【映画】『木挽町の仇討ち』〜黒澤明を思い出した、令和の仇討ち劇
視聴環境:Amazon Prime Video
<あらすじ>
父の仇を討つために江戸へやって来た菊之助は、見事に仇討ちを果たす。しかしその後、菊之助の家臣であったという縁者を名乗る一人の侍が江戸に現れ、事件の真相を探り始める。
<感想>
先日、アマプラの見放題ラインナップにこの作品が入っているのを見つけ、話題作でもあったので観てみることにしました。
てっきり悲劇的な仇討ち劇だと思って観ていたのですが、途中から「あれ、様子が違うぞ」という展開になっていき、まさかのコメディーへ、そしてそこからハートウォーミングな結末へとつながっていきます。舞台小屋がなぜ仇討ちの舞台に選ばれたのか、その理由づけもよく練られていて感心しました。舞台や歌舞伎として上演されているのも納得の、エンターテインメント性の高い作品でした。
雪降る江戸の町を舞台に、女装した美男子による父の仇討ち、探偵小説さながらの謎解き、さらには政治劇的な展開まで盛り込まれていて、構成の巧みさを感じました。
かなりメタ視点を効かせた作品で、回想シーンの中で仇討ちの様子を何度も再現していく手法は、黒澤明の『羅生門』を思い起こさせました。そうした古典的な物語構造を、現代ならではのエンターテインメントとしてうまく成立させているのが印象的でした。
話題作ということもあり、豪華な顔ぶれの俳優陣が出演していました。後から調べて気づいたのですが、乱心した父親役を演じていた俳優さん――「どこかで見たことがある」と思っていたら、なんと『侍タイムスリッパー』に出演していた山口馬木也でした。
