僕は、抑圧が好きだ。
今や正気の反対は狂気ではない。気に正しいも狂っているもない。気があるかないか。ただそれだけだ。
ムードとして人から広がる気。自分のなかから湧き上がる気。それがある人間が正気であり、ない人間はただただ「気」がない。そういうやつをどう呼ぶかは、まぁ「無気力」あたりが穏当な表現だろう。
著名人が家族に暴力を起こしたかどうかについて、当の対象にそれまで何の興味もなかった人間が賢しらなコメントをしても気は一切発生しない。自分で気を出す矜持も覚悟もない人間の、腐臭がただようだけだ。お前たち、くさいぞ。
僕は、抑圧が好きだ。なぜなら成長が好きだからだ。育つのだいすき!
自分の中でなにかが変わっていく感触、変化が他者との間で育まれていく感覚。それが僕にとっての成長だ。それがなければ生きていて気持ちよくもなんともない。脱成長?そんなもん知るか。
経済活動が貧富の格差を生まないように調整する、あるいは構造を変えようとする意思は存在してしかるべきだが、私たちの成長の欲望には何の関わりもない。だいいち経済の調整を巧みに機能させることだって、人間にとっての集団的成長である。調整が、自ずと発生する経済的抑圧との戦闘そのものである。
別に上を目指さなければいけないとはいってない。ただ、生きていることの爽快さを得るために、変化および成長は不可欠である。そうした実感が、僕の人生のなかで着実に育まれてきただけだ。
僕らは、抑圧がなければ感動しない。サッカーの美しいドリブルやシュートは、タフなディフェンスによる抑圧がなければ存在しない。
戦う者にとって、抑圧はなくてはならない。そして、僕たちはみんな戦っている。この世界の中で。
我々はどこまでいってもみっともない。ドラマ『ユーフォリア』でゼンデイヤが演じる女性ルーは、ふとした失敗で作った借金を返すために、ドラッグを胃にためこんで運び屋をやらざるをえない。不名誉と恥辱は、生活についてまわる。しかし、それでも気がないよりはマシだ。
ふわふわ浮かぶような気持ちよさは人生にあってかまわない。それは喜ばしい。代わりに、ぼんやりした不安感に似た無気力ほど、呪わしいものはない。無気力を呼び起こすものが倫理のツラをして向かってきたら、唾をはきかけてしまえばいい。
気を生むために、僕らは遊ぶ。僕らは動く。僕らは休む。僕らは戦う。
気を発生させる装置として、抑圧はある。変化の実感に対する喜びが気になる。
コンプライアンスを遵守することも、ルールやマナーを丁寧に守ることも、ある意味では素晴らしい。しかし、抑圧がないと、変化の気運もない。そのことを、現代の我々は自覚するべきだ。
私たちは抑圧を進んで受け入れることができるか。自分に必要な抑圧を選んで、引き受けることができるか。
僕は自ら抑圧に身をさらすために、6月1日にイベントをすることを決めた。月曜日の20時。なかなか無謀な日程だ。急遽決まった週始まりのイベントに、普通人はこない。しかし、自らをリスクに晒した方がいい。自らを実験台に使った方がいい。そんな声が聞こえた。
今の時代に正しく気を持つためには、つまり正気を取り戻すためには、抑圧をすすんで引き受けなければならない。それが僕の暫定的な結論だ。

コンテンツ過剰接続のキムラとわたしはこーへ。てけしゅんの照沼健太と伏見瞬。この4人が集まる6月1日の日は、互いが負荷をかけ、観客からの抑圧も受ける。そんな回になる。もしかしたら僕らからオーディエンスに抑圧をかけるかもしれない。いや、かける。かならずかける。かけなければイベントをやる意味はない。
その抑圧の中から生まれるものこそが、今の時代に美しい気を与え合うための、愛だと私は思う。
M!LK、『マイケル』、ドレイク、ユーフォリア、バチェロレッテ、プラダを来た悪魔2、KAWAII LAB.、パランティア。
J-POPにしろ海外作品にしろその他の文化動向にしろ、最近世に現れたあらゆるコンテンツは抑圧とどう戦い、どう愛するかという問いを軸に回転している。その回転の力から、僕らがなにを得られるか。なにを与えることができるか。現地で示していきたいと思います。
当日はスタート前にDJタイムもあり。より楽しく濃密な時間にしていきたい。
雨と暑さの季節に、気を生むためのパーティーです。
会場は代官山駅すぐの「晴れたら空に豆まいて」。19時からパーティースタート、20時からトークスタートです。
どうか、気を確かに。
てけしゅん過剰接続 六月祭 「正気を取り戻せ!」〜アルゴリズム地獄篇〜 6月1日(月)20時開演 @代官山晴れたら空に豆まいて
前売/配信 ¥2800 当日 ¥3000
会場チケット(現金支払い) https://haremame.com/reserve/
配信チケット(ツイキャスプレミア) ※アーカイブあり
さらに、5月30日(土)に恵比寿AFTERLIFEで開催されるポップスパーティ「〈NOISE〉LATIN × JAPAN」にて、入場時に「正気ステッカー」を配布します(なくなり次第終了) こちらを6月1日のてけしゅん過剰接続イベントにお持ちいただくと、入場時500円オフ。
パーティーシーズンを一緒に楽しみましょう!

というわけで、抑圧についてかたったが、僕が今考えているもうひとつのテーマは「無」だ。
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