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【展示】『山本直樹原画展WHITE(GoFa)』〜手描きの情念、デジタルの静けさ──山本直樹原画展を見て

FBで、漫画家・山本直樹の原画展が開催されているという投稿を見かけて、行ってみることにしました。
山本直樹は、『BLUE』などのアダルト系の作品からキャリアをスタートし、その後は青年誌で、独特の世界観を活かした家族崩壊もの『ありがとう』などを描いてきた漫画家です。さらに、連合赤軍を題材にした『RED』など、新たな表現に挑んだ作品でも高い評価を受けています。
原画展では、初期のエロ雑誌に描いていた作品から始まり、『BLUE』『ありがとう』『RED』といった代表作の原画が展示されていました。
ちょうど自分が学生時代にスピリッツで連載されていた『ありがとう』を夢中で読んでいたこともあり、その一連の作品には強く思い入れがあります。当時、読めるものは一通り読み漁った記憶があります。
展示の中でも特に印象に残ったのは、『ありがとう』の原画でした。
手描きならではの勢いや、人間のドロドロとした感情をむき出しにして描くような迫力がありました。
その一方で、途中からデジタル作画に移行することで、絵の質感や伝わってくる印象が大きく変わっていることにも気づきました。
同じ山本直樹の絵であるにもかかわらず、明らかに感じ取れるものが異なっていたのです。
手描きの原稿と並べて展示されていたことで、その違いがよりはっきりとわかりました。
それまでの手描きには、情動の過多ともいえるような筆致や、荒々しい表現がありました。
それが、デジタルというフィルターを通すことで、一度「手描き漫画的な情念」から距離を置いた、少し引いた視点の表現になっているように感じました。
また、画風も時代とともに上達し、洗練されていましたが、それは単に造形的な技術の向上というよりも、情念や物語世界をより的確に伝えるための進化だったように思います。
言葉や絵だけでは伝えきれないものを、映像ではなく「漫画」でしか表現できないかたちで描いてきた人なのだなと、改めて感じさせられる展示でした。

https://gofa.co.jp/exhibition/white/

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