【アニメ】『ワールド・イズ・ダンシング』(1〜6話)』〜『かぐや姫の物語』の先にあるもの——手描きアニメの新しい地平
視聴環境:U-NEXT
<内容>
能楽師・世阿弥を主人公とするアニメシリーズ。
<感想>
少年漫画原作アニメにありがちなフォーマットを踏まえつつ、そのクオリティを一段と突き詰めた作品でした。
能楽師を描いた物語ではあるのですが、踊りにリズムが乗ってくると、魂が解放されたように踊り手が躍動しはじめ、空間いっぱいに弾けるように動き回ります。そして、その躍動はセルアニメーション的な枠組みすら超えて、線や色彩そのものが踊りだすかのように表現されます。
これは、高畑勲監督『かぐや姫の物語』の手描きのテイストを受け継ぎ、さらに発展させたアニメのように感じました。アート映画の領域でなされてきたような表現が、少年漫画原作の世界で実現されている——そんな印象を受けます。
すべてがアート志向になってしまうと、観る側は緊張を強いられがちです。しかしこの作品は、あくまで少年漫画的な絵柄とキャラクター造形を基調としています。ある種の類型的なキャラクタライズが施されているからこそ、芸に対する覚醒や絶頂に達する瞬間、その枠組みを一気に超えていく。その飛躍と、それに伴う表現の飛躍によって、観る者はある種の覚醒感覚を追体験させられるのです。
最近の攻めた日本アニメには、こうした試みをたびたび見かけますが、その中でもこの作品は、バランスとクオリティの両面でかなり高い水準に達していると感じました。
また、今流行りの「日本中世を舞台にした少年漫画」の系譜に連なる作品でもありました。『逃げ上手の若君』をはじめ、日本の中世を舞台にした物語が近年盛んに作られている印象があります。日本の中世は、幕末や江戸時代、戦国時代ほど創作の題材として取り上げられてこなかった時代ですが、歴史学の研究が進み、また江戸時代からの時間的な隔たりが相対的に短く感じられるようになったことが、その背景にあるのかもしれません。
子供の頃、観世流の末裔にあたる子が別の学年にいたことをふと思い出しました。ふつうに「観世」姓を名乗り、観世流の能を見る機会もあったので、どこか地続きの感覚があります。そうした世界が、アニメという最も届きやすいメディアで取り上げられているということに、興味深さを感じました。
