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なぜ、日本三大夜景は美しいのか?

結論

  • 展望台として最適な標高の山がある。

  • 都市と山が近い。

  • 独特の地形をもっている。


8月11日は山の日

2024年の山の日は、山形県にある山寺について話しました。

2025年は、山から見える日本三大夜景について話します。

日本三大夜景

日本三大夜景は、函館市の函館山、神戸市の摩耶山、長崎県の稲佐山から見える夜景を指します。

日本三大夜景の共通点

  • 展望台としてちょうどいい高さの山。

  • 市街地と山が近い

  • 独特の地形をもっている

展望台として、ちょうどいい高さの山

夜景の美しさは高さが大切です。低すぎると全体を見渡すことができません。高すぎると、お弁当箱のように、灯りがギチギチに詰められすぎます。標高が高いほど、霧がかかりやすくなります。飛行機から見ると、地図を観ているみたいです。

函館山、稲佐山は東京タワーほどの高さ、摩耶山は、東京スカイツリーを超える高さです。

市街地と山が近い

道路など、街の明かりと暗闇の絶妙なバランスも重要に感じられます。市街地との距離感も大切です。眼下に市街地が広がるような景色は宝石箱に例えられます。
市街地から近く山があり、海との距離も近く、平地部が狭いです。海岸線が額縁のような役割を果たします。

独特の地形を持っている

日本三大夜景の都市は、それぞれ、独特な地形をもちます。

  • 函館市→トンボロと呼ばれる地形に市街地があり、函館山は陸繋島です。

  • 神戸市→市街地と山が迫っており、大阪湾、神戸港の海岸線の美しさが際立っています。

  • 長崎市→リアス式海岸により、海岸線が複雑で美しさお感じられます。

函館山(函館市、標高334m)

トンボロの曲線美が額縁になる。

函館山は元々、島でした。日本海側の対馬海流が津軽海峡へ流れ込みます。北海道の沿岸にそって、海流が河口の砂を運びながら流れます。6000年前、函館山と北海道の間に砂が堆積して砂州が形成されました。約3000年かけて函館山と北海道が繋がり、トンボロという地形が誕生しました。三保の松原、江の島、フランスのモンサンミッシェルと同じ地形です。

函館山から登って見ると、西側が函館港、東側が津軽海峡です。トンボロはくびれの美しさが感じられます。

軍事基地から展望台へ変わった函館山

函館山は噴火により、溶岩が隆起して誕生しました。

函館山は、明治政府によって津軽海峡の防衛のため、要塞化されました。敵を発見しやすくするため、山頂、尾根を削って周りを一望できるようにしました。5ヶ所の砲台、堡塁が造られました。終戦まで軍事機密のため、地図にも消され、立ち入り禁止されていました。

戦後、一般開放され、観光地化されました。1957年、週刊読売が企画した「新日本百景」で読者投票1位に選ばれたことがきっかけで、人気になりました。

混雑を避けるために日没直後を狙いました。夕焼けのオレンジ色から徐々に暗くなるイメージでした。しかし、混雑を警戒した結果、日没時間より早く着きすいてしまい、夜景まで観られませんでした。

大火を二度と起こさないために町が整備された。

函館山のトンボロは、全長3km、埋立地を除くと幅600mあります。満潮時でもトンボロ部分が沈みません。函館は、開国により、北海道で最も早く発展しました。函館山の麓からトンボロ上に市街地を伸ばしました。函館市街地は元々、狭い街路、密集した木造住宅地でした。たびたび大火を起こしました。急速な都市化により、道路が狭かったことや、木造建築が建ち並んでいたため、1934年には、トンボロ部分は3分の2ほどの建物が焼けました。二度と同じ被害を出さないため、区画整備により、道幅を広くしました。公共施設の不燃化、防火帯、避難広場を兼ねた回天の整備もしました。様々なデザインをした電灯もつけられました。

混雑回避のため日没より1時間早く到着したため、夜景は観られず…

摩耶山(神戸市、標高702m)

大阪湾の地殻変動によって生まれた。

神戸市は、平地のすぐ裏に六甲山地が存在します。六甲山地は、六甲山(標高931m)を最高峰とし、宝塚市から神戸市東部へ30kmほど東西にのびた山脈です。六甲山地は100万年前、低い丘でした。東西から圧力が加わり、大阪湾沿岸の海底が隆起、沖合は沈降しました。丘を押し上げて六甲山地が形成されました。住吉川、新湊川など六甲山地を源とする川がつくる扇状地、ポートアイランド、六甲アイランド、神戸空港など埋立地も広がります。

摩耶山掬星台から眺める夜景が有名。

六甲山地のひとつ、摩耶山にある展望台「掬星台」から眺めた夜景が日本三大夜景のひとつとされています。掬星台は、足元が崖になっており、真下に市街地が見下ろせます。展望台の夜景から、「星がすくえるほど美しい」という表現が由来です。

ハーバーランド、メリケンパークなどが創り出す神戸の港町の風景、大阪湾の美しい孤状が浮かび上がります。

なぜ、「100万ドルの夜景」と言われるのか?

1953年、六甲山から見える大阪、尼崎、芦屋、神戸市の4市の電灯の数を調べ、1ヶ月で発生する電気代をドル換算(1ドル360円)すると、100万ドルくらいになったためです。

稲佐山(長崎市、標高333m)

長崎市は自転車が通用しないほど急坂が多い。

長崎市は、坂の街と呼ばれるほど、急坂が多くあります。中心市街地は平地にあるものの、約40万人もの人口を支えられるほどの土地がなく、坂の上にも住宅地が建てられています。急勾配が目立つため、自転車が役に立ちません。狭い道には、原付バイクが活躍します。階段、スロープも整備されています。

リアス式海岸によって額縁が創られた。

長崎市はリアス式海岸です。リアス式海岸は、山々だった場所が温暖化による海面上昇または地盤が沈みこむことによりできます。長崎県全体が入江や岬が複雑に入り込んだリアス式海岸が発達しました。

長崎市に面している長崎湾は、浦上川の流れによって、開けています。東向きに長崎港が眺められるように立つと、西から東へ、開けるように鋭角的に風景を切り取ることができます。

目の前に広がる長崎湾の夜景

今回は、地形の観点から、日本三大夜景の魅力について語りました。どの夜景スポットも、ロープウェイがありますので、気軽に景色を楽しんではいかがでしょうか?

参考文献

  • 河合敦,(2022),北海道の教科書,JTBパブリッシング

  • 河合敦,(2023),兵庫の教科書,JTBパブリッシング

  • 竹村公太郎,(2022),眺めるだけで教養が高まる!日本の地形を見るだけノート,宝島社

  • NHK,(2015年05月13日放映),「函館の夜景 ~函館の夜景はなぜ美しい?~」,『ブラタモリ』

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