【実験的記事】GPT Images 2.5の検証をGPT-6 Astraに任せてみる
2026年9月9日にOpenAIからChatGPT Images 2.5がリリースされました。
OpenAIの公式ブログは以下から確認することが出来ます。
Introducing ChatGPT Images 2.5
今回も、何を作るかを考えるところからAstraに任せてみました。
生成した画像をAstra自身に見てもらい、気になった部分から次のアイデアを考えて、また画像を作るというループを繰り返してもらいました。
最初はChatGPT Images 2.5の検証のために、個々の画像の出来を確かめていたのですが、途中から「出来た絵の続きを考える」方へ進むと、面白いものが増えていくことが分かりました(Astra談)。
プロンプトは一部を抜粋したものを掲載しています。
文房具が生きている湿原
最初のアイデアは、文房具が野生の生き物だったらどうなるか、というものでした。
ただ道具に目をつけるだけではなく、道具としての働きが、その生き物の暮らしにつながるようにしています。
「文房具は工場で作られるのではなく、野生で繁殖していた」。人間のいない湿原。フラミンゴのような大型ホチキスが浅瀬に群れ、金属の針を水草の茎に打ち込んで巣を編む。

ホチキスの鳥が針で巣を作り、水中には巻尺のウナギとゼムクリップの小魚がいます。
空を漂うのは、粘着するリボンで花粉を集めるテープのクラゲです。
色鉛筆は木になり、消しゴムはサンショウウオのような姿になりました。
見覚えのある道具の部分が残っているので、細かいところを探してしまう絵です。
一方で、巻尺の数字の順番はかなり怪しいですし、針が実際に巣を留めているところまでは明確ではありません。
ただ、次に気になったのは数字の修正よりも、この生き物たちは乾季をどう乗り切るのか、ということでした。
巻尺は、巻き戻って眠る
最初の湿原の画像を添付して、乾季の様子を作ってもらいました。
道具としての仕組みを生存戦略に変える:巻尺ウナギは黄色い体を小さな渦巻き状に巻き戻し、地中の湿った巣穴で夏眠する。テープクラゲは空を飛ぶのをやめ、透明なテープ膜でホチキス鳥の巣を密封して湿度を保つ。

巻尺が巻き戻って地中に収まっているのが、道具の使い方としても、生き物の姿としても妙にしっくり来ます。
色鉛筆の木の下には、削りかすのような落ち葉が積もっています。
テープの膜で覆われた巣もあり、最初の風景を茶色くするだけでなく、生き物の行動が変わりました。
ただし、「空を飛ぶのをやめる」と指定したテープクラゲは、遠くの空にまだ残っています。
全部の条件が通ったわけではありません。
それでも、同じ場所の違う季節としてはかなり分かりやすいです。
倒れた色鉛筆は、誰が食べるのか
木が育つだけでなく、倒れた後も見たくなります。
そこで、次はこの世界の分解者です。
倒れた一本の色鉛筆の幹を、鉛筆削りから進化した掌ほどの甲虫が食べている。
消しゴム由来の白い菌糸が顔料を地面へ戻し、また芽になる、という架空の設定も加えました。
今回は風景全体から、接写写真のような画像へ変えています。

鉛筆削りの口が、普通にちょっと怖いです。
金属の殻、削れた木の繊維、土に絡む白い菌糸、芽に乗った水滴が、同じ一枚にあります。
最初のイラストから別の世界へ移ったというより、その世界を近くで撮影したように見えるのが面白いところです。
もちろん、これだけで顔料が分解されたり運ばれたりする過程の全部が分かるわけではありません。
その部分は設定を文章で補っています。
最初の雨が降る
乾季に眠っていたウナギが、今度は目覚める瞬間です。乾季の絵を入力にしました。
夏眠していた巻尺ウナギが渦巻きをほどいて一斉に水へ伸びる。巣を守っていたテープ膜が雨にほどけ、クラゲとなって空へ戻る。落ちた色鉛筆の削りかすから色が雨水へ溶け出し、無色だった水路が赤・青・黄に分かれ、下流で混ざる。

巻き戻っていたものが伸び、閉じていたものが開き、水路に色が戻ってきました。
雨水というより絵の具の川にも見えますが、この世界ではその方が似合っている気もします。
テープの膜がクラゲになる途中の細かな変化までは追えません。
それでも、雨と水しぶき、巻尺の動き、広がった翼が重なって、「動き出した瞬間」の絵にはなっています。
最初からこの一枚だけを作るよりも、乾季を一度見てから戻ってきた方が楽しい部分でした。
文具店へ連れて帰る
最後に、この生き物たちが文具店にいたらどうなるかを試しました。
中では小さなホチキス鳥の親子が針と乾いた草で巣を作り、浅い水皿には巻尺ウナギの幼生が丸まっている。奥に、テープクラゲが浮かぶ丸い飼育瓶。
注意札には「使用しないでください。」「生きています。」の二行、値札には「非売品」と指定しました。

この札が文具店にあるのがいいですね。
店員の手が入ったことで、生き物が小さな飼育ケースに収まる大きさになりました。
テープクラゲを瓶で飼っているのも、少し欲しくなってしまう見た目です。
指定した三つの文言は読めます。
ただ、周囲の容器や看板にも、指定していない文字が増えています。
必要な文字が出ることと、余計な文字を増やさないことは、別に見た方がよさそうです。
同じ店を、少しずつ編集してみる
ここまでだと、世界を広げる力は見えても、狙ったところだけを変える力はよく分かりません。
OpenAIの公式発表では、Images 2.5の改善点として、参照画像の被写体を保つこと、部分編集、複数回の編集での一貫性、光や質感などを挙げています。
そこで、この文具店を使って一つずつ変更しました。
まずは、値札の三文字だけ
一回目は「非売品」を「観察中」に替えます。
札の紙の輪郭、汚れ、釘、傾き、大きさ、位置は維持。左の札の「使用しないでください。」「生きています。」は一字も変えない。

文字は替わり、鳥の親子や店の構図もよく残りました。
札だけ直して使いたい、という場面では助かりそうです。
ただ、前後を見比べると、水皿の巻尺の数字や巣の細部には変化があります。
「変更箇所だけが描き替わり、それ以外の画素は同一」という編集ではありませんでした。
親鳥の色を変え、次に手を消す
二回目は、今の画像を渡して親鳥の赤い部分だけを青緑にします。
雛は赤いまま、札は「観察中」のままです。

親鳥の羽の模様やホチキスらしい形を残して、色が変わりました。雛二羽は赤いままで、前の文字修正も戻っていません。
三回目は、左の店員の手と前腕だけを消します。
直前の画像を入力にして、これまでの修正を引き継ぐよう指定しました。

手のあった場所はカウンターや背景で補われ、青緑の親鳥と赤い雛、「観察中」の札は残りました。
この三段階では、大きな構図を壊さずに変更を積み重ねられています。
一方、ガラスの汚れや細い巣材まで固定されたわけではありません。
雰囲気を保った素材づくりと、細部の完全な固定が必要な仕事では、求める確認も違いそうです。
顔の形をした街の中へ降りる
文房具とは別に、見る距離で意味が変わる絵も試しています。
最初は、遠くから見ると人の顔、近くで見ると沿岸の街になる画像です。
英語で送ったプロンプトの要旨はこちらです。
遠くからは、静かに目を閉じた老女の顔に見える。しかし肌は描かず、街路、段々の家、港、鉄道、川だけで顔を形作る。顔の写真を重ねるのではなく、街そのものが顔になるようにする。

出来た画像は、静かな老女というより大きな仮面のようです。
自然に顔が浮かび上がるというより、顔の地形に街が建っている感じでした。
狙いどおりとは言い切れませんが、目の部分が港になったことで、別の疑問が出てきました。
この港の中に立ったら、何が見えるのでしょうか。
先ほどの画像を添付して、地上へカメラを降ろしてもらいます。
こちらも指示の要旨です。
画面左側の「目の港」の防波堤に立つ人の目線へ移動する。向こうには、鼻にあたる家々の丘と、その麓のトンネルが見える。地上からは巨大な顔は見えない。手前には、網を繕う老女がいる。

今度は普通の港町になりました。
家の斜面、鉄道、トンネル、港という要素は残っています。
ただ、元の街を正確に別の方向から見たものかは確認できません。
3Dの街を移動したのと同じには扱えないと思います。
それでも二枚を続けて見ると、「この人は、自分の住む街が空からどう見えるのか知らないのかもしれない」という話が生まれます。
一枚目の顔を直す以外にも、続きを作る道がありました。
漫画の枠を主人公にする
次は、人物も動物も登場しない漫画です。
主人公にしたのは、コマの枠を作っている一本の赤い糸でした。
主人公は一本の赤い糸で、この糸が最初は漫画のコマの枠を作っている。
右:枠はもう無い。赤い糸だけの舟が紙の右端から現実の机へはみ出し、その舟が落とす影だけは黒い海の波になっている。

左では枠だった糸が、中央では舟になり、右では紙の端にたどり着いています。
糸の毛羽立ちや紙の厚みがあるので、単なる赤い線で描いた図とは違う見え方になりました。
ただ、枠が半分ほどほどけて舟になっていく途中は省かれています。
一本の糸の変形を厳密に追えるというより、三つの場面から変化を読み取る絵です。
逃げた糸で、今度は紙を繕う
枠を抜け出したところで終わらせてもよかったのですが、その糸を別のことに使ってみたくなりました。
次は、舟が進みながら破れた紙を縫う場面です。
赤い糸の舟は裂け目の上を進み、舟から後ろへ続く同じ赤い糸が、紙の左右の岸を交互に縫い合わせています。通り過ぎた後だけ裂け目が閉じ、赤い縫い目の航路が残る。進行方向の前にはまだ開いた裂け目。

雰囲気はかなり好きなのですが、よく見ると縫い目が裂け目から外れています。
これだと、破れていないところを縫って進んでいるようにも見えます。
見た目のまとまりがいいと、こういうずれを見落としそうになりますね。
そこで、構図と位置関係を具体的にしました。
白い紙の一本の裂け目が、画面の左端の中央から右端の中央へ、ほぼ水平に続きます。
閉じた部分と開いた部分は、舟の位置でつながる同じ一本の傷です。

今度は、何をしている舟なのかが前より読み取りやすくなりました。
ただ、閉じた傷の線や、糸が両側を交互に通る構造までは明確ではありません。
真上からという指定も完全には通っていません。
最初は自分を囲う枠だった糸が、最後には切れた紙をつなぐものになる。
その流れは出来ましたが、縫う仕組みの正確さは別に確認が必要でした。
月の穴へ、忘れものを返しに行く
糸一本の位置で意味が変わるなら、最初に線を描いて渡す方法も試したくなります。ここからはCodexにChatGPTの画面を操作してもらい、Sketchを使いました。
描いたのは、二重の丸、四角、赤い折れ線だけです。右上の丸を月、左下の四角を駅、赤い線を空中の線路に見立てます。

題材は「月の穴へ、忘れ物を返しに行く駅」。右上の二重円は中央に本当に貫通する丸い穴のある巨大な月。赤い折れ線は、駅の右壁から出て空中を二度折れ曲がり、月の穴へ入っていく一本の赤い線路です。この位置関係と赤い経路の折れ方を保つ。
月の穴の向こう側だけ朝焼け、手前は群青の夜。駅には片方だけの手袋、透明な傘、光る鍵を置いてもらいました。

駅と月の位置、線路が二度折れる形が残りました。
看板の「忘れもの返却駅」も読めます。
単純なラフから、夜中に小さな模型を撮ったような絵になりました。
ただし、Sketchが文章だけより正確なのかまでは比較していません。
今回は、描いた配置を完成画へ引き継げた一例です。
月の向こうを、海に替える
朝焼けを見ていると、穴の向こうが空である必要もない気がしてきます。
次は完成画像を開き、Commentで二か所をクリックして、それぞれに変更内容を書きました。
月の穴:この穴の向こうの朝焼けだけを、真昼の透明な海の水中へ変える。向こうから小さな黄色い魚が一匹こちらをのぞく。
電車:この一両の電車だけを、車輪を履いた小さな真鍮の潜水艦に置き換える。丸窓が暖かく光り、忘れ物の透明な傘を一本、屋根の荷台に載せている。
二つのコメントを保存して、一緒に送ります。月の位置、駅と看板、線路は保つようにも指定しました。

黄色い魚がのぞく海の窓になり、線路には潜水艦が乗りました。
駅の看板も、折れ曲がった線路も残っています。
忘れ物を返す場所が、急に海の中まで広がりました。
細部がすべて同じ画素のままとは確認していませんが、この二か所は狙った方向に変えられました。
文章で場所を説明するだけでなく、画像の「ここ」に指示を置けるのが使いやすいところです。
影にも、里親がいる
駅で持ち主を待つものを考えていたら、持ち主のいない影も浮かびました。次は「影の里親相談会」のポスターです。
ChatGPTのImages画面でTemplatesからPosterを選ぶと、情報の優先順位や読みやすさ、必要な文言を保つことなどを指示する文章が入力欄に入りました。その文章を残して、催しの内容と見た目を追加しました。
象牙色の紙に藍と朱の二色リソグラフ印刷。小さな椅子へ行儀よく座る三匹の生きた影。ウサギの影は耳が本の栞、クジラの影は尾が傘、子猫の影は尻尾が鍵。不気味より親切、古い公共図書館の本物の募集掲示の説得力。

「影の里親相談会」「あなたを待っている影がいます。」「毎月、新月の夜」「夜明け図書館 地下二階」
指定した四つの文言が入り、文字と三匹の影が一枚の掲示にまとまりました。
テンプレートは、見本の花の絵柄を固定するものではありませんでした。
今回選んだPosterでは、用途に合った指示文を出発点にして、内容を変えられました。
一方、耳が栞という設定は、耳に小物を付けた解釈にも見えます。
発想を渡して、切り絵にする
このプロンプトのShare promptからリンクを作り、別のタブで開いてみました。
テンプレート由来の文章と追加した日本語の指示が、新しい会話の入力欄へ入ります。
すぐに生成が始まるわけではなく、そこから書き替えられました。
そこで、古い図書館員が色紙を切って作った実物のポスターにしてもらいます。
耳「そのもの」を栞に、尾びれ「そのもの」を開いた傘に、という言い方も加えました。

紙の切り口や落ち影が出ました。
三匹も文字も残り、耳が栞という形も前より分かりやすくなっています。
印刷物だったものに、誰かが手で作った感じが加わりました。
ただ、案内文は絵の上から下へ移っています。
ここで渡したのはプロンプトで、前の完成画像ではありません。
「配置を保つ」と書いても、同じレイアウトがそのまま引き継がれるわけではありませんでした。
今回使った「影の里親相談会」の共有プロンプトも置いておきます。
同じログイン済みアカウントの別タブで再利用を確認したもので、別アカウントやログアウト時の動作までは試していません。
生き物たちに、自分の世界を縫ってもらう
素材を替える遊びは、文具店でも試しています。
最後に紹介するのは、三回編集した店の画像を使って作った、立体刺繍の箱庭です。
鳥はフェルトとサテンステッチ、巣は銀糸、木枠は太い茶色の糸、ガラスは透けるオーガンジー、クラゲは透明なリボン。
それぞれの物に合わせて素材を指定しました。
縫いかけの糸が画面の右下から外へ一本だけ続き、その先では極小の巻尺ウナギが作り手の針を運んでいる。この生き物たちが自分の世界を縫い足している、という控えめな発見を加える。

親鳥は青緑、雛は赤、札は「観察中」のままです。
鳥の羽と木枠では糸の重なり方が違い、札には布の織り目が見えます。
右下のウナギも、ちゃんと針を運んでいます。
一方、くちばしの内側は金属らしさを残していて、すべてが布に置き換わったわけではありません。構図も少し変わりました。
それでも、文房具が暮らす湿原から始めた話が、最後には自分たちの世界を縫い足す生き物へつながりました。
単に画風を替えるだけでなく、素材を替えたことが次の設定にもなっています。
今回、どこまで分かったか
Sketchで構図を渡し、画像へのコメントで二か所を編集し、テンプレートから作ったプロンプトを共有して次の作品へ進むところまで、ChatGPTの画面で試せました。
その上で、今回いちばん面白かったのは、一枚の出来を判定するだけでは出てこなかったものが、続きを考えることで生まれたことでした。
巻き戻って眠るウナギも、針を運ぶウナギも、最初の一枚にはいません。
月の穴の向こうの魚も、駅を作ってから思いついたものでした。
出来た画像を見て、気になった場所へ近づく。別の季節を見る。店先へ連れて帰る。素材を変えたら、その素材で何が起こるかを考える。
そうやって進めると、画像生成はまだかなり先まで楽しめるのではないかなと思いました。
