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【ハーネスのはなし】2️⃣まず“バラバラ”の例を15個書き出してみた


前回(第1回)は「世界はぜんぶ束ねる仕組み=ハーネスでできている」という大きな話でした。
今回からはミクロ編。自分たちのクリニックを束ねる前に、まず“バラバラに散らばっている困りごと”を見つめます。束ねるには、何が散らばっているのかを先に知らないといけないからです。

束ねる前に、まず「散らばり」を見つける

ハーネスは、バラバラを束ねる仕組みでした。ということは、最初にやるべきは「うちのクリニックでは、何がバラバラなのか?」を書き出すことです。

でも、毎日やっていることは当たり前すぎて、案外うまく言葉にできません。「忙しい」「なんか大変」で終わってしまう。そこで今回は、相棒のAIに頼んでみました。

「クリニックの現場で、日常的に困ることを15個くらい挙げてみて」

すると、ぱっと15個出してくれました。読みながら「あー、あるある」「これも地味につらいんだよな」と、つい何度もうなずいてしまいました。まずはそのまま並べてみます。

AIが挙げてくれた、日常の困りごと15

  1. 予約のダブルブッキング・変更電話 ―― 電話で予約変更を受けるたびに、表を直す。たまにダブってヒヤッとする。

  2. 保険証の確認 ―― 期限切れや変更に気づけず、あとで差し戻し。月初は特に大変。

  3. 検査結果がどこにあるか探す ―― 検査会社のサイト、カルテ、紙。毎回どこを見るか迷う。

  4. 同じ情報の二重入力 ―― 一度書いた患者情報を、別のソフトにまた手で打ち直す。

  5. 薬局からの疑義照会のやりとり ―― 電話やファックスで来て、対応して、記録する。流れが分断されている。

  6. 紹介先を探す ―― この患者さんを次にどこへ送ればいいか、毎回考えて調べる。

  7. 在庫の発注タイミング ―― 注射針や試薬が、気づいたら残りわずか。目視に頼っている。

  8. 問診票の記入・回収・入力 ―― 紙で書いてもらい、回収して、内容をカルテに反映する手間。

  9. 待ち時間が読めない ―― あとどれくらいか聞かれても、はっきり答えられない。

  10. スタッフ間の連絡 ―― 口頭と付箋が中心。伝え漏れや「言った・言わない」が起きる。

  11. 診断書・各種文書の作成 ―― そのたびに過去の情報を集め直して、別の様式に書き写す。

  12. 発熱患者などの動線・案内 ―― 当日の状況に合わせた誘導が、その場の判断頼み。

  13. 会計まわりの処理 ―― 計算、領収書、明細。締めの時間に作業が固まる。

  14. 予防接種・健診のスケジュール管理 ―― 次回の案内や打ち忘れ防止が、人の記憶任せ。

  15. 過去の経過・前回処方の確認 ―― 「前回どうしたっけ」を、毎回さかのぼって探す。


並べてみて気づいたこと

こうして15個並べると、はっきり見えてくることがあります。

どれも、「道具と道具のすきまを、人間が手で埋めている」 困りごとなんです。前回の話そのまま。探す、写す、確認する、思い出す。本来やらなくていいはずの「すきま埋め」に、毎日少しずつ時間と集中力を奪われている。

しかも、ひとつひとつは小さい。だから「まあ、これくらい」と我慢してしまう。でも、15個ぜんぶが毎日積み重なると、確実にスタッフを疲れさせ、ミスの種になっている。小さな困りごとほど、見過ごされやすい。

全部を一度に束ねようとしない

ここで大事なのが、前回もふれた現場のルールです。全部を一気にやろうとすると、必ず失敗する。

15個ぜんぶを同時に束ねる大きな仕組みを作っても、現場は忙しくて使いこなせません。立派だけど使われない道具になる。だから、ひとつずつ。いちばん効きそうなところ、いちばん「すきま埋め」がつらいところから、小さく束ねていく。

では、この15個のうち、どこから手をつけるのか。
その選び方と、最初に選んだひとつについては、次回ゆっくり書きます。(実はこの中に、私が「ここから始めよう」と決めたものが、しれっと混ざっています。)



おわりに

束ねる前に、まず散らばりを見つめる。今回はその一歩でした。

もしあなたが自分の現場でも同じことをするなら、ぜひAIに「うちの仕事で困ることを15個挙げて」と聞いてみてください。自分では当たり前すぎて言葉にできなかった“バラバラ”が、ふしぎと見えてきます。見えれば、束ねられる。


今日はここまで


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