木構造実験会2025に参加して
榊本工務店です。
今回は、手刻み同好会 2025木構造実験会に参加させて頂きありがとう御座いました。前回初参加させて頂き、同会に入会しまして今回、試験体の提案を採用して頂き良い体験が出来ました。

実験体について
今回提案しました耐力壁の形は,20年程前に違う形から考え始め、採用して頂いた形になりました。きっかけは、断熱材を充填する壁の間柱の部屋方向への変形を押える方法としてでした。
それまでは充填断熱の場合、横胴縁を取付け、不陸を無くし内壁下地などを貼っていました。この場合、部屋内側に壁が膨らむことはなかったのですが断熱材+直貼り工法では間柱の変形による影響は大きかったのです。
(このときの筋交いは壁内側そり+柱面合わせで壁のそりを防いでいまた)
この影響を防ぐのに中間間柱を入れ、タテの間柱を上下に分ける様に始め加工の手間は係りますが、壁の不陸の影響は格段になくなりました。
そうすると、筋交い部分でも筋交い部材が変形したまま入れなくても上下柱ツラに合わせ初期座屈も抑制できるようになりました。
当初は現場で位置だしをしていましたが最初から入れる前提の場合は墨付けのタイミングで柱に位置だしを行いました。以前、このやり方を

色々な勉強会で、様々な方に相談してみたり・・・
色々な勉強会で色々な方に相談してみたりもしましたがおおむね、「固めすぎて筋交いや柱に影響が出るのではないか」との意見が多かったのですが、今回実働実験をする機会があり、あまり影響がなかった事が確認でき安心しました。
実験中に見て感じたこと・・・
実験中に見て感じたこととして、実験結果からのデーターは違うでしょうからその辺りの結果に興味がもてます。
実際、実験後に取り外された試験体を見ると筋交い・間柱・中間間柱には損傷は見られず、圧縮時の筋交いの座屈変形は押えていましたが、その代わり梁と筋交いが接している部分に20mm程のめり込みがあったのが心配になりました。(土台側は、杉の梁程ではありませんでした)



引っ張り側
引っ張り側については筋交い金物の取り付け位置と取付け方法によってビス抜けが早い内に始まるのが興味がもたれました。


他の方考案の実験・・・
他の方考案の実験も見学出来、水平構面では小幅板の取付け方(釘を1枚に付2本留める効果)や倍率を上げるには板同士のずれをどう止めるべきか、

柱の仕口実験の込み栓の使い方で変形後の改修のしやすさ等考えさせられることばかりでした。




墨付け・手刻みついて・・・
その中でやはり手刻みが出来るという事は重要であると思いました。
墨付け、手刻みが出来ると今回の実験でも思いましたが仕口一つの作り方、なぜそのような形になるのか、それを理解しながら実験を体験して実際の現場で特に改修工事などの時には十分に生かせる事と思いプレカットしか経験が無ければ臨機応変の対応は難しいと改めて思いました。
手刻みの経験があることが重要だと・・・
ただプレカットが悪いわけではなく墨付け、手刻みの経験があると単純な建物からこだわった建物までのプレカットの打合せなどでも十分にその経験は生かせて大工としての仕事の幅も広がっていくと思います。
昔は、大工個人への手刻み仕事がありどの大工も経験が出来ましたが、今はある意味特別な場所でしか経験できないのが残念です。
手刻みをされている工務店に入っている大工などは経験豊富な方から浅い方まで様々で、その場所で教えられ考えることも出来ますが一人親方の大工で経験が無いけど手刻みが出来るようになりたい人には経験できる場所が少なすぎると思います。
可能なら、短い期間でも良いから手刻み中の場所でまずは加工の経験が出来る環境があれば良いと思います。
(手刻みの応援に行くだけでも、木の見方・墨付け理由・加工方法も良い経験になります)
自社紹介
所在地:奈良県葛城市長尾74-1
屋号:榊本 工務店(さかきもと こうむてん)
現代表:榊本 憲一
創業:昭和40年
履歴:亡き榊本正和が職人期間を経て、大工工務店を始める
主に、在来木造一般住宅を建築。(建て売り系・注文住宅等多岐にわたる)
昭和63年 榊本憲一も高校卒業後、父 榊本正和に師事 以降現在に至る。
手刻みについては以前から続けており、プレカットが出始めて全盛になるまでの間も自社物件の時は墨付け・手刻みを続けていた。その中で、角物梁材等だけではなく丸太の梁や合唱組などの加工も経験していく。その経験が、今に生かされ色々な仕事や加工にも挑戦出来ています。
榊本憲一
