鉄との戦い|第1話:名前を継ぐ
【導入文】
これは“鉄との戦い”という物語です。 父から継いだ町工場、引き継ぐことの葛藤、家族との衝突、自分の無力さとの戦い──。 これは、ただの事業承継の話ではありません。 “自分とは何か”を問い直した、ひとりの男の人生の記録です。
【第1話:名前を継ぐ】
父は昔から、鉄のように頑固な人だった。
小さい頃から、工場は遊び場だった。 人はプレスの音がうるさいと言うが、 俺にとっては生活のリズムだったし、遊びのBGMだった。
鉄のかけらを拾って、組み合わせて、 意味のわからない何かをつくっていた。
鉄は遊び相手であり、 俺にとっての身近な世界だった。
でも、大人になるにつれて、 その鉄は壁になった。
そして、気づけば、 俺の名前の隣に貼り付くものになっていた。
【あとがき】
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この物語は、私自身の経験をもとに描いています。 父から受け継いだ工場、うまくいかない家族との関係、仕事と感情のはざまで、何度も立ち止まりました。
描くことで、少しずつ自分の気持ちと向き合えるようになりました。 このマンガが、誰かにとって「自分を見つめるきっかけ」になれたら幸いです。
【著者紹介】
鍛冶川 湊(かじかわ・みなと) 小さな町工場の二代目。 語るより、情景で伝えるタイプ。 「過去」を描きながら、ようやく「今」を生きはじめている。
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