見出し画像

夫はなみすけ、妻はナミー。 ―― 兄妹になってしまった夫婦の、杉並散歩

杉並には、なみすけがいる。

そして、その妹にナミーがいる。

ナミー と なみすけ

なみすけは、杉の木の妖精。
好奇心旺盛で、ほがらか。

趣味は、

「さんぽ、人間かんさつ」。

特技は、

「背中のひれで空気をきれいにすること」。

なかなか奥深いキャラクターである。

そしてナミー。

なみすけの妹。
黄色い身体に、頭には可愛い花。

お兄ちゃんが大好きな、5歳の妹である。

なみすけ
ナミー

さて。

そんな二人の前で、私たち夫婦が記念写真を撮った。

そこで、ふと思った。

せっかくだから――

私が、なみすけ。
妻が、ナミー。

ということにしてしまおう。

緑のなみすけの隣に、黄色いナミー。

なんとなく、似合っている。

いや、よく考えてみれば大変なことである。

夫婦なのに、兄妹になってしまった。

しかも、妻は5歳の妹。

これは家庭内の戸籍関係が、かなり複雑になる。

……もちろん、冗談である。

キャラクターの世界では、夫婦も兄妹もない。

あるのは、

「一緒にいると、ちょっと楽しい」

ということだけだ。



それにしても、なみすけの「人間かんさつ」という趣味には、妙に惹かれる。

長く生きていると、人間というものは実に面白い。

他人を観察しているつもりが、

いつの間にか、

自分自身を観察している。

若いころには気づかなかったことに気づき、
昔なら腹を立てたことを、今では笑って眺める。

人生とは、案外、

「自分という人間を、長い時間をかけて観察する旅」

なのかもしれない。

そう考えると、

なみすけの

「さんぽ、人間かんさつ」

という趣味は、

なかなか哲学的である。



そしてもう一つ、気に入ったのが、

「おいしい空気」

という言葉。

空気は無料である。

けれど、

おいしい空気は、どこにでもあるわけではない。

杉並の街を歩き、
木々の間を抜け、
ふと立ち止まって深呼吸する。

それだけで、

「ああ、今日はいい日だったな」

と思えることがある。

なみすけの特技は、

背中のひれで空気をきれいにすること。

私たち人間にも、何か一つくらい、

「自分がいることで、周りの空気が少しよくなる」

ような特技があればいい。

そんなことを思った。



写真を見る。

左に、なみすけ。

右に、ナミー。

その間に、

なみすけになった私と、
ナミーになった妻。

兄と妹。

……ではなく、

夫と妻。

いや、

やっぱり今日は、

なみすけとナミー。

それくらいの遊び心を持って、

これからも夫婦で歩いていこう。

杉並の街を。

おいしい空気を吸いながら。

そして時々、

人間かんさつをしながら。



夫はなみすけ。
妻はナミー。

さて、我が家はこれから、

いったい何兄妹になるのだろう。

人生、まだまだ面白い。

いいなと思ったら応援しよう!