24日に一度送信してみよう」
と考える可能性があります。

実際にアクセスが集中するか、接続しにくくなるかは分かりません。

ただ、
「24日に出せば大丈夫」
と期限ぎりぎりの案件を残すより、再開後なるべく早い段階で一度試しておく方が安全です。

■ 送信できなかったら紙提出も選択肢

再開後に送信を試して、

  • 税務システムから送信できない。

  • エラーが出る。

  • 受信通知まで正常に返ってこない。

そのような状態になった場合、
「そのうち復旧するだろう」
と期限ぎりぎりまで待つのは避けたいところです。

難しければ、紙提出へ切り替える。

その判断も必要になります。

大切なのは、
「電子申告で提出すること」
ではありません。
「期限内に確実に提出すること」
です。

■ 紙で出すなら、到達が確認できる方法を

紙提出に切り替える場合にも注意が必要です。

申告書や申請書、届出書は信書に該当します。

郵送するのであれば、できれば普通郵便だけでなく、
「どこまで届いているか確認できる方法」
を選んだ方がよいと思います。

たとえば、レターパックなどです。
レターパックは信書を送ることができ、追跡番号によって配達状況を確認できます。

これによって、
「発送した」
だけでなく、
「相手方まで到達した」
ことも確認できます。

ただし、
「到達日を確認すること」

「税務上の提出日がいつになるか」
は別の問題です。

追跡できる方法を利用する目的は、
「確かに相手方へ届いたことを確認するため」
と考えた方がよいでしょう。

■ 送付書を付けて「何を送ったか」を残す

紙で提出する場合には、送付書を付けておく方法も有効です。

送付書には、

  • 申告書

  • 申請書

  • 届出書

  • 添付書類

  • それぞれの部数

など、同封した書類を一覧で記載しておきます。

そして、その送付書自体も控えを残しておく。
これによって、
「何を、何部送ったのか」
を後から確認しやすくなります。

■ 「いつ送ったか」「いつ届いたか」「何を送ったか」

さらに重要なのが、提出記録です。

2025年1月以降、税務署では紙で提出した申告書等の控えに、原則として収受日付印を押していません。

そのため、
・提出書類の控えを残す ・送付書の控えを残す ・発送日を記録する ・追跡番号を保存する ・配達完了を確認する
といった対応をしておいた方がよいでしょう。

ただし、追跡記録だけでは、
「その郵便物が届いた」
ことしか分かりません。
その中に何を入れたのかまでは分かりません。

そこで、

  • 提出書類一式をPDFで保存する。

  • 印刷した書類を並べて写真に撮る。

  • 送付書と一緒に、封をする前の内容物を写真に残す。

できれば、

  1. 何を提出したのか

  2. いつ発送したのか

  3. いつ到達したのか

この3つを、後から確認できる状態にしておく。

紙提出に切り替えるのであれば、ここまでしておいた方が安全だと思います。

■ シルバーウィークに当てた。それだけで十分か

今回の日程は、利用者への影響をできるだけ小さくするという意味では、よく考えられた設定なのだと思います。

シルバーウィーク。
月末ではない。
通常の顧問先への影響も限定的。

ただ、
それだけで「大丈夫」と考えてよいのでしょうか。

税務の期限は月末だけではありません。
KSK2本体が正常に動いても、税務システムとの接続部分で不具合が起きる可能性もあります。
再開直後に利用が集中する可能性もあります。

そして現時点では、今回の停止に伴う一律の救済措置が公表されているわけでもありません。

だからこそ、一番確実なのは、
「停止期間に入る前に、提出できる申告・申請・届出は済ませておく」
ことだと思います。

停止期間前に提出できない事情がある場合には、
9月24日の再開後、できるだけ早く電子申告を試す。

正常に送信できなければ、期限ぎりぎりまで待たずに紙提出への切り替えを検討する。

紙で送るなら、できれば追跡できる方法を利用する。
送付書を付けて、何を送ったのかを一覧化する。
そして、
「いつ送ったか」 「いつ届いたか」 「何を送ったか」
まで記録に残しておく。

ただし、これはあくまで次善策です。

一番安全なのは、
「システムが止まる前に、出せるものは出しておく」
こと。
KSK2への移行で何が起きるかを予想するより、
起きても困らない状態にしておく。
今回のシステム更改では、その考え方が一番大切なのではないでしょうか。

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