不健康でいさせてよ#青ブラ文学部
何もかも放り出してしまいたくなる時がある。
スマホも見ない。
ラインの通知音も無視する。
ただ、だらだらとパジャマを着たまま過ごす日。
スナック菓子とコーラを手元に置いて、ソファで寝転んで、どうでもいい映画を見ている。
誰もいない、誰も来ない
私だけの砦だ。
入ろうとするものは排除する。
ピンポーンと音がした。
「チッ、誰だよ、こんな時に」
「お姉ちゃん、あたし、桃子だよ、
ねぇ、開けて!ケーキ買って来たんだ。起きてるなら開けてよ」
ドアをドンドン叩く音に、
めんどくさいと思いながら
玄関を開ける。
「お姉ちゃん、どしたの?」
「別に何もしてないよ、知らんけど」
「ほら、ケーキ食べない?」
妹がケーキの箱を開けると、
出て来たのは、たぬきのケーキだ。
「まだあるんだ、たぬきケーキ」
「ね、懐かしいでしょ。子供の頃、ケーキと言えば、たぬきケーキだったもんね。お母さん、こればっかり買って来たから、ふふ」
妹は素直だ。
なんとなくふさぎ込んでいた気分が遠のく。
「ちゃんとご飯食べてるの?
スナック菓子とコーラばっかりだけど」
「そういう時もあるのよ。自堕落で不健康な生活をしてみたいの」
やはり、この子には素直に話してしまう。
私の性格を理解する妹には
負ける。
でも、気分は軽くなる。
たぬきケーキは、昔と同じ
甘かった。

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