【NISAやってみた】SpaceX 株当たりました!(1株だけ)
2026年6月12日。楽天証券から一通のメールが届きました。
「【IPO】『Space Explorati(SPCX)』当選のお知らせ」
正直、しばらく画面を見つめてしまいました。「まあ無理だろうな」と思いながら申し込んでいたので、当選という二文字がすぐには頭に入ってこなかったのです。
当選株数:1株。でも、当選は当選です。

そもそもなぜ申し込んだのか
きっかけは単純な好奇心でした。楽天証券でSpaceXのIPO申し込みが始まったというニュースを見て、「1株くらいなら」と手を動かしてみた。公開価格は1株135ドル、約2万円です。
ただ申し込みながら、AIと対話しながら考えを深めていくうちに、思いもよらない場所まで思考が広がっていきました。最終的には「現代文明の基盤を誰が握るのか」という問いにまで行き着いてしまったのです。今回はその思考の旅を記録してみたいと思います。
SpaceXはなぜ評価されるのか
最初は単純な疑問でした。SpaceXはロケット会社です。しかし、その企業価値はとてつもなく高い。なぜなのか。
調べていくと、SpaceXの価値はロケットだけではありませんでした。Starlinkによる衛星通信網——世界中のどこでもインターネット接続を可能にするインフラ。さらに宇宙輸送技術、将来的には月や火星開発。つまりSpaceXは「ロケット会社」というよりも「宇宙・通信インフラ企業」として見られているのです。
Starlinkが普及したら通信会社はいらなくなるのか
そこで一つの疑問が浮かびました。もしStarlinkが地球上のどこでも通信できるなら、将来的に光回線や携帯基地局はいらなくなるのではないか。
しかし考えてみると、そう単純な話ではありません。都市部では膨大な通信量が発生しており、光ファイバーの大容量通信はまだStarlinkの比ではない。一方でStarlinkは、山間部・離島・船舶・航空機・災害時・軍事用途で圧倒的な強みを発揮します。「完全な置き換え」ではなく「通信インフラの再編」が起きる、というのが現実的な見立てでしょう。
ただし、ここで終わりではありません。今は帯域が限られていても、10年後はどうでしょうか。AIによる圧縮技術や通信最適化が進めば、今より遥かに少ないデータ量で同じ情報をやり取りできるかもしれない。投資家たちが見ているのは「今のStarlink」ではなく「10年後のStarlink」なのだと思います。
マスクが握ろうとしているもの
さらに考えていくうちに、ある構図が見えてきました。
xAIが知能を、Starlinkが通信を、Teslaが移動とエネルギーを、Optimusが労働力を、SpaceXが宇宙輸送を担う。別会社でありながら、並べてみると「未来社会の基盤技術」をまるごと押さえにいっているように見えてくる。
これを「偶然の結果」と見るか「意図的な設計」と見るかで、マスクという人物の評価は大きく変わります。私にはまだ判断できません。ただ、その構図の輪郭だけは、はっきり見えた気がしました。
『天気の子』を思い出した
ここでふと、新海誠監督の『天気の子』が頭に浮かびました。
あの映画を観たとき、「大切な一人を守るために世界の形を変えてしまう」という選択は、あくまでフィクションの話だと思っていました。でも今のマスクを見ていると、それが現実に起きているように感じる瞬間があります。
実際、Starlinkはウクライナ戦争において決定的な役割を果たしました。ロシアの侵攻直後、ウクライナ軍はStarlinkによって通信網を維持し、ドローン攻撃の精度を保ちました。しかしマスクがクリミア半島近海でのStarlinkの利用を制限したとき、ウクライナ軍の作戦は実際に影響を受けたと報告されています。通信網の提供範囲を一企業のCEOが決める。その判断が、戦場の生死に直結する。国家だけが持っていたはずの力が、一企業の判断に乗っているのです。
もちろん、マスクを独裁者と呼びたいわけではありません。ただ「一個人の意思が世界規模のインフラに反映される」という状況が、すでに現実のものとして存在している。帆高が陽菜を選んだとき、雨が降り続ける東京という「代償」が描かれました。現実における代償が何になるのか、それを事前に計算できている人は、おそらく誰もいない。
なぜ誰もこの話をしないのか
AI、宇宙、通信、国家、民主主義、企業——すべてが繋がっていて、どこから切っても別の地雷を踏む構造になっています。だから論者もメディアも、「部分だけ切り取る」か「沈黙する」かの二択になりがちです。
「何か大きなことが起きている」とは感じながら、うまく言語化できない。多くの人がそんな状態にあるのではないでしょうか。(私もそうです。)
そして、当たった!
話を冒頭に戻します。
当選メールを受け取ったその日の夕方、楽天証券のアプリを開くと、保有株一覧の末尾に見慣れない文字が並んでいました。

「スペースX SPCX 0円」
0円なのはNASDAQの取引がまだ始まっていないからです。「まあ無理だろう」という予想は外れました。
この後、午後9時半過ぎに購入が確定されるとのことでした。
投資から文明論へ
今回面白かったのは、最初の入り口が単なる株式投資だったことです。SpaceX株は買いなのか。ソフトバンクグループはどうなのか。そんな話から始まりました。
でも掘り下げていくうちに気づいたのは、投資とは企業分析ではなく「人間社会はどこへ向かうのか」を考える行為なのかもしれない、ということです。どの企業に賭けるかは、どんな未来を信じるかと、ほとんど同じ問いです。
1株・約2万円。大きく化けるか、最悪ゼロになるか。でも今の私には、それよりも「2026年6月12日、人類史上最大のIPOの当日に株主になった」という事実の方が、不思議と大きく感じられています。
AIと対話しながら考えを深めるというのは、どこへ転がるか分からない散歩に似ています。SpaceXの株を1株買おうとしたら、文明の話になっていた。てくてく、と。

